姫先生のおめめ

25年間の養護教諭の経験と脳科学、波動理論から引き出すレジリエンス向上について書いています。

死にたいと訴えてきた中学生への対応

2021年11月25日 | 保健室コーチング

 

 

(一社)ハートマッスルトレーニングジム代表
主体的人生を構築する人材育成トレーナー 桑原朱美です。

 

今日のテーマは
「死にたいと訴えてきた中学生への対応」です。

保健室コーチングアドバンスコース修了生の
A先生から実践事例が届きました。

確認質問を活用した事例です。

--------------

「発達障害があるから、死にたい」
と来室した生徒がいました。

対応の後にメルマガを読んだら
事例とドンピシャでしたので、報告をします。

「発達障害だから」という言葉が気になり、
本人に確認質問しながら
彼女にとっての「発達障害」とはどんな意味なのかを
チャンクダウンしました。

●人に迷惑をかける、気が利かない、
●他の人が困っていても何も感じない、
●あとから振り返って自分の行動を後悔、
●もう治らない・・・

ああ、突っ込みどころ満載だぁと感じ
アドバンスコースでの学びを思い出し
確認質問で対応しました。

彼女の祖母は「おまえは普通の子と違う」
というのだそうです。

●普通の子ってどんな子なんだろう?
と、本人の抱えている思いを、確認質問していきました。

確認質問を通して
さまざまなことを具体化し
彼女の内面をの理解を進め

そして最後は、
究極の質問を投げてみました。

「生きている人は
人に迷惑かけたらダメなの?」

「障害があるあなたは
幸せになったらいけないの?」

この質問で
彼女は、自分で自分にかけている制限に
気付いた様子でした。


なぜ保健室に来たのか尋ねたところ
「助けてほしかった」と言いました。

彼女は確かに
生きづらさを抱えている子だと思います。

でも彼女は可能性がある、
きっと社会で生きていける、

そう信じて関わってきたことが、
彼女のSOSをキャッチできたのだと思うと

ああ、よかったと思うのです。

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A先生。
素晴らしい教育的対応の
事例、ありがとうございます。

対応はこれからも
続くと思いますが、

内面を丁寧に理解してくれる
大人がいることは、

この子にとって自分が自分であることに誇りをもって
生きていくための支えになると思います。


発達障害=●●
というたくさんの思い込みを持った
この中学生さんに対し

A先生は
つらいという感情は受け止めたうえで

その感情を生み出した思い込みに
丁寧にヒビを入れ
思い込みを緩めていかれました。

ただ話を聞くという対応だけでは
場合によっては
自分のつらさを強化してしまうことがあります。

感情を何とかしてあげようとしても
それを生み出す思い込みが強固であれば

その場は何とか納めても思い込みがそのままであれば
同じ感情はあらゆる場面で生み出されるます。

火元となる「思い込み」にアプローチして
苦しみの原因を緩めていく必要があります。

親身になるという
きれいな言葉があります。

相手の感情に同一化し
一緒に泣いてあげることが
親身になることではありません。

共感力が高いということが
素晴らしいとは言い切れません。

学校現場や対人支援の場で
共感と受容という言葉が
独り歩きしていると感じることがあります。

教育という視点が抜け
癒しが目的になると対応がずれてきます。

相手の内面を丁寧に理解するためには
的確な質問をしながら対応します。

それによって相手の思い込みを緩めていくことができます。
癒しは目的ではなく、的確な対応の結果として
相手の内側で自然に起きることなのです

何度でも言いますが
学校教育においては
「癒し」は、目的ではありません。

人を癒そうなんて
それは、思い上がりだと私は思います。

その人を制限する思い込みが緩むことで
勝手に相手の内面に起きてくることで
自然と本人の中で癒しは起きてきます。


思い込みを緩めるには
「気づき」が必要。

「気づき」を起こすためには
的確な質問が必要です。

 

これが丁寧な対応であり
本当の意味での親身になること。

このような場面では
コーチング的な質問ではなく
気づきを引き出すための
質問が必要です。

保健室コーチングの質問は
カウンセリング的な質問と
コーチング的質問の両方があります。

それを使い分けるには
質問を知識として得るのではなく
人間が思い込みを生み出していく
その原理原則を学ぶ必要があります。

知識としての質問を
知ろうとすると
そこが抜け落ちてしまいます。

コーチングができます。
コーチングを学びました。
コーチです!
という人の大半が、本質を理解することなく
スキルを使おうとします、。

原理原則、本質を学ぶには
系統的な学びと体験的な学びが必要です。

気づかせるだけでいいんですか?
という方がいます。

正しい方向に変えていくことが
必要ではないのですか?
という方がいます。

解決のための方法を
教えてくださいという方もいます。

保健室コーチングでは
解決ではなく「変化」を起こすことの方が
その後の人生を豊かに生きていくための
内側のエネルギーを高めていくために必要だと
考えます。

結果として
トラブルの解決につながるだけでなく
同じような問題が
起きにくくなるということの方が
もっと大切だからです。

火を消すより
火を生み出す火元の対応を
しっかりしましょうということです。

それでは
今日も素敵な1日を!


この記事は、メルマガ「可能性をあきらめたくない女性のための時間と思考の使い方」
 2021年11月24日号で紹介した内容に加筆修正した内容です。

 

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