(一社)ハートマッスルトレーニングジム代表
主体的人生を構築する人材育成トレーナー 桑原朱美です。
今日のテーマは
「2つの<大丈夫>の違い」です。
受講生アップデートコミュニティレギュラー会員さんとの
無料コンサルでこんなお話が出ました。
小学校の担任をされているT先生からの
お話です。
とても興味深かったので
許可を得てご紹介します。
●A先生
若手で、ちょっと自信満々な方。
担任していたある児童Bさんは、LD傾向があり
普通学級で学ぶのも多少しんどい感じ
しかし、A先生は自信満々に
お母さんに「大丈夫です」と伝えた
これは、昨年度の話。
●T先生(今回のお話をしてくださった先生)
自分が担任する別の児童Dさんは
前年度の担任に対する不安で不登校になっていた。
新年度が始まる際に、不安を抱えるお母さんに
「大丈夫です」と伝えた
これは、今年度の話。
●A先生の「大丈夫」の結果
結果、昨年度のBさんは、教室で立ち歩きなどはないが
勉強が思うように進まなかった。
●T先生の「大丈夫」の結果
Dさんは、不安が払しょくされ
1学期、元気に登校できた
彼にとって本当に大丈夫の状況になった
それだけでなく、昨年A先生が受け持った
Bさんも担任しているが、この子にも意欲が生まれ
大きな変化があった
この変化をもとに、
T先生は、お母さんと話し合った結果
支援級で通級しながら学ぶことを希望され移籍することになった。
<違いを起こしたのは何だろう>
大丈夫という同じ言葉。でも違いが起きています。
そこで、T先生に、聴いてみました。
「A先生もT先生も別の事例ですが
大丈夫と言ってますよね。
同じ言葉ですが、違いがあるように
感じます。T先生は、それは何だと思いますか?」
そのT先生の答えになるほどと
思わずうなづいてしまいました。
以下、T先生の見解です。
自分側の視点ではないかと思います。
Bさんはおとなしい子なので
授業中に騒いだり、立ち歩きをしないから
自分が授業を進めるのに支障がない
という意味で、「大丈夫」と言っていると感じました。
(つまり、「自分」が大丈夫の意味)
だから、具体的にBさんに対して、何もしていないようでした。
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自分は、Dさんのお母さんとは
具体的にどんな「不安」がお母さんやDさんにあるのかを
お聴きしました。
そして、その一つ一つについて、具体的に
どんな対応をしていくのかを説明しました。
「大丈夫」の意味は、相手(子どもや保護者)の立場からのことばです。
そして、提案した具体策もその子が「あの子だけ特別」と
思われないような学級のシステムを作っています。
その結果、Dさんは安心して登校できるようになりました。
お母さんが当初、とても心配されていましたが
うちのクラスは、自分で考えて行動する
システムをたくさん作っていて
その決めたことに対し
お互いが尊重できる学級づくりをしています。
それが大きかったと思います。
あれこれ心配するお母さんに「過保護」という先生もいましたが
そうではなくて、そうしなくてもいいような状況とか体制を作っていくことが
大事だと考えています。
昨年度、大丈夫と言われて
全く学習が進まなかったBさんについては
授業中、わからない!ここ、どうするの?
というSOSを発しても、だれも、文句を言いません。
今までは、きっとそれも言えなかったのかもと思いました。
私は、わからないことはわからないといってもよい、
それが可能な学級づくりを心掛けています。
そのためには、自分も「わからない」を
ちゃんと言うようにしています。
「なんや、先生もわからんことあるのか」
「そうだよ、先生もわからんこといっぱいあるから、ほかの先生に聞いておしえてもらんだよ」
「そうなんや」
そんなやり取りが大事だと思います。
こうした状況の中、
1学期中には、自分で宿題を決めて
自分で取り組む姿勢が生まれました。
そうした背景があって、Bさんとの話し合いで
支援級への通級も決められたのだと思います。
普通学級では無理だか行きなさいではなく
もっとこの教科だけでも、支援級でしっかり手をかけてもらうとよいのかも
という気持ちがお母さんに生まれたようです。
「大丈夫」という言葉には
本人や保護者の不安にしっかりと耳を傾け
「大丈夫」を裏付けるこちらの具体策を示し
実際にや
保護者の方の不安も払しょくできるし
子どもの行動が実際に変化することで
よい循環が生まれています。
T先生の話に納得し、感動しました。
T先生は、長年、保健室コーチングを学び
それを学級経営に生かされています。
一人一人への対応が叫ばれる中
本当に大切なのは
学級全体に、子どもが自立できるシステムがあること
T先生の学級づくりは
「してあげる」の発想ではなく
「自立できること」の視点があります。
「その子のペースで学習や生活ができる安心安全の場づくり」
「自分で決めて行動することができる学級のシステム作り」
「それぞれの考えやペースを尊重できる人間関係」
人生の安心安全の場が家庭であるように、学校での安心安全の場は、学級。
T先生には、悩める多くの担任の先生のために
本を書いてほしいとすら思う桑原でした。
今、執筆している次回の著書には
ぜひ、T先生の実践を書かせてほしいなと思います。
それでは、今日も
素敵な1日を!
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2022年8月10日号で紹介した内容に加筆修正した内容です。
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