本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

安居(あんご)・半夏生

2022-06-22 19:36:47 | 住職の活動日記

ちょうど梅雨の時期

傘が似合う時でもあります

烏丸通に面した

池坊の大きなビルの一角に

 

 

梅雨空を明るくするような

モニュメントがあります

 

この時期はインドでも

雨がよく降る

それで、「安居」といって

お釈迦さまをはじめ

お弟子の方々は

托鉢に出ることなく

一所に止まって

静かに瞑想したり

お釈迦さまの教えの研削に

励んだのです

 

一つには遊行には不便である

一つには虫類を踏殺すことを

恐れて出歩かない

ということです

 

この安居という字も面白く

普通には「あんきょ」と読み

安らかに暮らす、という

意味です

それを仏教では「あんご」

と読み

仏教の研究修養に務めた

のです

 

インドではヴァルシャといい

雨季という意味です

インドの夏季の降雨時期

4月16日から7月15日の

90日間を安居として

お釈迦さまの成道の翌年から

入滅まで続けられました

自ら犯した罪を問う(自恣)

作法が厳粛に勤められました

 

ちょうど

夏の時期ということで

夏行ゲギョウ、夏坐ゲザなどの

呼び方があるようです

 

安居の初日のことを、

夏安居の制度を結ぶ

という意味で、結夏ケツゲ

安居が完了することを

過夏カゲといいます

 

 

半夏生ですが

読み方から「はんげしょう」

で、

半化粧と思っていたのです

葉の部分が半分白くなるので

半分化粧した、と

ところが

どうもそうではなく

結夏ケツゲと解夏ゲゲの間

解夏というのは7月15日

以降に安居を解くことで、

その間を半夏といいます

「半夏生」という名前も

そこらから出ているようで

やはり仏教に関する言葉の

ように思います

 

この安居の行事も

お寺にはとても大切な行事で

この安居の出ることで、

法臘(ほうろう)というも

受戒以後の年齢ですが

本当はこの安居に出席した

年を数えたほど

この安居という行事は

仏教徒にとってとても大切な

行事だったのです

 

今では、色々なお寺で

夏期講座が行われていますが

これは安居のということの

現代版だということです。

 

池坊も六角堂頂法寺ですから

 

 

こういう傘をモチーフに

安居ということを

表現しているのかも

しれませんね。

 

 

 

 

 

コメント
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