かみつけ岩坊の数寄、隙き、大好き

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 「Hoshino Parsons Project」のブログ

昏迷する時代に勃興する強硬派には気をつけよう

2009年01月16日 | 議論、分析ばかりしてないで攻めてみろ!
難しい中東問題が、さらに深刻なことに


「3,000年昔、私たちの祖先がここに国を建てた。私たちは歴史的な郷土に帰ってきたのだ」
とヨーロッパから来たユダヤ人はいう。

冗談じゃない。世界中の人々が3000年前の古証文を持ち出して領土の要求をしはじめたら、この地球はどうなるのだ」
とイスラエルから追い出されたパレスチナ人はいう。

1948年にユダヤ人の国「イスラエル」が建国された。
ここから中東戦争は続き、占領地や入植地は、戦争や調停のなかで様々な変遷をたどってきました。

難民となった大量のアラブ人(パレスチナ難民)が、イスラエルに対して無力闘争を行ったのがPLO(パレスチナ解放機構)

1994年にガザとイェリコにパレスチナ暫定自治区がつくられ、95年には暫定自治政府を樹立した。


これまでは、ガザのハマスこそ、過激な悪者であり、
中東諸国のなかで、イスラエルこそ唯一の近代民主国家であるといったイメージで、アメリカ中枢への影響力の強いのユダヤ人と密接な関係を保ってきました。

ところが、ここに来て急速に、
これまで国際社会で悪者扱いにされてきたガザのハマスが、イスラエルの過激な封じ込め攻撃にあい、アメリカでさえも、イスラエルの肩ばかりもつことが出来なくなってしまいました。



イスラエル人は、ゲットーやナチスの強制収容所からの解放を目指して戦ってきたはずなのだが、今のイスラエルは「ナチスと戦う人々」から「ナチスそのもの」へと、「正義」から「悪」へと転換してしまっている。

ワルシャワのゲットーから脱出してイスラエルを建国した人々が、もともと住んでいたパレスチナ人をガザに押し込め、ガザにゲットーを作ってしまった。
              田中 宇「ガザ戦争で逆転する善悪」


さらに昨日のニュースで
イスラエルの極右党首が、
「ハマスを日本のように屈服させよ」
http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_int&k=20090114020727a
アメリカが日本を黙らせたように、イスラエルはハマスを黙らせるべきだ、
といったことまで言い出した。

これは、敗戦占領下の日本の様を言っているだけではなく、
明らかに核保有国イスラエルとしての脅し文句と受け取れる。
広島・長崎のようにしてハマスを屈服させるのだと。

アラブ社会で唯一の近代民主主義国家であるとの過保護な環境にあったことで、核査察も受けずにやりたい放題になっていたイスラエルが、ここまで強行姿勢になってしまったのは、国内統治能力の弱体化が背景にあるようです。

ハマスからチクチクと攻撃を受けていたイスラエルは、政権が弱くなるほど、強行姿勢を見せないと支持が得にくくなってしまう。
かといって、一挙に正面から戦って勝てる自信があるわけではない。
なんとなく、どうしようもない混乱状態に持ち込んで、国連、ロシア、EU、アメリカなどの管理下においてもらうしか手が無いような気になってしまっているような感じもする。

こうした構図は、人ごとではありませんね。
社会が昏迷を極めると、やたら強行姿勢を見せないと国民の支持が得にくくなってしまうことが多い。
これからの時代、このことをよーく気をつけなければいけませんね。



オバマが、イスラエルだけの肩を持たない多極主義政策ここでも生きてくるのだけど、
戦争が絶えず隣接する地域への拡大の危機をはらんでいて、各国の利害調整は簡単にはいきそうにありません。

さらにイランに飛び火したら、また石油が高騰する。

私たちには、どうすることも出来ない危険が拡大しているのだけど、
化石燃料からの脱却を加速しないといけない気がします。

宗教紛争は、まだまだ世界各地で起きるでしょうが、被害にあっている民衆は、必ずしも信仰だけで命を張っているわけではないと思います。

いつの時代でも、どこの国でも、時の政府が正当性を持つ根拠として、宗教が利用されているに過ぎないのではないかと思います。

政府に騙されない
宗教に騙されない
そんな逞しさがこれから求められるのではないかと感じます。
コメント
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