「冷たいみそ汁」?
言葉を聞くなり、
「ちゃぶ台をひっくり返してやりたくなる」
と言った人がいました。
日本人の常識からすれば、冷めたみそ汁など、
すでに料理ではない。
でも、一度、この味を知ったならば、誰もがその誤解を解く。
夏の暑い季節、糖分の多い清涼飲料水を飲むよりも、この「冷たいみそ汁」をとる方が、どれほど健康に良いか。
夏でも食欲がすすみ、うどんやご飯を加えてたべても格別の料理となります。
一般的には「冷や汁」と言う地域が多いようですが、 俗に「冷や汁」となると 味噌仕立てとは限らず、ご飯やうどんを加えたものも含む「冷たいスープ」となります。
それに対して、冷たいみそ汁は、あくまでも冷たい「みそ汁」
かなり意表をつく料理ですが、ネットで検索すると、地方や家庭によってかなり様々な作り方があるようです。
私はずっと小さい頃からこの「冷たいみそ汁」に慣れ親しんできていたので、てっきりこの「冷たいみそ汁」は群馬県の利根地方に固有の料理なのかと思っていました。
ところが・・・
地元の人に聞いてみると、意外。近所の人たちは誰も知らない。
考えてみれば、私の家は転勤族であったため、群馬、福島、新潟と移り住み、この「冷たいみそ汁」はどこで覚えたのか、母は既に他界しているために確認できない。
どうやら、群馬の伝統料理であるというのは、私の勝手な思い込みであったようです。
そんなことをある日、妻に話したら、妻の母の実家が新潟県の十日町市であり、そこでこの「冷たいみそ汁」と同じものを料理していたという。
わたしの母も新潟にいた頃に覚えたものなのかもしれません。
「冷や汁」で検索すると、東北から九州までの広い地域で郷土料理としてあるようです。
以下、家内につくり方をまとめてもらいました。
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私が子供のころ。
母が教えてと、言うより話していました。
材料(二人)
お化け胡瓜(大きさによって変わる)直径5センチ長さ30センチ一本
青紫蘇(大葉)10枚位(揉んでしまうので沢山あっても)
作り方
(1)、胡瓜の皮はむく(すべてむかずに、筋状に残してもよい)
縦長半分に切って種が大きければ指で掻きだす。
そして薄く半月に切って行く。
ボールに入れて小さじ半分の塩をまぶす。30分位置く(冷蔵庫で)
(2)、好みで、ナスを加えても美味しい。
(3)、青シソ4~5枚ずつ重ねて丸めて千切りの後絞る。
(青シソは色が黒く変色しやすいので食べる直前に切ったほうがよい。)
(4)、冷蔵庫の胡瓜を軽く絞って涼しそうな大きめな容器に青シソと一緒に入れる。
その中に出汁入り味噌(無ければ普通の味噌)大さじ1を入れ氷も適宜入れる
味を見ながら2人分の味噌汁の量の水と味噌加減を整える。
お化け胡瓜とは大きくなりすぎた胡瓜のことです。
普通の胡瓜ではしゃき、しゃきした歯ごたえと瑞々しい感じが味わえないかも…
夏の暑い日に胡瓜もみをするたびに母が話していました。故郷新潟で野良仕事の合間のお昼ごはんです。そしてこの中にご飯を入れて食べるのだそうです。忙しい農家の夏の日のお昼ごはん。
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冒頭の写真は、地元で応援している郷土芸能「下牧人形浄瑠璃」の人形キャラクターを使わせていただきました。
奥州安達ガ原、袖萩祭文の場面に登場する、袖萩の父、平謙丈直方です。
盲目となって子に手をひかれてやってきた自らの娘、袖萩とその子(孫)お君。
親に勘当された流浪の身とはいえ、父親の窮状を聞き雪の降りしきるなかをやってきたにもかかわらず、父親である直方は娘たちを家にいれない。
母親である浜夕が、とりなそうとするがそれも聞き入れず追い返そうとする父親の形相です。
このパネルを使って、地元の料理店の夏のメニュー定番に取り入れてもらう計画です。
またキュウリは、地元、群馬県の高山村に「高山キュウリ」という特産品があります。
この太く独特の味をした「高山キュウリ」の魅力を広めるためにも、是非「冷たいみそ汁」を広めてゆきたいと思っています。
(「高山キュウリ」は、7月ころから地元に出回りはじめます。)
ご協力いただけるお店は
hosinoue@gmail.com 星野まで