久しぶりに松尾昭典さんの工房にお邪魔したら、新作をみせてくれました。
家の形をした香炉です。
最初に見せて頂いた3つのバリエーション
西洋の古民家風の建物と、日本家屋2種類。
軒下をよく見れば、古民家というよりは土壁構造の納屋でした。
上の写真は反対向きになってしまいましたが、ちゃんと出入り口の穴(実際は空気穴)が空いています。
https://www.youtube.com/watch?v=rGx_NkxW7o8
後日、見せて頂いた他のバリエーション。
形が変わるごとに、煙の流れをつくる空気穴の開け方に試行錯誤を要するようです。
こんなバージョンも、
こちらは、さすがに香炉としての機能は失敗作だそうです。
煙突や雪をかぶった茅葺き屋根の上から出る煙をみていると、従来の香炉とはまったく異なる世界が開けてきます。
これは単なる香炉のバリエーションとしてではなく、この独自の世界を表現できないものかと思い、イメージ画像を考えてみたくなり、幾つかのデザイン案を考えてみました。
香炉もこうしたデザインだと、香りとその煙も視覚で楽しむことができるので、
「過ぎゆく時間」というものを、どう感じるかと考え、
「時間(とき)は過ぎ去るものではなく、それは積み重なり続けるもの」
といった表現をベースにして、いろいろ検討してみました。
いまひとつ、しっくりした表現に練り至っていません。
「過ぎ去る時間ではなく、積み重なる時間」ということは、ずっと考え続けているキーワードなので、もう少し表現は煮詰めて考えてみたいと思います。
「月夜野百景」
デジタル時計のようにただ直線的に過ぎゆく無機質な時間ではなく、生命の循環と再生の繰り返しで、足元に積み重なる私たち固有の時間を月は教えてくれます。
屋根をはずした内部の構造
最後まで燃えやすいように網の台に乗せる構造になってます。
これは、何よりも雪の降り積もった屋根の質感が売りなので、
その辺をうまく表現出来たらと思ったのですが、
わたしの妻は、現物の質感の魅力が写真にはでていないといいます。
白い色は、むずかしいですね。
。
それでは、雪の上においてそれらしい雰囲気での撮影を試みましたが、
白い雪の中では煙が見えなくなってしまうので、
背景の写る場所と角度をぐっと下げてみました。
松尾さんの一ファンの立場で、こんな風にいろいろ試してみるのは
とても楽しいものです。
もう少し頑張って、イメージパネルをなんとか仕上げてみたいと思っています。
この香炉作品についての問い合せ・ご注文は (FAXのみ)
松尾昭典 FAX 0279-56-2933