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国政選挙終盤、石井紘基の命日に思う

2024年10月26日 | 脱・一票まる投げ「民主主義」 自治への道

国政選挙もいよいよ終盤になりましたが、10月25日は2002年に自宅前で刺殺された政治家、石井紘基の命日です。

第154回国会において石井は、一般会計特別会計財政投融資から重複部分を計算したうえで、日本の年間歳出国家予算)は約200兆円相当あるのではないか、と指摘しました。

この一般会計の外側にある特別会計・財政投融資に対して、議員や国民はまったく関与することなく、大半が官僚の采配のみで決められています。

100兆円規模の一般会計以上のお金(当時330兆円)が、国民の知らないところで毎年動いていることが、そのまま巨大な利権構造となっていることを石井紘基はたったひとりで調べ尽くし、その全貌は公表される前に殺害されてしまいました。

彼が残した資料63箱は、結局、その後も国会議員によって解明、活用されることなく今日に至っています。

今、国会や国政選挙で自民党の裏金問題が大きく取り上げられており、それが今回の大きな争点にもなっています。それはそれでとても大事なことですが、国会ではいつでも「予算が無い」と、教育や国民生活に密接に関わる福祉などの予算が削られる一方で、常に何兆、何十兆、何百兆というお金が、まともな議論や情報の公開もされることがないままに使われています。

直近では、大阪万博のお金があります。

この13兆円のうちの十分の一でも、能登の震災、土砂災害の復興予算に当てられれば、今起きている主要な財源問題のほとんどは解決することができます。

能登の災害で、これまで予備費で当てられた額は、
 4月23日 1389億円
 9月10日 1087億円
 10月11日 509億円

今年元日の悲劇から半年以上、これから先どうしたら良いかわからず、国からは見捨てられたまま途方に暮れている奥能登住民に真っ先に必要なのは、インフラの復旧ですが、本当に優先されるべきは、ただ息をしているだけでお金が消えてく暮らしを改善するための減税特例処置です。

すでに北欧なみとも言われる公費負担率の高いこの国で、生活基盤を失った人にまで課せられる様々な税金は、限りなく思い負担であるだけでなく、その土地を離れて稼げる他所へ出て行かざるを得ない大きな要因にもなっています。

政府は、必要な予算措置をとるためには、まず役人を現地に派遣して見積もりを出すことからと言っています。

この予算計画の構造的矛盾はとても深く、役人の性格上、財政難を口にしていながら予算を増やすことは評価されても、予算を減らす減税政策は、省庁間の力関係が弱まることもあり絶対に評価されないことが、「職務」として大真面目に国民のためにはならない逆噴射としてし続ける構造になっています。

参照 日本の「コロナ予算」をデータで検証 コロナ予算77兆円 ーNHK


100兆円規模のコロナ予算も、何十兆という単位で使途がわからないままになっています。

 

たった一人でこうした政府予算構造の闇に挑んだ石井紘基のような議員は、今の国会のなかにはほとんどいません。

何人かは、石井紘基の意志を受け継ごうと頑張っておられる議員もいますが、官僚たちも、自らの利権を守ためには「優秀な」頭脳を使って必死の努力をしているわけですから、生半可な努力でこの巨大な利権構造は打開できるはずかありません。

自国通貨を発行できる国で税は財源ではありません。
まして日本の今の実態は、投資先がなく、企業の内部留保は史上最高額を超え続け、財政赤字を宣伝しながらも未だに世界有数の資産大国であることに変わりはない「金あまり」社会です。

業界団体にばかりお金を流すのではなく、国民の生活が直接豊になる財政処置を基軸に、今の選挙候補者たちの言葉をよく聞かなけれぼなりません。

政治は「数こそ力」かの世界のなかで、一人でできることをやり抜いていた政治家、石井紘基のこうした姿は、政治以外も含めたすべての人たちのあるべき姿を今も私たちに見せつけてくれています。
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