店で惰眠をむさぼっていた。
ふと気がつくと前に誰か立っている。
見上げると、明智先生だった。（通称ヤナと呼ばれている）
ヤナ「小林君、久しぶりだね」
ミズ「先生ご無沙汰しております」（ミズは小林少年の通称だ）
明智先生とは一昨日依頼会ってない。
ヤナ「きみに会うのは、超人ニコラ（昭和３７年雑誌「少年」に連載された、江戸川乱歩 少年探偵団最後のミステリ作品）以来だね」（ウソヲツケ）
ミズ「先生、今日はお買い物ですか？」
ヤナ「いやぁ、前を通りかかったものだから、ちょっと覗いてみたんだよ。以前、君に渡したBDバッジと少年探偵手帳は、まだ持っているかね」
そんなもの、あるはずがない。あれば結構な値段で売り飛ばせる。
ヤナ「きみはちっとも変わらないねェ、頭の毛もふさふさしている」
ミズ「先生こそ、白髪の無い黒い毛をしてみえますねェ」
いいかげんに傷つけあうのはやめにしたいものだ。
ヤナ「実は、先日のマンションの図面を見せてほしいと思って立ち寄ったんだが」
ミズ「谷村建設さんは、スワマエ商店街側に店舗を作ってくれるということなので喜んでいるのです」
明智先生は、図面を一目見るなり「ムムー」といって黙り込んでしまった。
来年に つづく
