今日は予定通り天気が曇りだ。泳ぎにゆこう。だが気がかりなことがある。そこで少し手がつかないというか足が遠のく感じで、グズグズしていた。
インドネシア沖に沈んでいるイギリス・オランダの戦闘艦の、つまり第2次世界大戦で日本が沈めた船だが、14年前に発見されていたのが今では跡形も無くなっているというのだ。オランダの巡洋艦の「デ・ロイテル」(6545トン)と「ジャワ」(6670トン)、駆逐艦「コルテノール」(1316トン)英国の巡洋艦「エクセター」(8390トン)と駆逐艦「エンカウンター」(1405トン)がなくなり、米海軍の潜水艦も消えていたという。
で、インドネシア政府に文句が行ったようだ。鉄くず泥棒のようだ。
まあそんなことが気がかりなわけでもなくドナルド・トランプが気がかりなわけではない。気がかりすぎて、2000メーターを少し適当に泳いだ。こう行ったときは、タイムとか強度よりフォームに気をつけたほうがいい。腱鞘炎は落ち着きつつあるが、それも少しある。ただ時間帯が少し遅いだけで早い人がいっぱい増えるというのはわかっていたが、そうだね。少し落ち込んだ。
気になったのはコロンビアコーヒーだ。壮絶な果肉臭のするコロンビアコーヒーは以前紹介した。果肉ごと自然乾燥するもので赤道直下の温暖で湿潤なコロンビアでは乾燥する前に果肉が腐るという土地だ。その匂いがすごかったので、しばらくコーヒーの果肉臭に敏感になって困ってしまった。何しろこの匂いが気になれば、100g辺り130円以下のスーパーのコーヒーは一切飲めなくなるのだ。
ある自家焙煎コーヒ店で、あのナチュラル乾燥コロンビアほどひどくはないが、えらく果肉臭の酷いコロンビアを飲んだのだ。実際なんでこんな豆が流通しているのかわからないほどコロンビアとしては最悪な豆だった。店主には何も言わなかったが、どうもわからないらしい。
私が20歳辺りの頃、盛岡のいろいろなロースターを飲み比べしつつ、自分にあった美味しくて安いコーヒー豆を探していた。その時に見つけたのがコロンビアだった。香りは豊かで甘かった。未成熟豆由来のウッディな香りもなく渋みや青臭さもなかった。今から思うと酸も綺麗で香りの甘さに調和していたのだと思う。安くて最高、それがコロンビア・マイルドだった。ブレンドのいらない産地というのはあるが、それは個性が強い地域だ。ケニアとかだろう。それとは違う中庸な個性だった。そう、中庸も極め付けのすべてがいいバランスで揃ったのがコロンビアだった。そしてなのだが、ロット以外での味のバラツキがとても少ない豆だった。
だがそれが90年代初頭からおかしくなってゆく。リッチな感じが無くなってボディがとても弱くなっていった。しかもどこのコーヒでもそうなった。自家焙煎コーヒーもそうなった。。
これに関してはわかっていることがある。コロンビアは赤道直下で標高は高いが温暖で、病気が出やすい。そして農場が急峻な斜面にあり作業しやすい品種が求められていた。そして農園の面積が限られているので、密植できる矮性多収量品種が求められていた、ということだ。そこで病気に強いアラビカ種とロブスタ種のハイブリット種がこのころから入っていたようだ。2007年から政府が全面的に品種交換を行うのだが、記憶にある味からはもっと早くから始まっていたと思う。今の品種は、悪いわけではないがかつての味にはなっていないように思える。
だがコロンビアがなぜこんな酷い豆を出すのか。それは流行なのだろうか。その前に品質をテェックしている商社や問屋などの機能があるのだろうか。逆説的にこれが常態化しているのかという疑問が次々と出てくる。
仮説として生産量が増えたが精選設備が追いついていない。だが現在の生産量と過去の生産量では設備についてはなんとも言えない。だがここの遅延がある可能性はある。
次が水につけておく過程だ。果肉を除去しても取りきれなかった部分を水につけておくと発酵して消えるのだが、果肉を除去する過程の水を少なくした結果、発酵過程で問題が起きている可能性がある。つまり水を取り替えずに作業しているのではないのか。この発酵過程では12時間はつかうので、水の入換作業はやりにくくなる。
ウオッシュドのコロンビアでとにかくこの体たらくだ。何か精選工程でありそうなきがするほど、何かいっぱいあるのだろう。多分脱肉装置の清掃がキチンとしていない上に何かがあるのだ。生産量と設備のバランスが崩れている可能性はある。
コロンビアのコーヒーは、政府全買い上げになっているはずなのだ。だがそこでモラルが外れたとも言われている。政府主導の品種切り替えもそうなのだが、品質が下がったのは政府全量買い上げは考えなければいけない。小規模なとはいっても1〜2ヘクタールの急峻地の農民にはとても大きい政策だ。品種の交換も全量買い上げでは問題にならず、品位の低下より出荷量を重視したコロンビア政府の問題はある。
たぶんそれがテロリスト対策でもあったんだろう。山地とゲリラは関係がある。その山地のコーヒー農園を切り離すための政策だったのだろう。
ただ年代的に齟齬がある。品種が全く変わったのは2007年なはずで、私が感じた変化はもっと前なのだ。だがわかっているのは、私より少し下の年代になるとコロンビアマイルドというのがどういったものなのかわからないのだ。
今の品種はかつてのに近づいたと思う。
だが、かつてのコロンビアマイルドを知らない人たちにとってはあれはイメージでしかない。リッチでマイルドでクリーンいうのは想像もできない世界なのだろう。最悪な果肉臭ですらリッチというのかもしれない。
ただこれは本当になのだが、昔大好きだった少しポッチャリした子が、20年ぶりにあったらガリガリに痩せて攻撃的で、そして臭いのだよ。私にとってはそういったイメージなのだが、それは全くわかってもらえないのだ。米山はわかってくれた。
そう、生まれのその少しの違いでコロンビアコーヒへの考えが違うのだ。そう思おう。私は最高のを安く飲んだ。ただそれだけだ。
でも、今の人はあれをコロンビアだと思っているのだろう。それはとても残念だ。悲しいくらいにね。