思いもかけぬ台風がそれてくれたおかげで、今日は曇りで済んだ。
ホーキング博士が地球温暖化について、75歳の記念講演で悲観的な見通しを述べたそうだ。
「ホーキング博士は「地球温暖化は後戻りできない転換点に近づいている」と指摘し、ドナルド・トランプ米大統領によるパリ協定脱退の決断がさらに地球を追い詰めることになると非難した。気温は250度まで上がって硫酸の雨が降るという、まるで金星のように過酷な環境だ。」
ただこの4年間の日本の気温上昇は何かただならぬものを感じている。
ケニアで中国企業が請け負っていた架橋工事が、失敗した。建設が終わる前に崩落した。ケニアにとっても14億円は痛いだろう。
さてここで中国だからと言うのは簡単だ。だがもう少し広く考えれば別な考えもある。世界経済はどこかで行き詰まると誰もが考えていないだろうか。現在パイの奪い合いのなっているとすれば、可能な限り簡単に早くのし上がった方がいい。そのために早くて安い中国企業が選ばれている。
ただそれだけなのだ。
橋が落ちた写真を見ると、多分簡単な問題だと思う。測量がおかしかったのだろう。多分設計段階から施工段階まで、全部おかしかったのだろう。それをエイヤっと作ったから、落ちてしまったのだろう。
橋梁は今は現地組み立てではなく工場で作られたものを運んで組み立てるのだが、全部が狂っていれば工場でどんなに正確に作っても落ちる。
なお橋桁が規模の割に細いように感じる。これは高速鉄道の高架でも言われていたが、強度設計の基準値が低すぎるためのようだ。
ニューズウイークに世界最大の三峡ダムに問題が起きていると言う記事があった。私なりにまとめてしまう。
中国は大陸だから自信がないと思われているが、西側はヒマラヤ造山帯の端にあたり、活断層が無数に存在していると考えられる。四川省の度重なる地震も基本的に活断層の多い地帯だから起きる。だが近年活発化している。その原因として三峡ダムが考えられる。ダムの巨大な水が活断層に染み込んで地震を起こしているのではないのかと言う。貯水のはじめの頃に近隣で土砂崩れが頻発したのは、地盤がダムの重量に耐えられなくなって起きたと考える。そして巨大な水面から出る水蒸気が付近の気象を狂わせ、降水量の増大を起こしている。
記事の科学的なところをまとめればこうなる。
問題はここから。
「怒涛のように押し寄せる大量の砂礫で貯水池が埋まり、アオコが発生してヘドロ状態になっている。ヘドロは雑草や発泡スチロールなどのゴミと一体になり、ダムの水門を詰まらせた。ゴミの堆積物は5万平方メートル、高さ60センチに達し、水面にたまったゴミの上を歩ける場所があるほどだという。地元では環境団体などが毎日3000トンのゴミを掻き出しているが、お手上げ状態だとされる。」
すでに埋まりつつあるのだ。この記事ではゴミのせいにしているが、当時の設計だと浚渫用のトンネルがダムの地下にあるはずなのだが、つまり定期的にダムの底に溜まった土砂を流し出すトンネルがあるはずだ。水面からの浚渫作業に比べれば簡単とも言える。また河川の健康は、上からの土砂が必要だ。あんまりありすぎるとひどいことになるが、ダムのように堰き止めてしまうと状態が悪くなる。そして河口付近の海の栄養状態を悪くしてしまう。
だがこのトンネルがないのだろうか。作れなかったのだろうか。
水利学者、清華大学の故・黄万里教授は「戦前、アメリカのイリノイ大学で博士号を取得した黄教授は、建国間もない中国で黄河ダム建設の計画が進められたときに強く反対し、毛沢東から「右派」の烙印を押されて22年間の強制労働に追われた。
1980年代に名誉回復した後、長江の三峡ダム建設が国家の議題にのぼると、中国政府に6度も上申書を提出して反対したが、鄧小平と李鵬首相(当時)に無視された。黄教授が反対した理由は、21世紀の今日、私たちが直面している危機的状況を言い当てたからにほかならない。」
全てにとって良くないダムと当時は言われていたが、10年も経たずに土砂で満杯になったと言うのは、確実に計画がずさんすぎたと言うことでしかない。カワイルカの絶滅を引き起こしただけではない。どうもそもそも立ててはいけないところに立ててしまったダムのようだ。それは地盤が悪い場所だったのだ。
浚渫用のトンネルも作れなかった可能性がある。だから作らなかったのかもしれない。また、あったとしても汚泥に重金属が含まれすぎて下流部に放出できなくなってしまったのかもしれない。
キャッチアップするための無理ということでしかない。
北朝鮮が今日もミサイル実験したが、なぜか共産主義者は数字を無視するなぁ。