「風間陽水の依頼簿（カルテ）・985」

カルテ番号　ゆ・1（38）

おそらく、こちらに引っ越してくる人達は素直なのだろう。
自分の感覚、感性に素直に従ったのだろう。
絶対安全ではないが、今の状態ならこちらは安全だ。
この院長の氣というのは、自然になる作用があるのかもしれない。
人間社会の決まり事や常識は、自然と反する事が多い。
社会よりも自然、いや、生命に素直に反応しているのだろう。

弓削は改めて思う。
自分は、ラッキーに出会ったのだ。
癌になっても、それほど落ち込まなかった理由が一つわかった。
癌にならなければ、思い切って日本に帰ってこなかった。
そして、ここにも来なかった。
そして、院長、それから未来に出会う人達とも縁がなかった。
ラッキーの始まりは、癌だった。

生命というのは、不思議な作用をするものだ。
生命を続ける為に、布石を打つ。
それが、癌とは・・・
生命は、単なる生命だけじゃない。
その人の人生の為に続いている。
自分の人生が転機に出会う為に病になった。

（登場する人物・組織・その他はフィックションです）

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誰か出版してくれぇ～
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