深い闇夜の中を列車が走る・・ 気がつくとそこはテント張りの野戦病院の中。周りを見渡すと包帯をぐるぐる巻きにした傷病兵で溢れかえっている。どうやら私は日本陸軍の衛生兵のようだ。白装束の兵士たちに囲まれ正装姿は自分だけでやや不安な面持ちでいたところ、やがて上官らしき人物が現れた。
上官「お前は移送列車の中からここに到着するまでよく眠っていた。これからは不眠不休の激務になることを思い起こさないでいた」
私「ありがとうございます!ところで自分の任務は何でありますか?」
上官「負傷兵の看護、治療」
私「はッ!」
上官「それから本日第一の命令は、全軍にこれより食糧支給は一切ない旨を伝えよ!」
私「えっ 食糧なしですか!」
上官「そうだ!お前ならその連絡をうまく広報でき反発も少ないだろうと見込んでだ」
私「食糧なし、ということは、現地調達しろということですか」
上官「そうだ!!」
上官への視線をそっと顔全体を包帯で覆っている兵士の一人に向ける。彼の眼には怒りと絶望がみなぎっていた。これが追い詰められた負け戦の軍隊の現地調達命令というものか、現地調達するということは現地で略奪も可ということではないか・・これを全軍に報知せよとは・・途方にくれている悲しき衛生兵・・
お読みいただきありがとうございます。以上は私が今朝見た夢なのです。この歳まで、ここまではっきり兵士になった夢は見た記憶がありません。少年の頃はよく戦争の夢をみましたが、ここ最近は戦さものの夢とは無縁でした。思うにこの夢をみた契機は、8月末、「面高春海展」の作品の影響のような気がする。面高春海さん(三洋OB)のいくつかの絵には上部分に日本兵を連行したソ連軍のシベリア行き夜行列車が描かれている。過日の大泉町文化むらでの作品展では、来場者の一人にシベリア行を免れた旧日本兵の方がいらしたという話を聞きそれには強く印象に残った。今朝の夢の舞台は、温暖な南方戦線のようであり矛盾はありますが、夜行列車で前線に着いたということは、面高さんの絵画の強烈なインパクトだと思う。
【写真の絵画】面高春海さんの「世界のどこかで(生きる)2012年(作)」
トロイカ(ロシア民謡) Людмила Зыкина: Вот мчится ТРОЙКА почтовая