ポポロ通信舎

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合併を止めた大泉町(4)【理由】

2009年06月02日 | 地域・合併問題

合併を推進する理由として、前々回例に出した上尾市の場合をみると
大きな理由として①財政危機論②少子高齢化危機論③合併ばら色論
以上3点に集約されます。

大泉町の場合もよく似ています。
『合併を進める議員の会」2008年8月VOL1』を読みますと

「今なぜ合併なのか? 答= 市町村合併は地方分権という時代の潮流や
少子高齢化の進展、そして地方を取り巻く厳しい財政状況から、避けて
通れない重要課題、とし、キーワードは「少子化」「高齢化社会の進展」
「地方分権」「厳しい財政運営」としています。
財政的には、経済環境の悪化で企業からの税収は今後期待できなくなる、
ならば体力のあるうちに合併を、という考えになります。

では果たして、合併したなら財政は好転するのでしょうか?
企業からの税収は確保されるのでしょうか?
少子高齢化の問題も合併で解決に進むのでしょうか?
地方分権は合併で、より基盤が固まるのでしょうか?
どうも全国共通の課題を、合併に絡(から)めてはいないでしょうか。


上尾市以外の都市、私の知るところでは長野県の市町村合併パンフなどを
見てもまったく似た主張が列挙されていました。
しかし、合併で解決できる問題と、そうでないものがあります。
上尾市の場合「10年後を見据えて合併しないと・・(青年会議所)」と心配
されていましたが、2001年からもうすぐ10年になります。この間、合併しな
かったことが市の発展にマイナスになったという声は聞こえてきません。

推進派の主張は、上尾市の「合併ばら色論」に比べ大泉町の方は合併しない
ことによる悲観論を訴えていました。「少子高齢化時代を迎え、行政経費を
負担する納税者の減少と行政サービス受給者の増加のアンバランスが、今後
顕著に表れてくることが予想されます」(前掲 議員の会報)

きびしさを心配されることは、よくわかります。
ただ、それらの懸念が「合併」することで解決できるとは思えないのです。
日本国内の共通問題がそこにあると思われるからです。
過疎や少子化を理由に合併した例は少なくありません。しかしそれらが合併後
果たして、その問題がクリアできているのかどうか、どうも解決したという話
は残念ながら伝わってきません。

「ゴミ出し」「納税額」「保育料」など細部についての疑問もありましたが、
大きなテーマでの財源、少子高齢化、将来について、振り返ってみました。
実際に合併を検討するに当たっては、国政レベルの難題でなく、中規模の内容
そこの地域固有の課題を中心にすえた方が現実的な理解が進むと思われます。


写真:農業団体は邑楽地域と館林地域が共に。(大泉町内)


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