「画竜点睛を欠く」とか言いますが、「龍を描いても最後に眼を入れないと完結しない」というような意味ですね。わが身で考えると、顔は大切で一番最初に眼を描いて、耳、鼻孔、口、髭、眉という順に大事なところを最初に入れないと始まらないという感じです。仮に先に胴模様だの首輪だのを先に進めて後で眼を描いたらうまくいかなくて全ておじゃんというのは嫌なんで、最初に顔を済ませ、そのあと他の部分を埋めていくというのが安全な進め方でもあるし、筆を入れるにしても先に顔を入れてから周りを進めるほうが持つ位置も確保できます。そんなわけで故事とは逆な順番になりますね。
まだ鼻孔や耳、口が描き込まれていないと生気がないという感じです。