この狐、以前「加野 トク」さんの狐か?ととりあげた狐と面描きがほぼ同じなので、同じ作者でしょう。
それと構図としては「太郎稲荷狐」と同じ横向きですが、ずっと大きいので、むしろこの狐から「太郎稲荷の狐」が生まれたと考えられなくもないかと思います。
この狐にも朱色の擦り込みがあり、台座の色分けがひと手間かかっています。縁と正面を塗り分けています。灰色は胡粉と墨を混ぜたのでしょうか。そして、その上に砂子(真鍮粉)が振りかけてあるのです。奉納用の狐に砂子を撒くとは、、、やっぱり高級感を出すためでしょうか?
もちろん、今戸焼の中では「口入狐」だの「羽織狐」も奉納品で、羽織や裃の群青に砂子を撒いているのはありますが、、、。それにこれらは色の塗り分けにもっと手間(色数も多い)がかかっているのですが、画像のようなタイプの狐にも手間をかけていたという例ははじめて観ました。
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