3種類のまだ外に出したことのない型の人形の試し塗り中です。まだ試しであり決定版とは思っていませんが仕事場のリアルタイムの状況としてアップしています。
「子守狐」今戸人形のなかで一番すきな人形であると同時にシンプル故にすごく難しいモデリングと面描きを必要とする人形だと思います。厳密に言えば、人形作りを始めた20数年前に手掛けたのがはじめで、その当時作ったものが若干愛好家の方々の手元に残っているかもしれませんが、今から見ると本当に恥ずかしい出来。この間今日迄何度も修正の手を加えてきて、やっと画像の程度なので、その難しさはご推量いただけませんかね?寸法的にまだちょっと尾張屋さんより大きいのでまた修正するつもりです。
「煙草のみ達磨」これも有名な人形ですよね。初めての取り組みとしては、自分で言うのもおこがましいですが、ニアピンかな?と思います。
「猫抱きおかめ」これも今戸人形としては知られたもの。大きさは実物より大きいですが、初回としてはニアピンだと思ってます。この人形、実はおかめの本体と猫(おかめの両手がついている)の別々のパーツをそれぞれ型抜きしてから張り合わせて合体させるものなので、微妙に猫さんの角度が違ってきます。同じおかめの本体に松茸を抱かせるバリエーションもあったのでそれもこれから起こそうと思ってます。いかにも昔の花柳界とかの客寄せの縁起物といった感じです。
「子守狐」は本当に難しいと思います。モデリングもそうですが、母狐の面描き。一筆描きの両目のバランスがずれると一発でダメになってしまいそう。鼻孔と口のラインも難しい。某所で「今戸焼」というハンコ入りで作られているものの彩色に昔から疑問を感じていましたが、おそらく難しいから鼻孔と口をポチっと丸い点で省略したかの置き方をしているのは、やっぱり難しいから逃げているんだな、、。としみじみ思います。目もハの字式のぼってり置いているのも何だか、、、。配色に関してもどうしてあんな色にするの?って感じがします。この画像の配色については原作どおりにやっているというつもり。
何と言っても尾張屋さんの腕のすごさ、偉大さをしみじみ感じます。(江戸時代からの伝統技術を伝承していた最後の今戸人形師であり本物の今戸人形最後の名人!)
今戸人形「子守狐」(尾張屋春吉翁作)→
特に「子守狐」そして他の人形についてもとりあえず試し塗りしてみてから再度モデリングや大きさの調整をしていきます。
その筆具合で表情が決まってしまうのですよね…?!
自分のマトリョーシカはそれでも鉛筆で下書きをして、気に入らなかったら消してまた描けばいいので気が楽ですが…。
これは、他の部分の彩色もはみ出しとかの間違いは許されない感じですね。熟練の技ですね。
ありがとうございます。忙しかったのでご無沙汰していました。自分の経験では、勢いで描くという感じですが、見当をはずすと涙です。要するに昔の今戸人形屋さんのようにたくさんなぐり描いて習得するものなんでしょうね。眼つぶってもも描けるという風になれたらかっこいいです。
こうしてみると、土の塊が、命を吹き込まれるような・・・不思議な気持ちになりました。
シェー(?)のだるまさんも、愛嬌があります!!
ご無沙汰しております。
仰るとおりです。前の記事の画像はまだ完全に乾いていないところで気持ちとしては「もっと縮め、縮んで小さくなれ」と念じているところでした。素焼きして試し塗りしたものは生の粘土に対しておおよそ9割型小さくなっています。だるまさん、皆さん「シェーのだるま」と言いますね。特に「おそ松くん」を知っている世代の人には100パーセント近くそう映るようです。