土曜日の昼に気が向いて書いたコラムだかショートストーリーだか

Keep Shinjyuku Clean

山手線の新大久保駅⇔高田馬場駅間。
内回り側のドアに立っていると低くて長い壁が見えてきます。
そこには延々とスプレーの落書きがしてありまして、まあ、読めるような読めないような良くわからないアルファベットだか、意味があるような無いような良くわからない人の顔のモシャみたいなものが並んでいます。通勤中に見ると、余り気分のいいもんではありません。
でも、よく見るとその落書きの上には縦に白い線が何本もかかっています。
さらによく見ると、その白い線は四角く落書きを縁取っているのが判ります。

実はこの線、ちょっと前までこの落書きを隠していたボードの跡だったんです。

そのボードは、ティッシュのブランド「エリエール」の箱を横から見た絵柄になっていました。色は白に水色でエリエールの文字とワンポイント。
それまで何だか不快感を漂わせていた壁が、突然この清潔感漂う景色になったときは少し嬉しいような気分になったことを覚えています。
壁は両端に行くにつれて低くなり、エリエールの箱もだんだん小さくなっていったのですが、その両端は白地に青いアルファベットでメッセージが書かれていました。

"Keep Shinjyuku Clean"

今は、
これらのボードが全て取り外されてしまっています。
あれはやっぱりただの企業広告で、広告費を払えなくなったから撤去したのか、
それともあのボードの上にも落書きをした人が居て外さざるを得なくなったのか、
または、説教くさいボードに腹を立てて無理に引っぺがした人がいたのか。
想像することしか出来ませんが・・・
あのメッセージだけはもっと長く大切にして欲しかった、と、思っています。


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