前回のブログで補足したかったことが一つある。それは「オーディオシステムの重要性」について。
モーツァルトの音楽にモロに情感を揺り動かされたことを、かなりシツコク記載したわけだが、しばらく時間を置いて、今度は別のシステムで同じ曲目を聴いてみたところ、まったく露ほども心を揺り動かされなかった。しかも聴いていて、何だか退屈感さえ覚えてしまう。
「あれぇ~、オーディオシステム次第で音楽への感動度がこれほど違うとは大問題だ」と、愕然としてしまった。
「音楽さえ良ければ、どんなシステムだって充分鑑賞できる。どうせ五十歩百歩の世界だろう」と、近年はやや「悟りの境地」に入っていたのだが、改めて認識を新たにした。
BGMならともかく本格的に真剣になって家庭で音楽を鑑賞しようと思ったら、ゆめゆめおろそかに出来ないのがオーディオシステム。
なぜ、うまく鳴ってくれないのか我が家の「JBL3ウェイシステム」ちゃん!
ジャズではバッチリなんだけどなあ。
さあ、ここからがいよいよオーディオマニアとしての出番である。「何とかうまく鳴らしてやるぞ!」と、つい血が騒いでしまった。
まず、周波数帯域の中域を担当する「375」ドライバー(16Ω)を駆動するアンプを交換してみた。同じ真空管アンプの「PX25・1号機」から「PX25・2号機」へ、シフト。
これで随分印象が変わり、全体的に音が豊かに聴こえるようになった。同じ出力管のPX25を使っているアンプても、回路が違い、出力トランスが違えばまったく別物になる。
それぞれ持ち味があってPX25・1号機は繊細感に優れているが、やや力強さに欠けており、一方「PX25・2号機」の方は粗削りだが馬力があって押し出しがいい。JBLスピーカーの音づくりにはこのアンプの方が向いているみたいで、やはり適材適所なんだなあ。
このPX25・2号機にはさらに、二の矢、三の矢と追い打ちをかけてみた。
まず、初段の真空管「12AU7」を国産ブランドの東芝から、これまで秘蔵してきたムラード(イギリス)の「ECC82」(12AU7同等管)に取り替え、次に、PX25の銘柄を「テスラ」から純正の「GEC」にしてみたところ、一段と濃厚な雰囲気を醸し出してくれた。
これで、とりあえず退屈感を覚えず聴けるようになったが、それでもとても感動する境地までには至らない。弦合奏の響きにどうしても不満が募る。
どうやら我が家のJBLではこの辺が限界のようである。もちろんJBLに責任があるわけではなく、きっと鳴らし方が悪いに違いない。非常に定評のあるスピーカーだからもっとうまく鳴らせる達人がどこかにきっといるはずである。
はてさて、これからどうしたものか。
「そうだ、JBLでクラシックを聴くからいけないんだ。心を惑わされないように、これからは”AXIOM80”さんオンリーで聴くことにしよう。」
JBLに関わり合うには、人生はあまりにも短すぎる(笑)。