以前のブログの続きになるが、とりあえずその”途中経過”を記しておくと、
現在、手元に5台ある真空管アンプだがシステムの中でそれぞれ役割を果していてフル回転中。もしかして1台でも故障すると、すぐにお手上げの状態となる。
したがって、「不安症」のタチなのでスペアとして新たにもう一台真空管アンプを手元に確保しておきたいところ。
そこで出力管「2A3」シングルアンプの製作をいつものMさん(奈良)に依頼したところ、「ご存命中に、ぜひ真空管アンプキットの製作に挑戦してみてください」とのご親切なアドバイスがあったところまで記載していた。
実は、真空管アンプの熱烈なファンとして挑戦する気持ちは十分あるのだが、如何せん、長く俯く姿勢を続けていると首筋をはじめ周辺部が凝ってくるという悲しい習性の持ち主である(笑)。
パソコンでさえも長時間の作業は避けているほどなので、キットのような精密作業ともなると、とてもとても~。
率直に当方の事情を申し上げると、「仕方がないですね」と、気持ちよく組立作業を引き受けていただくことになった。
さあ、そこで紹介していただいた3種類のキットのうちどれを選択するかという、まことに楽しい「雨夜の品定め」(源氏物語)。
結局、K無線のキットを選択した。
型番 | KA-27SE |
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商品説明 |
真空管無しのキットです。 |
シャーシ | 鉄製、グリーンブルー・ハンマートーン焼付け塗装済み |
外寸 | 幅280mm×奥行き240mm×高さ196mm、厚みmm |
難易度 | 初級以上 |
選択した理由は「6SL7GT」だけで「2A3」を駆動するという大いにシンプルな回路が気に入ったこと。6SL7GTは、手持ちのバッファーアンプに使用しているので余分に豊富な種類を持っていることもさらなる理由のひとつ。
ちなみにこの「6SL7GT」には、同じ電圧増幅管として一字違いの「6SN7GT」というのがあるが、これはお馴染みのミニチュア管「12AX7」と「12AU7」との関係とよく似ている。
とにかく意を決して、ネットの「お買い物カゴ」に放り込んで、送付先はMさんの現住所を記載した。
在庫があったと見えて、2~3日後には無事到着したようでMさんから連絡が入った。
「早速、回路図をみました。超シンプルでひとつひとつの部品の重要さがもろに出そうですが、まずは従順に『守・破・離』の『守』で行ってみましょう!」
ただ、注文するときに少しばかり気になっていたのが、このキットはダイオード整流を使用していること。
今さら気にしても仕方がないが一応念のため、Mさんに「以前、M&オースティンのKT88プッシュプルアンプを使っていましたが、ダイオード整流のせいか音が幾分”味気なかった”記憶があります。」と連絡してみた。
すると、Mさんから次のようなメールが届いた。
「M&オースティンの設計者と開発に使ったスピーカーシステムが〇〇さんのシステムとは合わなかっただけで、ダイオード整流だからには、反論します。
整流管の一番のメリットは、+B電源の立ち上がり電圧が他の真空管の動作時間と同じようになるのがメリットですが、ダイオードでも真空管の寿命の点でそのデメリットが顕著には表れていないので、かなりの割合でダイオード整流です。
”デザインで採用する人、いや~整流管でないと!!”は、少数派になって来たように思います。」
一服の貴重な精神安定剤として素直に承った。ほかに製作上での留意点としては付属しているチャチなボリュームを外してもらうことぐらいである。
以下、次回以降に続く。