「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

真空管の奥深さを知る

2015年12月22日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

めでたく落札できた「SPARTON」(アメリカ)の「480」整流管。落札日が日曜日(13日)だったので、翌日の9時過ぎに代金を振り込んだ。メインバンクでネット手続きができるようにしているので、こういうときにいちいち(銀行に)出向かなくていいので、たいへん助かる。

ちなみに、オークションの利用に巧みな出品者は落札日を土曜、日曜の夜に設定していることが多い。勤労者にとって平日は心理的にも物理的にも忙しいのでパソコンに向き合う時間が取りにくいのを見越してのことだろう。

出品者は関西だったが「今回も落札いただきまして、ありがとうございます。」と、お馴染みさんなのでスムーズに事が運び、翌日(14日)の夕方には早くも到着した。九州と関西との距離感は東北と関東との距離感と似たようなものかもしれない。

さあ、とばかり興味と不安が交錯しながらさっそく従来のカニンガム「380」(ナス管)を外して「480」を挿し込んだ。

              

ど真ん中に堂々とひときわ高くそびえる真空管が「480」である。

スイッチ・オン。繋いでいるスピーカーはグッドマンの「AXIOM80」。挿し込んでいる真空管はすべて直熱管(1920~1930年代)なのですぐに音が出た。

無事、音が出てくれたことにまずホット一息。そして出てきた音に唖然とした!

「クリヤーで透き通った音」とはこういう音を言うのか。音の粒立ちも抜群でこのアンプからこういう音が出たのは初めてだ。これまでの音が80点だとすると、90点は計上してもいいとさえ思った。

いろんな用途がある真空管だが、なんといっても花形は「出力管」である。野球でいえば投手にあたるが、整流管はといえば捕手みたいなもので陽の当たらない縁の下の力持ち的存在だ。

その黒子役が音質全体をがらりと一変させるのだから、改めて真空管の奥深さに触れた思いがした。整流管の役割といえば、交流を直流に変えるくらいのものだが、音質を浄化する役割さえも果しているのだろうか。

さっそく、仲間のKさんに連絡した。

「やっぱりメッシュプレートは凄いですよ。我が家の音が一変しました。こういう整流管はもう二度と手に入らないでしょうから、お盆と正月と大切なお客さんが見えたときだけ聴くようにします。」(笑)

するとKさん「そうでしょう。メッシュプレートの持つクリヤーさは独特のものがありますからね。この次に(オークションに)出たらぜひ私に落札させてください。あっ、それからレイセオンの71A(ナス管)の方は無事落札できました。思ったよりも値が上がらず助かりましたよ。」

お互いにハッピーな結果が出てくれてよかった。

そして、20日(日)の夜、前回のブログを読んだ関西在住のMさん(「古典管の生き字引」)からメールが届いた。

「落札者はあなたでしたか…、私も狙っていたのです。まあ、本命の〇〇があったので、余力があれば…と思っていた程度です。〇〇の方が先に終わっていたら、参戦していたかもしれません。以下~略~」

すぐに返信した。

「実は今回の落札に当たり、頭の片隅で“おそらくMさんも狙っているのではないか”と、秘かに予想してました(笑)。出品者が信頼の置ける〇〇さん、しかもたいへん珍しい希少管とくればそうですよね!

それにしてもこの球は空前絶後の音でした。友人に聴いてもらったところ、まるで“中国製の300Bとウェスタンの300Bのときの違いのようです”と驚いていました。

整流管の役割は交流を直流に替える役割しか持ってませんが、いい球ともなると、さらに純度の高い直流にしてくれるようです。真空管の奥深さに触れて感激してます。」

それでは、この整流管「480」の凄さを少しでも分かっていただくために「生き証人」となるオーディオ仲間のYさんにご登場していただこう。持ち主がいくらあれこれ言っても、部外者には単なる自慢話としか受け止められないでしょうからね~(笑)。

その試聴会は19日(土)のことだった。

以下、続く。


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