「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

試聴客ラッシュ

2015年12月08日 | オーディオ談義

週末の5日(土)、6日(日)と、相次いでオーディオの試聴のためにお客さんが来訪された。大分市のMさん、Nさん、そして別府市内のYさん。どなたも定期的にお見えになっているので、丁度システムの変わり様についてご意見を拝聴する絶好の機会となった。

このブログで何度も記載しているように、独りで聴いていると音楽の方に気をとられてしまい、なかなかシステムのアラに気が付かないが、お客さんと一緒に聴いていると不思議なことに第三者的な耳になっていろんな改善点が浮かんでくる。

そういうわけでお客さんはいつでも大歓迎だが、「あなたが口径30センチクラスのフルレンジスピーカーを愛用している理由がよく分かりました。」と、言っていただくとやはり安心する(笑)。

ただし、いちいち(お客さんとの)やり取りを挙げるのも脈絡のない話になるので、総括的にこの2日間で自分なりに気が付いたことを忘れないうちに2点ほど挙げておこう。

☆ グッドマンのユニットとタンノイの箱は相性が悪い

今回の試聴会はウェストミンスターの箱に入れたばかりのグッドマンのユニット「AXIOM300」(口径30センチ:ダブルコーン、アルニコマグネット付き)がハイライトだったが、クラシック音楽向きでとても品が良くていい音なのだが、一緒に聴いていると、ちょっとおとなし過ぎる印象を受けた。

前回のブログで、この音について熟女のお色気といった表現をしたが、もっと「元気はつらつ」さが欲しい気がする。熟女は熟女でもいろんな年代があるのでねえ(笑)。

よく考えてみると、グッドマンのユニットは「ARU」(ユニットの背圧を調整する器具)付きで鳴らすのが前提になっており、非常にクリチカルな鳴らし方が求められるが、それをタンノイさんの箱に入れて鳴らそうなんて考えるのが土台無理だったかもしれない。

そもそもイギリス本国で強力なライバル関係だった両社だが、グッドマンにしてみると自社のユニットをタンノイの箱に入れてうまく鳴らそうなんてつゆほども考えなかったに違いない。

やはりグッドマンのユニットは同社指定のこじんまりとした箱に容れてやるに限るようだ。同社のポリシーそのものがスケール感ではなく、緻密な再生の方を求めているように思える。

こういうことは、はじめに気が付いておけば「無駄な作業をしなくて済んだものを」だが、実際に試行錯誤してみないと思いつかない。

☆ ヘタった整流管は始末に悪い

日曜日にYさんと一緒に聴いているときだった。我が家のエース「AXIOM80」で、ちょっと大きめの音でジャズを鳴らしたところ中低音域でどうも音が割れるというか、歪む傾向がある。駆動するアンプは真空管「71Aシングル」。

ちなみに、Yさんによると我が家にある8台の真空管アンプのうち、このアンプの音が一番好きとのこと。


          

Yさんに確認したところ「たしかに、音が歪んでますよ!」

アンプの出力がたかだか1ワット未満なので、「そのせいかなと」も思ったが、4本の真空管のヒーター回路は別電源になっているし、入力トランスからドライバートランス、出力トランスまでオールUTC製のトランス結合なのでツクリの信頼度は100%。

犯人は真空管しか思いつかない。「整流管」(カニンガム80ナス管)、ドライバー管(レイセオン:71A)、出力管(カニンガム371トリタン仕様)の内どれかに原因がある。まず整流管を替えてみた。画像中央に位置している一番大きなナス型の真空管である。

これまで使っていたものはオークションで購入した中古品だったが、今度はチャンとした新品に差し替えたところ、「元気溌剌」とはこんな音かと驚くほどの変わり様。Yさんもビックリされていた。結局、歪の原因は整流管のヘタリだった。

整流管ほど始末の悪い物はない。いっそのこと、雑音が出たり、音が出なかったりするとすぐに差し替えるのだが、100%の整流能力のところを60%ぐらいにヘタっていてもそこそこ音が出るから交換の目途が実に立てにくい。

また、外見からもなかなか見分けがつかずゲッターなども十分残っていそうなのに、程度が悪かったりしてまったくのお手上げ状態。


こういう「外見も良く、そこそこ音は出るんだけどヘタった整流管」がオークションには数多く出回っているようで、これからは用心した方がいいと深く脳裡に刻み込んだ。

ちなみにオーディオ仲間のKさんによると「整流管だけは新品もしくは新品同様しか買わないことにしています」とのこと。また、当初は新品であっても使用時間とともに峠を過ぎるのが真空管の定めなので、ときどきは新品と差し換えてやって音の変化をチェックした方がいいようだ。

今回は2日間にわたり非常に実り多き試聴会となった。

そういうわけで、昨日(7日)は早朝から張り切ってまたもやSPユニットの入れ替え作業に取り掛かり、午前中で2セット(ユニット4本)の入れ替えが無事済んだ。

つまり、ウェストミンスターの箱から「AXIOM300」を取り出し、フィリップスのユニット(アルニコマグネット)を容れる、

次に、グッドマン指定の箱から、フィリップスのユニット(フェライトマグネット)を取り出し、「AXIOM300」を容れる。

試聴結果は後日ということで~。

もう、忙しくてたまらん!(笑)
 


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