「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

面白うて やがて悲しき 聴き比べ

2019年11月28日 | オーディオ談義

江戸時代の「俳聖」芭蕉は多数の名句を残しているが、そのうち一番好きな句がこれ。

「面白うて やがて悲しき 鵜舟かな」(芭蕉)


解説によると

「かがり火を焚(た)いてにぎやかに行われる鵜飼いはまことに趣深い。だが鵜飼いが終わり、かがり火が消えて鵜舟が去ってしまうと、たまらなく悲しい気分になってくる。

華やかさが消えた後の、あの何とも言いようのない寂しさを表現した名句である。」

以上のように誰もが経験する華やかさの後に残る物淋しさだが、つい最近では「ラグビーのワールドカップ」が終了したときにも同じ感慨を覚えてしまった。

そして、ほどなくオーディオについても何とも言えない”はかなさ”が漂ってきた。

以下、経緯を縷々述べてみよう。

このほど、近隣のオーディオ仲間の「Y」さんに来てもらって「アンプの聴き比べ」を行った。

Yさんはフルートの名手であり、日頃から生の音に親しまれているだけあって耳がよく鍛えられており、想像を絶するほどの敏感さでもっていつも貴重なアドバイスをいただいている。

  

今回のテストは現在「ウェストミンスター」(改)向けとして使っている「PP5/400シングル」アンプと「WE300Bシングル」アンプとの一騎打ちである。

日頃「300B」アンプは出力管に「スヴェトラーナ」を使っているが、今回ばかりは本家本元の「WE300B」(1988年製)を使った。

それぞれのアンプで20分間ほどの試聴を行ったが、「音響空間の果てしない広さを感じさせるという意味ではWE300Bアンプの方が一枚上ですね。私ならWE300Bアンプを使います。」とYさん。

「やっぱりそうですか」と自分。

「PP5/400」アンプに使っているインターステージトランス(UTC)が少し容量不足気味なので、その不安が的中した。

音質的には「WE300B」よりも「PP5/400」の方が繊細さに優っていて好きなのだが、大型スピーカーの場合はどうしても押し出し感が必要になるので仕方がない。

関連してYさんから次の発言が飛び出した。

「JBLのホーンタイプは勢いはいいのですが、どうしても音響空間の細かい響きが出にくいようです。ジャズを主体に聴くのならこれでいいのでしょうが、クラシックを中心に聴くとなると、あっさりAXIOM80あたりを持ってくる方がいいんじゃないですか。」

う~ん・・・。根底からシステムの有り様が変わる重大な発言である。

しばらく心が揺れ動いたが、オーディオに関しては常に前向きがモットーなので、ひとつ試してみようかと(笑)、10分ほどで交換が終了した。

   

予備として保管していた「復刻版」の「AXIOM80」、ある意味では史上最強ともいえる「スコーカー兼ツィーター」の登場だ。

周波数でいけば「800ヘルツ以上」(-12db/oct)を受け持たせることになる。

さっそく試聴に移ったが、JBLのネットワーク(LX80)の中高音域のボリュームをフルにしてようやくバランスが取れた。

以前はそうやっても物足りなかったので、これは明らかに電圧増幅管「13D9」を使った強力なプリアンプのおかげだろう。

そして、肝心の音質だがさすがに「AXIOM80」だけのことはあった。

日頃から「AXIOM80」ファンのYさんも「やっぱり音響空間に漂う細かな”ざわざわ”として産毛(うぶげ)だつような表現力はこれじゃないと出てこないですね」

何しろ「AXIOM80」の最大の弱点とされる中低音域は別のユニットと大きな箱でカバーしているのだからケチのつけようがない。

これにて一件落着。

結局、アンプの聴き比べが嵩じて、まったく予想外の方向へ向かってしまったことになる。

あれだけ楽しませてもらいお世話になったJBLの「175ドライバー」と「075ツィーター」が、とうとうお蔵入りになってしまった。

JBLはまことに「はかない命」だったなあ・・。

そういうわけで、

面白うて やがて悲しき 聴き比べ(笑)

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