「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

未練たらしいオーディオ愛好家

2021年09月15日 | オーディオ談義

いつもブログを拝読させてもらっている「T」さん(東海地方)。

とてもご熱心なオーディオ愛好家で、1年ほど前に作っていただいた「RANケーブル」(数ペア)をいつも感謝しながら愛用している。

さて、貴重なオーディオ情報が満載されているブログの一節に次のようなことが書いてあったのが印象に残っている。(勝手ながら無断引用させてもらいます)


「目の前の(レコード・プレイヤーの)2本アームですが、私の性分では1本で良さそうです、どちらかに優劣が判断出来たら、悪い方は使わないです。」

とてもはっきりした価値観で爽快ですね!

どうやらオーディオ愛好家も2種類のタイプに分けられそうだ。

たとえば「T」さんのように優劣が判断出来たら潔く悪い方はあっさり切り捨てるタイプと、もう一つは簡単に諦めずに二番手を一番手に近づける努力をする、いわば「未練たらしく敗者復活を図る執念深いタイプ」。

皆様はどちらですか? 

ちなみに自分は明らかに後者のタイプです。ただし、ときどき「見切り時」を誤って大火傷をすることがありますけどね(笑)。


とまあ、そういうわけで我が家で「二番手を少しでも一番手に近づける」具体例を挙げてみよう。

このところやたらに出番が多くなった<1ワットクラス>のアンプ。



これら3台のうち今の時点で「ベスト」は手前の「6CG7プッシュプル」アンプで、とてもシンプルなツクリのせいかスピード感があるし、パワーも見かけ以上で何ら不足感を感じない。

そこで、何とか上段の「2台」のアンプをブラッシュアップして少しでも近づけたい・・・。

たとえば左側の「071」シングルアンプ。分かりやすいようにアップしてみよう。



前段管が「A411」(バリウム昇華型フィラメント:独ヴァルボ)だが、このほど出力管を、経年劣化でやや「へたり気味」の「171」(トリタンフィラメント」から「071」(ブルー管:ARCTURUS:アメリカ)に交換してみた。ちなみに、右端の整流管は「83V」(RCA)。

さらに「071」をアップしてみよう。



これが、今から90年前ほどに製造された「071」真空管(刻印)。

通常の「71A」はフィラメントが「5Vー0.25A」だが、この「071」は「5Vー0.5A」と電流が2倍になっている。

譲ってもらった「北国の真空管博士」によると、ハムノイズに強い、力強い音が出る、寿命が長くなるそうで、この球の持ち主となると「おそらく日本でも滅多にいないでしょう」というご託宣。

4年ほど前から使用することなく大切に保管してきたが、このところの「小出力アンプ」のスピード感に目覚めたこともあってようやくこの球のお鉢が回ってきた(笑)。

少しでも「6CG7プッシュプルに近づいてくれるといいのだが」と、祈るような気持で「AXIOM80」を鳴らしてみたところ
、何ともいえない「品のいい音」が出てくれた。

たとえば「6CG7」がアメリカ系のグラマラスな女性だとすると、この「071」は楚々としたヨーロッパ上流階級のご令嬢といった感じ。

「プッシュプル・アンプ」と「シングル・アンプ」の特徴がもろに出てきたともいえる。

実に好対照で、オーケストラを聴くなら前者のアンプだが、ボーカルや室内楽なら後者と綺麗に棲み分けが出来そうだ。

ただし、これで我が家の大出力アンプの出番がますます減ってくるのも困ったことだが(笑)。



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