図書館から借りてきた「クラシックレコードの百年史」を読んでいたら、巻末に詳細な解説付きで「記念碑的名盤100」が掲載されていた。
「今さらレコードなんて」という向きもあるだろうし、我が家のオーディオ・システムもレコードをとっくの昔に廃して、現在では「CD」と「HDD」「パソコン」の三者三様の状態だが、音質面でのレコードの優位性は認めざるを得ない。
ただし、手間や時間、そして高価な名盤収集などを考え合わせると今さらという感があってレコードへの回帰を封印している。
さて、この「記念碑的レコード盤100」の中からCD化された稀少盤があるはずだが、はたしてどのくらい持っているんだろうと、確認したところ次のとおり11曲あった。
☆ ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」(フリッツ・クライスラー 1926年12月14日~、「クライスラー全集」所収)
☆ ラフマニノフ自作自演「ピアノ協奏曲2番」(1929年4月10日~)
☆ J.S.バッハ「無伴奏チェロ組曲」(カザルス、1936年11月23日~)
☆ ショパン ワルツ集(リパッティ、1950年6月、「リパッティ全集」所収)
☆ ベートーヴェン 交響曲第九番「合唱」(トスカニーニ指揮、1952年3月31日~)
☆ ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」(フルトヴェングラー指揮、1952年6月10日~)
☆ J・Sバッハ「ゴールドベルク変奏曲」(グレン・グールド、1955年6月10日~)
☆ モーツァルト「フィガロの結婚」(エーリヒ・クライバー指揮、1955年6月、「モーツァルトのオペラ全集」所収)
☆ ワーグナー「ニーベルングの指輪」(ショルティ指揮、ウィーンフィル、1958年9月~)
☆ マーラー 交響曲「大地の歌」(クレンペラー指揮、ルートヴィッヒ&ヴンダーリヒ、1964年11月7日~)
☆ ストラヴィンスキー「春の祭典」(ゲルギエフ指揮、キエフ・オーケストラ 1999年7月24日~)
これら11曲はさすがに定評があり、いつも心惹かれる演奏ばかりで選者(著者)の慧眼には敬意を表したいものの、ジネット・ヌヴーの名演(ブラームスのヴァイオリン協奏曲)が入っていないのは片手落ちというもので猛省を促したい(笑)。「ドン・ジョバンニ」(フルトヴェングラー指揮)だってそう。
なお、以上のCD盤に限ったことではないが全体的に見て「クラシックの黄金時代は1950年代前後」という言葉がけっしてウソではないことが分かる。
これらの音源を自由自在に再生できるのは「オーディオ・システム」だけなので、今さらながら熱中する理由をお分かりいただけようか(笑)。
さて、逐一これらCD盤の解説をしたいところだが読む人にとっては退屈そのものだろうから省略させてもらって、そのかわりに、残った「記念碑的名盤」の中からもしCD化されていたら購入したい盤を挙げてみよう。
☆ シューベルト「美しき水車小屋の娘」(ディースカウ/ムーア、1971年~)
「最晩年の二人(ディースカウとムーア)は衝動に身を委ね、彼らの生涯最高の演奏を生み出した。」なんて解説を読むと、どうしても手に入れたくなる!
☆ ドビュッシー 前奏曲集(全集、パスカル・ロジェ、2004年1月)
「これは音楽の真価を問う画期的なレコードである」とある。ドビュッシーは好きな作曲家のひとりで、今のところベロフ(ピアニスト)をよく聴いている、ロジェも同じフランス人の匂いがしそうなので是非聴いてみたい。
どなたか、このうち1枚でもCD化されていたら教えていただけませんか、なにもタダでとは申しませんが(笑)。
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