これはあくまでも私見だが、クラシック音楽に長年親しんでいると、究極の選択肢は「モーツァルト」と「バッハ」の音楽じゃないかという気がしてきた。
「ベートーヴェンを忘れているんじゃないの」との、ご指摘を受けそうだがたしかに凄い音楽だけど、若い頃の印象とは違って少し「独特の押しつけがましさ」を感じるようになった。
で、ずっと以前のブログで「音楽鑑賞においてモーツァルトとバッハは両立しない」なんて、あえて挑発的(?)なことを記載したことがある。
さっそくこれに反発するかのように読者から次のようなメールが届いた。
簡単に捨て去るには惜しい内容だと思うので再掲しよう。
「ブログ 拝読しました。
私も モーツァルトの音楽が大好きで、バッハ、ベートーヴェン、ブラームス 等と共に 私のCDライブラリーの中核をなしています。「魔笛」のCDも ショルティ旧盤、スウィトナー盤、サヴァリッシュ盤、ベーム新盤、クイケン盤、カイルベルト盤などを聴いています。(敢えて 私の好みを挙げるとすれば、スウィトナー盤でしょうか…)
バッハの作品も 大好きですよ(笑)。もちろん 「マタイ」 「ロ短調ミサ」 ヴァイオリンやチェロの「無伴奏」といった"大作"も良いのですが、「二つのヴァイオリンの為の協奏曲」、ブランデンブルク協奏曲の「第5番」、チェンバロ協奏曲の「第5番」等の協奏曲作品は 美しいメロディーが出てくる、"気軽"に聴ける曲として よく聴いています。
もちろん、好き嫌いや 考え方は 人それぞれですし、他人がとやかく言う事は出来ないのですが、エベレストやヒマラヤ山脈に"挑戦"するよりも、久住(くじゅう:大分県)の山々に登って 大自然を満喫するのも、"アリ"ではないかと思います。
勝手な事を書いて、申し訳ありませんでした。バッハとモーツァルトの音楽を愛する、"変人"の 戯れ言 だと思って、目を通していただければ幸いです。」
以上のとおりで、我が「浅慮」を軽くたしなめられた感じだがむしろ爽快感の方が先に立った。
魔笛のスウィトナー盤をお好きとは相当「通」の方であり、これほどの魔笛ファンは珍しく同類に接した喜びに心底うれしくなった。
しかも、モーツァルトとバッハを「高いレベル!」でちゃんと両立させている方がいるんだからやっぱり世間は広い!(笑)
こういう実例に接するとバッハに再びチャレンジする元気が出てくるから不思議。
たしかに、音楽鑑賞は山登りと一緒で初心者が最初からエベレスト級の山に登ろうなんてどだい無謀な話かもしれない。
さっそく、近場の山に登るつもりでYさん御推奨の「ブランデンブルグ協奏曲」を聴いてみることにした。
そういえば、ずっと昔の「ショパン・コンクール」(1985年)で優勝した「ブーニン」が、この曲と演奏(イ・ムジチ)を激賞していたのを思い出した。
どこかに新聞の切り抜きがあったはずだがと、ガサゴソと探してみるとあった、あった。
じっくり聴かせてもらったがマタイ受難曲などに比べると親しみやすくて、これならバッハの森に1~2歩ほど分け入った感じが持てた。
とはいえ、あの「天馬空を駆ける」ような自由奔放で伸び伸びとしたモーツァルトの音楽に比べるとバッハは何と言っていいのか「型にはまっている」、あるいは「線香臭い」と言うと叱られるかなあ~。
やっぱり、信心深くない人間にとってバッハは時間がかかりそうでして(笑)。
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