ときどき「人間の頭の良さって何だろう」と思うことがある。
それは、学校の成績が良くて有名な大学に入ることなのか、一流企業に就職することなのか、お金持ちになることなのか・・・。
ところが、そんなことは別にして究極の頭の良さというのは、「健康で幸せに生きていく能力をいう」と書いてあるのを何かの本で見かけたことがある。
とても分かりやすくてシンプルですね!
いろんな考え方のうちの「ワン・オブ・ゼム」なのだろうが妙に納得させるものがある。
というのも、俗にいう「頭のいい人」たちが必ずしも健康で幸せな人生を送っているとは限らないことを私たちは経験的に知っていますからね。
以前のブログで「僧侶が長生きするワケ」を搭載したことがある。
ある大学が発表した職業別寿命一覧表によると「僧侶が長寿の第1位」になっている。その理由を芥川賞作家で僧侶の「玄侑宗久氏」は次のとおりに分析されている。
1 僧侶の主な仕事であるお経、座禅、念仏などの効果によるもの
中公新書「ゾウの時間 ネズミの時間」によるとあらゆる動物は5億回の呼吸を終えると大体死ぬそうだが、僧侶の大事な日課であるお経、座禅などは呼吸数が非常に少なくてすむ。
2 「動く仕事」と『動かない仕事」のバランスが良く取れている
3 ストレスを引きずらない
「怒り」「悲しみ」「憂い」「思い」、こうした感情を数多くの葬儀に出ることや座禅、瞑想体験等によって引きずらない能力に長けている。
4 「楽しさ」「リラックス」を目指す思考法
これら4つの項目に「健康で幸せ」の概念がすべて集約されているように思うが、さらに健康については客観的な指標があって、それは「元気で長生き」することに尽きる。
企業や組織で働く、あるいは自営業でもいいが、一生懸命働いて偉くなって沢山のお金を貯めたとしても健康を損ねて早死にしては元も子もないと、自分なんぞはいつも思ってしまう。
つまり、名誉やお金よりも「健康」が一番大切。
結局、「健康対策に優るものはなし」と言いたいわけだが、その大切さはよく認識されているようで、テレビでも健康情報番組がよく放映されている。
先年、NHK教育テレビで放映された「長寿の謎を解く」は京都大学の家森名誉教授が食生活の視点から健康に及ぼす影響を実際に住民の検診結果によって証明していたので説得力があった。
対象地域は南米アンデス山脈のビルカバンバで’80年代は世界的な長寿村として有名だったが、2000年には総じて10年ほど短命となり長寿村が崩壊してしまった。
長寿で有名となったため、アメリカを中心に各国から移住者が殺到し、道路整備とともに観光地となって文明化したことが背景となっている。
1986年と2000年の住民の検診結果を比較すると血圧、肥満値、コレステロールが軒並み上昇しており、主食が「ユッカ(いも)+とうもろこし+チーズ」から「ラード(豚脂)+パン、外米」などへと多様化したこと、それと文明化に伴い農作業が減ったことを主因として上げられていた。
そのほか、アフリカのマサイ族、オーストラリアのアボリジニーなどの検診結果を踏まえて、結論として、人間の長寿とは案外もろく崩れ去るものであり、長寿の謎とは「民族の遺伝子に合った生活習慣」と締めくくっておられた。
ただし、良い生活習慣を築くためには食欲の抑制(過食、偏食)、嗜好品であるタバコ、アルコールなどの適正摂取、適切な有酸素運動など日常生活を通じて常に強固な意志を伴うものが多い。
結局、最後は自分との闘いに尽きるようだが、総じていえることは「己の体質に合った生活習慣」が長寿の鍵を握っているといえそうだ。
ほんとに「食いしん坊」と「飲みしん坊」の自分にとっては身につまされる話であります(笑)。
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