「失敗学のすすめ」という本がある。著者は「畑村 陽太郎」氏(当時:東大工学部教授)。
本書によると、講義の最中に「失敗事例」を持ち出すと、途端に学生たちの目が生き生きと輝きだして熱心に耳を傾ける、その一方、「上手くいった事例」となると、次第に熱気が薄れて学生たちの目が死んだようになる、とあった。
どうやら一般的に、人は「失敗事例」が好きのようで、「上手くいった事例」を紹介すると「敬遠される」と思っていいようだ。
このブログでもそう・・、オーディオ記事がなぜ人気が無いかといえば、「成功事例」しか取り上げないからだろうと推察している。多分、「また自慢話か」と受けとられるからだろう(笑)。
で、今回取り上げる事例は「成功事例」なのでおそらく敬遠されるだろうが、一向に気にしないからね~(笑)。
さて、先日の「仮説と検証」で、学問とは「仮説と検証」に集約される、で、「仮説を発表しないことには何も始まらない」という趣旨の元、身近で手ごろな材料として、ちょうど「野球」が「宴たけなわ」だったので、仮説(予想)を立ててみた。
筋書きのないドラマ「野球」は予想するのに手ごろですね。
まず、「MLB」(アメリカ・メジャー・リーグ)のワールドシリーズで、「レンジャース VS ダイヤモンドバックス」戦は、レンジャースの勝利を予想し、「4勝0敗」あるいは「4勝1敗」としていた。
蓋を開けてみると「ビンゴ!」、ずばりレンジャースが4勝1敗だった。
とはいえ、ネットの予想記事はこうだった。
「レンジャーズとダイヤモンドバックスが対戦するワールドシリーズの開幕に先立って、MLB公式サイトでは58人の記者が参加してワールドシリーズ予想を実施。
各記者は「ワールドシリーズに勝つチーム」、「ワールドシリーズの試合数」、「最も多くのホームランを打つ選手」、「最も多くの三振を奪う投手」、「シリーズ最初の盗塁を決める選手」、「ワールドシリーズMVPに輝く選手」という6つ質問に回答し、MLB公式サイトはその結果を集計して公開している。
「ワールドシリーズに勝つチーム」は、レンジャーズが30票、ダイヤモンドバックスが28票という大接戦になった。
「両軍がワールドシリーズに辿り着くまでのプロセスを考えてみると、どちらが勝ってもおかしくない」という声もあり、MLB公式サイトの記者たちも回答に迷ったようだ。」
とまあ、以上のとおり。
MLBの事情に精通した専門の記者でさえこの有様なので、一介の素人の予想がピタリで「鼻高々」である(笑)。
「検証」の視点から言えばア・リーグの「西地区がなぜ強いのか」に行き当たる。
昨年の覇者は「アストロズ」、そして今年も同じ西地区の「レンジャース」であり、その根源には(同じ西地区の)「大谷」選手の存在にあると睨んでいる。投打ともに抜きん出ているので「いかに封じるか?」→ 選手たちのレベルが向上した、と推察してもあながち間違いではなかろう。
とはいえ、この説は今のところ皆無だが、いずれそのうち顕在化する・・と、予言しておこう。
いずれにしても予想が当たると「快感!」ですな(笑)。
そして、もう一つの「日本シリーズ」は昨日(5日)の最終試合で阪神が「7対1」で快勝しましたね。対戦成績は「4勝3敗」。
で、おいらの予想は「阪神の4勝2敗、あるいは4勝3敗」と書き記していたので、これまた「ビンゴ!」。
検証の視点からすると「岡田監督の采配力にある」と、睨んでいたがこれも当たり~。
好不調の波の多い「森下選手」を打順を変えることなく、実に辛抱強く使い続けたところに岡田監督の真骨頂を見た。また、第7戦の先発に「伊藤」投手ではなく「青柳」を持ってきたところにも深謀遠慮が伺える。
これがもし巨人の原(前監督)ならポリシーのないままにクルクルと猫の目のように選手を入れ替えたことだろう。
あっ、そうそう、巨人の話が出たついでに「阪神VSオリックス」戦を見ている家人(巨人ファン)に「おい、お前はいったいどっちを応援してるんだ?」と訊いてみたら「巨人をいじめたから阪神は嫌い!」という返事に思わず卒倒しそうになった(笑)。
「阪神が優勝すれば、少しぐらいは負けた巨人の価値も上がろうというもの・・」という発想にならないのだろうか。
「女子と小人は養い難し」(論語)。
最後に、メル友の「I」さん(東海地方)から今朝いちばんでメールをいただいた。
「ワールドシリーズと日本シリーズ、両方とも当てましたね。
確率的には(二つ予想していましたから)1/4×1/4で1/16でいいんでしょうか?」
ハイ、ありがとうございます。
ちなみに「I」さんのブログ「ジャズとテニスの雑記帳」を毎日「拝読」しているが5日付の「野球 バッティングとピッチングどちらが難しい?」は、独自の視点からの緻密な分析に思わず唸りました。たいへん秀逸な内容だと思います。
勝敗の予想なんかが云々よりもはるかにタメになる記事です。野球に興味のある方はぜひともご覧あれ!