「我が家の音も随分変わりましたよ、ぜひどうぞ~」
と、以前からお誘いを受けていた「Y」さん宅の音。日頃からあまり自信過剰にならない方なので、随分控えめなお誘いだった。
我が家のオーディオのご意見番として、とてもありがたい存在だが、いまさら他家の音を聴いても、ある程度参考にはなるだろうけど「ドラスティック」とまではいかないだろう・・、と、実は「高を括っていた」というのがホンネで、あまり気が乗らなかった。
しかし、いつも一方的に来てもらうばかりでは「失礼だよね・・」と、やっと重い腰を上げたのがこの土曜日(25日)の午後のことだった。クルマで10分ぐらいの所だからあっという間に到着。
スピーカー群は「サブウーファー」「ウーファー2発」「フォステクスの小型ユニット片チャンネル9個」「ツィーター」「スーパーツィーター」という、5ウェイの構成。
これがCDプレイヤーやアンプ群で、デジタルアンプが混じっており、真空管アンプは一台も無し。
我が家のモットーとはすべてかけ離れていて、いささか眉を顰めたくなるような構成だったが(笑)、出てきた音にはすっかり参ってしまった。
目の覚めるような「ドカ~ン」という大太鼓の迫力、切れ味も実に鋭い・・、ただし「はたして肝心のヴァイオリンはどうなんだろう?」と意地悪半分で(笑)、聴かせてもらったところ鮮烈で煌びやかな音色にホ~ッと、思わず感嘆の声を上げた。
これは素晴らしい・・!
何も真空管アンプじゃなくても十分いけるじゃないかというのが率直な印象で、久しぶりの「カルチャー・ショック」(笑)。
前段機器からアンプ、スピーカーまで、さほど高価な機器を使っているわけでもなさそうだけど、前段部分に「クロック機器」(ミューテック)があったのに注目・・、50万円ほどの代物だそうだけど、これがメチャ利いている気がした。
県内外を問わず、仲間が来たらぜひ連れて行って聴いてもらいたいサウンドですね、これは~。
そして、注目のCDがこれ。
この日はまったく感嘆するばかりのシ~ンの連続だったが、最後に「ゲリー・カー」のCDを聴かせてもらったところ、オルガンの重低音の「地を這ってくる」ような響きがやや足りないかなあ・・、この部分に限っては我が家の音が優っている気がした。
やはり「ウェストミンスター」の「バックロードホーン」(改)でしか出せない重低音がある・・、これは大きな自信になったね~(笑)。
最後に、Yさん実演のフルートを聴かせてもらった。
純金製、純銀製、プラチナ製など4本のフルートを使いこなされており、この日はプラチナ製で「バッハ」を聴かせてもらった。
「フ~ン、4本も要るんですか・・」「はい、貴方がスピーカーをいくつも持っているのと同じです」、ギャフン・・(笑)。
それはともかく、やはり「生の音」に優る音はありませんね・・と、言いながらゆったりと、そして優雅な秋の好日が過ぎていく。
あっ、そうそう、フルートでバッハといえば先日のブログでも紹介したとおり「河合隼雄(かわいはやお)さんがランパル演奏のバッハがとてもいいと仰ってましたよ」と、告げると「ゴールウェイとランパルはバッハにには向きませんよ、バッハを分かってない人の戯言でしょう」と、にべもなく一刀両断・・(笑)。
河合さんはチューリッヒ(スイス)でランパルの実演を聴かれているので、演奏自体の云々よりもその時の貴重な思い出が重なり「時空」を超えての愛聴盤とされていたのだろう。
あの日、あのとき、あの場所で聴いた演奏と音楽、「思い入れ」は人それぞれだと思いますけどねえ・・(笑)。
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