「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

金は かたち に残らないものに遣え

2025年01月28日 | 独り言

その昔、といってもおよそ50年ほど前のことだが、当時のベストセラーに「間違いだらけのクルマ選び」という本があった。中高年の方々の一部には懐かしいタイトルだと思う。

薄給のサラリーマンにとってクルマは値が張る大きな買い物なので、失敗しないようにと参考にさせてもらった記憶があるが、その本の著者が「徳大寺 有恒」氏。

その徳大寺氏のエッセイ集が図書館の「返却専用」の書架にあったので何気なしに手に取ってみた。

2015年の刊行なのでもう10年も前のこと、別に目新しいことも書いてなさそうだがと、立ち読みしてパラパラとめくっていたところ、「金は   かたち に残らないものに遣え」(163頁)という「項目」があった。これは面白そうだと借りることにした。



要約すると、

「喫煙が好きだ・・、タバコは吸うと同時に煙となって虚空に消えてしまう。その時間ははかない、しかしその短い時間の中に、くつろぎと、贅沢と、優雅さが高密度に凝縮している。こんな素敵なお金の遣い方はほかにない。かたちに残るものは買わない、それが私の一番好きな金の使い方である。」

「土地を買って家を建てる。それを人生の最大の目標にしている人たちもいる。しかし、私の趣味ではない。どんなに高い土地に高級な家を建てても、それ自体がとても貧乏くさく感じられる。そういう財産を一度つくっておけば、子や孫も安心できるだろう、などと思うのかもしれないが、子孫は子孫でがんばればいいのだ。」

以上、「間違いだらけの・・」がヒットした一因に、
氏独特の歯切れの良さがあったわけだが、ここでもそれが存分に発揮されており、その決めつけ方に全面的に賛同するわけではないが、なかなか考えさせられる事柄ですね。

「子孫に美田を残さず」(西郷 隆盛)という言葉があったけど、今ではすっかり「死語」になってしまった感がある。たとえば、今の政治家なんか苦労せずに地盤を引き継いだ跡継ぎのボンボンだらけなので、日本の政治劣化の一因もそこにありそうだとは思いませんかね・・。

とはいえ、舞台の主役は「時空を駆ける遺伝子か、それとも本人自身か」という答えの出ない命題が後ろに控えているわけですが。

で、なぜこうい話を持ち出したかというと、つい最近購入したウィスキー「ラガヴリン16年」も、タバコと同様に飲んだ後は何にもかたちに残らないけど、気持ちだけは刹那的に随分贅沢になるんですよね~(笑)。



こういう芳醇なウィスキーはストレートに限りますね・・、夕食時に舐めるように少しずつ舌の上に載せながら、肴を食べていると独特の風味が程よく刺激して気分的にすごくハイになります。

大いに気に入ったので継続しようと思っているが、このくらいの贅沢は許されてもいいよねえ・・、ちなみにお値段は「角瓶」のたったの「7倍」くらいです(笑)。

というわけで「金はかたちに残らないものに遣え」に「その意気(粋)や良し!」と共感するわけだけど、これを別の観点からとらえると「刹那的な生き方」を取るか、将来を見据えた生き方を取るかを問われているような気がするわけで、いわば、前者は「無頼」派、後者は「優等生」派といえそうだ。

「優等生」派は無難だけど、傍(はた)からみてあまり魅力がないのはたしかですね~、ちなみにブログ主はどうなんだろう・・、あまり偉そうなことは言えないか(笑)。

それから、もう一つ。

<トランプ大統領の就任>

トランプさんが大統領に就任してから早くも1週間以上が経ち、さっそくいろんな波乱を巻き起こしている。

で、ネットで見かけた意見だけど・・、

「現状に生きづらさを感じて、変化を望む人々がトランプに期待するのは理解できる。ただ、人権・民主主義より経済を、国際協調より自国の利益をはっきり優先させるリーダーにあれだけ熱狂する社会に、とてつもない怖さを感じる。

アメリカのみならず、日本にも一定の期待の声があるのがさらに恐ろしい。不法移民の強制送還等、大統領令の乱発でとりあえずは外科治療的に目に見えた変化をもたらし、功績をアピールしてくるのは間違いない。

ただその先の未来…人々の心の分断や置き去りにされる人権、ないがしろになる地球温暖化対策…。私にとってもあの国のことと傍観していられない。 胸苦しい。」

以上、同感だけど、個人的には政治は「長期的な視野」をもとにしながら「短期的な視野」を上手くミックスさせて展開することが好ましいと思っているが、トランプさんを見ているとどうも「短期的な視野の損得勘定」ばかりを優先させているように思えてならない。たとえば、国際社会における孤立がこれから有形無形の影響をどう及ぼしてくるか・・。

どうせ4年後には大統領の任期が切れるわけだけど、それから先の展開が見ものですね。

つまり「修正路線」になるのか、あるいは「継続発展路線」になるのか・・、政治家の評価は「棺を覆うて事定まる」、いわば「後世の史家」がどう判断するかにかかっているが、はたしてトランプさんのケースはどうなんだろう。



クリックをお願いね →
 
 

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「嬉しさ半分、悲しさ半分」... | トップ | 「AXIOM80」+「超高音」~そ... »
最新の画像もっと見る

独り言」カテゴリの最新記事