ブログのことだが、これまで足掛け4年ちょっとでおよそ640本ほどの記事を投稿してきた。
コツコツと2~3日おきの更新を続けてきて量的にはまあまあの線だが、質的には全て満足しているわけでは決してない。
中には投稿した後になって「修正したい」あるいは「削除したい」と思う記事が出てくることがしばしば。
「音楽」「読書」「独り言」などは主観的なことを書いておけば済むので、「こんなことを書かねばよかったのに」ということはまずありえないのだが、問題は「オーディオ」関連の記事。
この分野はある程度の理論、実践経験などの裏打ちが必要となるが、全国的に多士済々の方々の中、取り立ててこの道を極めているわけでもないので、誰が考えても「おかしい」と思えるような内容が散見されることだろう。
もちろん前述したように投稿した後に判明するワケだが、もう「後の祭り」でたいへん困ったこと。
そういう記事は、取り消す気になれば簡単にワン・クリックの「削除」で一巻の終わりだし、修正も可能だが、どうせ「ブログ」なんて「一度読んでしまえばそれまで」という一過性の代物に過ぎないのが通り相場。
全文が間違っているわけでもないので、何もそこまで神経質にならなくてもと、横着に構えてついそのまま放置しているのが実状。
ところが、そういう「気になる記事」に限って、意外や意外、バックナンバーとして読者に読まれていることが多いのである~。
まあ、昔の亡霊に出会ってゾッとする感じといえばよかろうか。そういう記事がひとつに限らずいくつかある。
ちなみに、過去のどういう記事がどれだけ読まれているかは、ブログの「アクセス解析」→「ページごとの閲覧数」で、毎日更新されており、早朝にチェックしているのですぐに分かる。
そういった「気になる記事」の中で最近「アクセス」がやたらに多いのが「プリアンプはもう要らない?」(2010・6・22付け)という記事。
正直に白状すると、これはやや後悔している記事。
記事の要旨は「レコードからCDの時代になってプリアンプは不要になった。オーディオ・システムにおいて余分な電子回路は少しでも減らしたい。シンプル・イズ・ベストはオーディオの世界でもきちんと当てはまるはず」といった調子。
まあ、今でも決して間違いとは思わないが、「プリアンプはもう要らない」と歯切れよく書きすぎたという思いが最近とみに強くなっている。
正しくは、「プリアンプ」だけに言及せず「パワーアンプ」「スピーカー」との相互の関係も含めてシステム全体の広い視野から考察すべき題材だったろうと今では思う。
もっと具体的に言えば、十全な性能ではない「パワーアンプ」「スピーカー」を使っている場合(自分も含めて、そういうケースが圧倒的に多いと思うが)、その欠点をプリアンプが何がしか補う傾向にあれば、マイナス面よりもプラス面を勘案してむしろ積極的に活用するほうが現実に近い方策ではなかろうか。
したがって「プリアンプが必要か不要かはまったくケース・バイ・ケースで結局のところ各人の判断による」という感じで結んでおけばよかった。
ともあれ、過去の記事がこれだけ注目を浴びるというのもCD時代における「プリアンプ」のオーディオに占める位置付けがいまだに確固となっていない証左だろう。
実を言うと最近になって、自分も質のいい「プリアンプ」を使って積極的に「音作り」をしたほうがいいのではないかと大いに迷っている最中。
しかし、過去の記事とまったく相反することを実行に移すとなると、何となく居心地の悪さを覚えてしまい、「この記事は都合が悪いので取り消したい」というのがホンネというか真相なのである。
とはいえ、一度読まれた読者の記憶までは取り消せないのが何といってもつらいところ!