「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

健康コーナー~「世界で一番売れている薬」~

2010年12月23日 | 健康コーナー

11月中旬の頃のことだった。

市役所からいきなり受診券(「メタボ検診」)が送られてきたので、重い腰を上げて罹りつけの医療機関で血液検査をしたところ、HDL(善玉)は無事パスしたものの「LDLコレステロール」〔悪玉)が基準値をかなりオーバー。

日頃からこまめに「食事」と「運動」に気を配っているものの、医師に言わせるとどうやら「本人の体質」によるものらしい。

すぐにコレステロールを下げる「クレストール」という薬を4週間分処方してくれた。

薬は副作用があるのでなるべく使わないようにしているが仕方なく毎日1錠服用しだしてからおよそ1ヶ月、以前と比べて随分と体が軽くなったような気がする。

それに真夜中に目が覚めてブログを投稿してからまた眠るという不健全な習慣がずっと続いていたが、これがピタリと止んで、一気に8時間ほどぶっ通しで眠れるようになった。

「この薬は相性がよさそう」と思う中、薬が失くなってきたので昨日(22日)受診してきた。

医師に「クレストールはなかなかいいですね。これはずっと飲み続けなければいけない薬ですか?」と訊いてみた。

「これはストロング・スタチンと呼ばれています。長期間の服用は想定していません。血液検査の様子を見ながら服用したり,止めたりということになるでしょう。人によっては肝臓障害という副作用がありますからね」

どんな薬も「両刃の剣」で副作用がつきものだが、クレストールも例外ではないようだ。

それはともかく久しぶりに「スタチン」という言葉を耳にした。

たしか以前にもブログに取り上げていたはずとアーカイブを調べてみたら「世界で一番売れている薬」のタイトルで掲載していた。

著者は山内喜美子さん。

この本は、スタチンという薬の誕生のドラマから新薬開発の現場、医学会が直面した様々な問題を浮き彫りにしている興味深い本だった。

                

以下、重複するが「スタチン」について。

「スタチン」とはそもそも高脂血症治療薬のことである。体内のコレステロール合成に重要な役割を持つ「HMG-CoA還元酵素」を特異的に疎外して血液中のコレステロール濃度を下げる薬。

スタチンはアメリカのファイザーやメルクをはじめとする世界の主要な製薬メーカーが競合し、現在欧米で7種類、日本で6種類が医家向け医薬品として販売されている。

2005年の全スタチン製剤市場は日本円にして約2兆8千億円で他の薬を大きく上回る最大の市場となっている。

コレステロールは周知のとおり人間が生きていくうえで不可欠だが、血液中の濃度が高すぎると動脈硬化を引き起こす。血管が詰まって心筋梗塞や脳梗塞の原因となって命を危険にさらす。

日本の高脂血症患者のうち約600万人が治療を受けており、そのうち8割がスタチンを使用している。世界では推定3千万人が使用し、心臓疾患、脳卒中の発症率を25~30%低下させた。安全性も高く「世紀の薬」「奇跡の薬」と呼ばれている。

このスタチンは実は1973年日本人の研究者によって発見された。当時三共(現・第一三共)の研究所に勤めていた遠藤章農学博士が青カビから発見した「ML-236B」が世界で最初に生まれたスタチンである。

しかし、「ML-236B」は臨床試験にまでこぎつけながら医薬として世に出ることはなかった。

遠藤博士のスタチン発見から30余年が経ったが、世紀の薬となったスタチンの元祖である「MLー236B」はどのようにして生まれ、いかなる運命をたどったのか、そしてなぜ、この薬は日本で最初に製品化されなかったのか。ひいては、なぜ遠藤博士はこの画期的な発見によりノーベル賞を受賞できなかったのだろうか?

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