2週間ほど前の「真空管アンプの競演(テスト)」以来、ずっと気になっているのが「WE300B」アンプの処遇。
他のアンプにあえなく敗北を喫したわけだが「こんなはずではなかったのに」と、何だか喉に小骨が引っかかっているような感じでどうもすっきりしない。
持ち主の心理としては一番お金がかかったアンプなのでそれなりにしっかりしてもらわないと困る、野球でいえば高額年棒の「4番打者」が振るわないとチーム全体の士気が落ちるようなもの、かな(笑)。
で、例によってあれやこれやカンフル注射を打ってみた。
雪辱を期し、これまでの知見を(大したことはないが~笑~)フル動員して「挽回作戦」にトライするのもなかなか楽しいものですよ。
まず、前回の敗戦の原因は「聴き疲れ」にあり、元気が良すぎて音がややキャンキャン気味の傾向にあったので、むしろ「元気を削ぐ」方向への対策を二つ講じてみた。
1 整流管の交換
真空管アンプは整流管(交流を直流に変える役目)のブランドや型番次第でコロッと、それはもう怖いくらいに音が変わる。
良きにつけ悪しきにつけ球の素性次第で音が変わる、これが真空管アンプの魅力の一つだが、このアンプはいろんな整流管を差し替えて楽しめるように2種類のソケットが用意されている。
で、これまで使っていたのは「300B」には定番とされる「274B」だったが、思い切って「83V」(4本ピン:刻印)に差し替えてみた。
このアンプは「強い整流管」は規格が合わないが「83V」は「274B」と同等クラスの「弱い整流管」なので使えるはず。
「北国の真空管博士」によると、「83Vは開発されたのがちょうど300Bと同年代(1930年代)なので相性がいいはずですよ」とのお墨付き。
左がこれまで使っていた「274B」で「NAVY」とあるからアメリカ海軍用の球だが右側の「83V」(刻印)と比べて柄も大きく能力的に一枚上なのだろうが、性能よりも相性が一番なのでためらいはない。
次に、
2 前段管の交換
元気を削ぐ対策の2番目は前段管の交換。
左がこれまで使っていた「071」(ARCTURAS)、右が「471B」(DEFOREST)で、両者とも「71A系」の球だが後者の方の電流量が1/2ほど落ちる。いわば音が控えめになるはずだと素人なりに見当をつけた。
そして、これらの目論見はものの見事に奏功した。
「キャンキャン気味」のまるで「跳ねっ返りの小娘」のような音がまるで上流階級の貴婦人のように品が良くなったのだから、これはたまらない!(笑)
ちなみに、このほど手に入れたプリアンプ用の真空管「13D3」(BRIMAR)の効果も大いに寄与しているのは間違いない。
我が家で一番音がいい音楽ソフトは目下のところ、パソコン(モーツァルト専用チャンネル)とDACによる「384KHz」のハイレゾ再生である。
どこといって非の打ち所がない音に、やっぱり「WE300Bアンプは我が家で一番のアンプだな~」
とはいえ、あの「PP5/400」アンプのいかにもイギリス紳士風の渋さと奥ゆかしさも捨てがたい。5000ヘルツ以下の再生ならこちらの方が上かもねえ。
というわけで「両雄並び立たず」だが、今後はあえて「2頭立て体制」でいくとしよう。(もちろん高音域のツィーター再生に限っては「71A」アンプの独壇場だ。)
これでやっと日常の「心の平穏」を取り戻せたのは非常にありがたい(笑)。
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