官邸防衛あっての国家防衛
2015年4月24日
国家の中枢機関である首相官邸に無人機(ドローン)が降下か落下する事故がありました。自衛隊の海外出動のことに意識が集中しているうちに、国内の国家中枢を守ることを忘れていたのです。恐らくいたずらか、無人機の宣伝をしたい人の仕業であり、国家の防衛出動を最大の課題にしている政権がからかわれたのでしょう。首相、官房長官の猛省が必要です。
最近、米国のホワイトハウスにドローンが落ちて、危機管理の甘さが問われました。ドローンは戦場でも過激派攻撃などに使われ、もっとも関心を集めている軍民両用の新兵器、新機種です。当然、防衛に力を入れている安倍政権は国内の主要拠点で、ドローン対策にも万全を期していると、わたしは信じきっていました。それがまったく違ったのですね。
すっかり忘れていた屋上
官邸の屋上が現場に狙われたのは致命的なミスです。屋上の安全点検を一ヶ月以上もしていなかったのも致命的なミスです。官邸の出入り口、官邸内にいる要人ばかりのことをばかり考え、屋上対策はマニュアルになかったのでしょう。普通ならホワイトハウスの事故があった時に、日本の体制を総点検しておくべきでした。職員研修の際、新人職員を屋上案内して初めて気がついたというのも、致命的です。関係者の処分があるでしょう。
安全保障法制の整備では、存立危機事態、武力攻撃予測事態など緻密すぎるほど、さまざまなケースを想定し、「切れ目のない防衛体制」が首相の持論でありました。「その切れ目」が首相の頭上にあったとは、できすぎた冗談です。首相は相当、怒っているでしょう。被害や損害がなかったと、安心していい話ではありません。
ドローンの購入時の登録、飛行地域の制限など、政府は急いで航空法などの改正に取り組むそうです。なにごとも事故がおきてからでないと、動きださない、だせない日本の特徴がよく表れています。業界や購入者の意識啓発も課題になっております。それもいいにせよ、犯罪者に良識を求めてもむだです。制限区域に入ったら無線による遠隔操作を不可能にする対応が必要です。携帯電話やスマホではすでに、接続遮断の措置ができるようになっていますね。
様変わりになる戦争
ドローンは遠隔操作で標的に接近し、搭載したカメラで確認しながら攻撃でき、狙った人の顔まで識別し、殺傷できるそうです。技術進歩によって恐ろしい時代になりました。トリのような小型で自在に飛べる無人機もあるそうです。戦争の方法も様変わりになるとの予測です。
搭載されたプラスチック容器にはわざわざ放射能マークのシールが貼られ、これもわざわざセシウム入りの液体が入っていたなど、手がこんでいます。たんなるいたずらなのか、からかいなのか、次の行動の予告編なのか。「切れ目の対策」をお願いしますよ。
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