短篇=政治以前、政治家以前
2015年10月25日
嘆かわしい、見苦しい、絶句する。なんとでも形容できますね。維新の党の分裂、大阪維新の会の発足、両者の本家争いを見ていると、これは政治以前、政治家以前の次元だと思います。
維新の会は地方を改革し、日本を改革するのに、ある程度、期待できそうな時期もありました。それが二つのグループに分裂してしまい、「新党結成は認めない」、「維新の会は解党した」と対立しています。橋下市長らの大阪系と、抜け殻のようになったとみえる松野系がにらみ合っています。
橋下系も松野系も、法的措置を検討しているそうです。大阪系は「党本部の住所を無断で変更した」、松野系は「解散届けに異議を申したてる」とし、双方とも裁判所に訴える構えです。
それでも政治家を名乗るのか
有権者によって選ばれ、立法府を本拠にする政治家、議員が自分たちの争いを調整できず、司法に頼み込むなんて、あきれます。議員の不祥事が司法に裁かれることはあっても、政党の正当性ををめぐる争いを、自分たちが司法にゆだねるとは、ほとんど例がないでしょう。これだけでも、政治家を続ける資格はありません。
この対立を称して、「維新に執行部は不在。無政府状態だ」と、かれら自らが自嘲気味に語っています。環太平洋経済連携協定(TPP)、安全保障法制、足踏みする景気、日本の優良企業グループが建設・販売した傾斜マンションの不正・偽装など、国会論戦、審議で政府を厳しく追及してもらいたいのに、かれらが「無政府状態」ではそれもできないでしょう。
橋下氏は偽装引退か
そもそも橋下市長は「大阪都構想」の住民投票(5月)で破れ、「自分は政界を引退する」と大見得をきりました。市長としての任期は12月まであるにしても、裏で維新分裂の指揮をとっています。これでは注目をかきたてるための「偽装引退」と思われても仕方がありません。騒ぎを作り出すことにかけては相当な能力があっても、人間としての信頼性には欠けると見る人は多いでしょう。安倍政権は国会対策のために、利用価値があると考えているようで、橋下氏に元気を与えてしまいました。
松野氏もすっきりしな人物です。維新の党発足時に、現職の国会議員をかき集める必要が生じ真っ先に橋下氏のもとにはせ参じました。国会議員らしく、髪を整髪し、きちんと身なりを先ず整えてほしいですね。政治家としての能力そのものを疑っている人も多いでしょう。
対抗軸の不在が無党派層を増やす
11月には大阪府知事、大阪市市長のダブル選挙です。来年の7月には衆参同日選挙の可能性が高まっているとされます。野党再編で維新の会をあてにしてきた民主党は弱ったなと思い、橋下氏と対立してきた公明党はにんまりしているのか、どうでしょうかね。
自民党1強体制への対抗軸として野党再編が必要なのに、衆参ダブル選挙が迫ってきています。受け皿になる政党が自民党しかない状態が続き、政治への失望が無党派層を増やすことになってしまうのでしょうか。
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