中国リスクはリスクではない 2013年8月28日
中国リスクという言葉に最近、よくお目にかかりますよね。本当にリスクなのでしょうか中国経済には厳しい調整が必要であり、それに伴って起きる問題をリスクといってしまうのは、いかがなものでしょうか。
「中国のい景気の勢いが鈍い」、「中国経済の先行きに警戒感が台頭している」、「中国頼み、一転リスクに」、「中国のバブルが壊れ、デフレに沈めば、世界不況に逆戻りしてしまう」。こんな見出しや記事が増えています。
中国はこれまで速く走りすぎてきたのですよね。ひたすら経済成長、経済規模の拡大をめざし、その副作用には目をつむってきました。経済成長や景気の勢いが、鈍くなってもらわなければならないのでしょう。
様々な公害問題を起こし、それに対する国民の抗議が殺到しても、抑圧してきました。大気汚染で空がどんよりと曇り、特に冬場の都市の空気の汚れはひどく、マスクをしないと外出できない。日本の高度成長期もこれほどではなかったでしょう。
シャドーババンキング(影の銀行)と呼ばれる不透明な資金の流れが表面化しており、金融システムの不健全性が世界市場に与える問題も懸念されています。ひどい無理を重ねてきたのですね。
中国経済が変調をきたせば、世界経済に深刻な打撃になると、声高に言う人もいます。では、中国経済が変調をきたさないように、今後も中国に無理な成長を続けてもらったほうがいいのでしょうか。調整が不可避となった中国が軟着陸をし、世界に悪影響を及ばないようにしてもらったほうがいいに決まってます。実際はそうは簡単にいかないでしょう。
猛スピードで経済成長を続け、国家資金もたっぷりためこみ、軍事力の増強に励まれても困るのです。日本を含め、アジアの安全保障が脅かされでも困るのです。
中国が調整局面を迎えるのは、リスクではなく、世界にとって評価すべきことでしょう。 中国政権は当然、調整や成長減速が不可避なことを承知しています。それに伴う問題が「世界経済にとって懸念材料になる」などといわれては、「世界は自分勝手なことを心配するものだ」と、不快感を抱いていることでしょう。
さんざん中国の急成長の波及効果を受けながら、「中国の成長は早すぎ、深刻な問題が次々に起きている」と日本なども警鐘を鳴らしてきました。これまで無理な成長を続けるなといっておきながら、成長が減速をはじめると、今度はそれが心配の種だと、さも迷惑そうにいうのはどうでしょうか。
悪影響が及んできたら、それをどう防ぐかを考えておくしかないのです。
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