12月14日は、今から300年以上前、大石内蔵助をはじめとする赤穂四十七士が主君・浅野内匠頭の仇、吉良上野介邸へ討ち入り、その首級をあげた「忠臣蔵」の日です。忠臣蔵は史実から見ればかなり脚色されてはいますが、いまだに日本人の心をとらえていることは確かです。
そして忠臣蔵に加え、昨年テレビドラマとしては空前の大ヒットとなった半沢直樹、高倉健主演の「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」など任侠映画、これらのストーリーには共通点があります。
単純に言ってしまえば、いずれの主人公も(1)最初は圧倒的な敵に痛めつけられ、(2)ついに復讐を果たし、(3)最後に責任を取らされる、という点です。(3)については異論もあるかと思いますが、決してハッピーエンドではないことは確かです。
この「ハッピーエンドではない」ことは、ハリウッド映画や香港映画とは違う点だと思います。かと言ってフランス映画のような「虚しい」終わり方でもない、日本独特のパターンであるように思います。
大石内蔵助、半沢直樹、高倉健という虚実取り混ぜたメンバーですが、全員(?)人気が高いことを考えると、日本人の心情に訴えかける何かがあるのでしょう。
さて、会社という組織の中で働くほとんどの人たちは、この3人ほど優れた能力や度胸はないと思います。それでも、嫌な上司や顧客の下でじっと我慢して黙々と仕事をこなす・・・。そうした多くのビジネスパーソンの心の中には、3人のようなヒーローが(ちょっとだけ)住んでいるのかもしれません。
大げさかもしれませんが、多くのビジネスパーソンはちょっとだけヒーローなのだと思います。
(人材育成社)