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商談に効くおまじない

2017年03月12日 | コンサルティング

あなたは仕事で大きな買い物をしたことがありますか? 今、あなたがある会社の総務部長だったとします。現在使っている人事管理システムが古くなったため、コンピュータとソフトウエアをリプレースすることになりました。半年後の稼動開始を目標に、複数のシステム・インテグレーター(SI)に数千万円規模の見積もりを依頼しました。

ここからSI同士が火花を散らす商戦が始まります。と書くと、あたかもSIが入り乱れてのバトルロイヤル(ご存じない方はWikiで調べましょう)を想像するかもしれません。

しかし、実態は全く違います。SI各社はお互い相手を攻撃することはありませんし、営業担当者同士が直接会うこともほとんどありません。それどころか、顧客が競合他社の名前を教えてくれない場合もあります。

戦いは、発注部門の責任者であるあなた(総務部長)と営業担当者との間で始まるのです。

あなたは自分の会社と総務の仕事には詳しいのですが、システムのことはよくわかりません。しかも、SIと商談をするのは初めてのことです。そこで情報システム部から助っ人を1人派遣してもらい、商談時には必ず一緒にいてもらうことにしました。しかし、この助っ人、知識は豊富なのですがコミュニケーションにやや難があります。(こいつ何を言っているんだ?と思うことがしばしばあります。

一方、攻める側の各社は、優秀な営業担当者をあなたにぶつけてきました。どの会社の営業担当者も抜群のコミュケーション力を持ち、製品知識はもちろん業界動向や社会情勢にも詳しく、身なりもきちんとしていて、全く嫌味がありません。当然ですがセールス・トレーニングをしっかり受けてきており、営業に関するビジネス書を何冊も読んでいます。

商談のはじめに、営業担当者はあなたとのラポールを築くためミラーリングし、チューニングし、マッチングしてきます。商談が進むにつれ「顧客と面談する際の応酬話法」で身につけたYES BUT法などのセールス・テクニックを繰り出してきます。そして終盤では二者択一法、推定承諾法、結果指摘法、第三者話法などなどで契約を迫ります。

いかがでしょうか。こんな「スーパーセールスマン」に素手で立ち向かっても勝ち目はなさそうですね。

でも、ご心配なく。商談中に次のおまじないを唱えてください。そうすれば誤った選択をせずに済みます。

「魔法は無い!」・・・これだけです。

営業担当者は嘘はつきません。しかし、優秀な営業担当者はセールス・テクニックを駆使して自社の製品を「素晴らしいシステム」に思わせることはできます。

営業担当者の言葉を聞いているときに、ちょっと魔法チックなきらきらしたイメージが頭に浮かんだら「魔法は無い!」と唱えるのです。

すると、不思議なことに言葉のきらめきが消え、現実が見えてきます。

現実が見えてきたら、落ち着いて相手に質問をしてください。「処理時間はどのくらい短縮できますか?」、「こういう場合どうなりますか?」、「制度が変わった時に修正できますか?」、「修正にかかる時間は?」、「コストは?」

そして、全ての質問に対してきちんとした答えが返ってこない限り商談を進めないことです。

このおまじない、本当に効きます。

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