共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

意外とスッキリですね

2015年05月26日 22時40分42秒 | 音楽
生徒が一人、どうしてもフリッツ・クライスラーの《愛の悲しみ》が弾きたいというので、来週から取り組むことにしました。

それに先駆けて楽譜を準備して、参考にいろいろな演奏を聴いてみたのですが、どうもテンポのヨタリが激しいものが多くて『何か違うな…』という感が拭えません。第一、この曲をウィンナワルツみたいに弾いている人が多いのですが、楽譜冒頭には『レントラーのテンポで』という指示があるのです。

レントラーとはオーストリアでよく踊られる舞曲で、一説によるとウィンナワルツの起源になったとも言われている舞曲のことです。しかし、3拍子の2拍目に独特の突っ込みがあるウィンナワルツと比べると、レントラー舞曲はそこまで揺らがないのです。ですから、クライスラーが敢えてこの曲に『レントラーのテンポで』と指定したからには、そこまでのヨタリは想定していないのではないか…というのが私の個人的予想でした。

こういう時にYoutubeというものは便利で、あるかなぁ…と思ったら、やはりありました自作自演が!クライスラー自身のヴァイオリン、カール・ラムソンのピアノによる録音です。

原盤にキズがあるようで2度ほど音が飛びますが、これを聴いてみて改めて『自分の想像は間違っていなかった』という確信を持つことができました。なんとスッキリした《愛の悲しみ》なんでしょう。

この録音を聴いて、来週からのレッスンの道筋が立てられました。あとはこのニュアンスを上手く伝えることができればいいのですが…そこは頑張ります。

「愛の悲しみ」 vn:フリッツ・クライスラー p:カール・ラムソン Liebesleid Fritz Kreisler
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