
今日は小学校中学年の付き添いで、小田原の三の丸ホールに行きました。今日はここで、市内の小学校中学年合同の『芸術鑑賞会』なる催しがありました。
公演は『小田原オペラ』なる団体によるもので、演目は

モーツァルトの名作《魔笛》でした。本来ドイツ語台本で二時間以上かかる《魔笛》ですが、今回はそれを子どもたち向けに日本語台本で約一時間に短縮したものが上演されました。
始まってみると、日本語台本そのものは二期会オペラで使われていた、個人的に馴染み深いものでした。あとはどこをどう切り詰めていくのかが焦点でしたが、ちゃんと序曲(もちろん短縮バージョン)から始まってストーリーも破綻させずに
『あぁ、ここからここへ飛んで、ここへ繋げてこうしたのね。』
と、思わず感心してしまう仕事ぶりでした。
歌手も三人の童子以外のソリストは揃っていて、夜の女王がハイトーンを外したのはイタかったのですが、特にパパゲーノは存在感もあり、演技も子どもたちに大ウケでした。オーケストラは弦楽四重奏+コントラバスにピアノ・フルート・クラリネット・ホルンという編成で、オーボエとファゴットの無いさびしさはあったものの、それでもオペラオケとしての存在感はなかなかでした。
支援級の子たちは時折席でモゾモゾしたりしていたものの、最後まで公演を妨害するような騒ぎを起こしたりはしませんでした。彼らは彼らなりに初めてのモーツァルトを楽しんでいたようで、こちらとしてもホッとしました。
現代の子たちは、こうしたものに触れる機会を作ってもらえて幸せだなと思います。これからも小田原市には、いろいろといいものを子どもたちに観せて聴かせてあげてほしいものです。