今日は朝からいいお天気になったので、たまり気味になっていた洗濯物を済ませてしまいました。その後は、ひたすらデスクワークに勤しんでいました…。
ところで、今日はヴィヴァルディの誕生日です。
アントニオ・ルーチョ・ヴィヴァルディ(1678〜1741)は、イタリア・ヴェネツィア出身のバロック音楽後期を代表する作曲家の一人で、ヴァイオリニスト、ピエタ孤児院の音楽教師、カトリック教会の司祭、興行師、劇場支配人でもあった人物です。ヴァイオリン協奏曲『四季』を筆頭とする膨大な数の協奏曲の他、室内楽やオペラ、宗教音楽等を作曲したことで知られています。
上の肖像画は音楽の教科書にもヴィヴァルディのものとして掲載されているものですが、このボローニャの図書館に収蔵されている肖像画はあくまでもヴァイオリンを持った男性像だというだけであって、ヴィヴァルディの姿であるという確証はありません。むしろ正確なのは
マルケ地方出身の風刺画家、ピエール・レオーネ・ゲッツィ(1674〜1755)が描いたこのカリカチュア(風刺画)です。
ゲッティは1723年にオペラを上演するためにローマを訪れていたヴィヴァルディと出会い、そこで上のヴィヴァルディのカリカチュアを描きました。下のキャプションに
『赤毛の司祭(ヴィヴァルディの仇名)1723年のカプラニカ劇場上演演目のオペラを作った作曲家』
と書かれているので、これはヴィヴァルディに間違いありません。
意地悪な風刺画ですので鼻などデフォルメされていますが、直接会っているだけあってヴィヴァルディの容貌の特徴をよくとらえているといわれています。この当時、ヴィヴァルディは45歳でした。
さて、ヴィヴァルディの膨大な作品の中から何を紹介しようかと思ったのですが、ちょうど一週間前にバッハの《4台のチェンバロのための協奏曲 イ短調》を載せたこともあるので、今日はその原曲をご紹介しようと思います。それがヴァイオリン協奏曲集《調和の霊感》の中の『4台のヴァイオリンとチェロのための協奏曲第10番 ロ短調』です。
《調和の霊感》は、かつてヴィヴァルディが勤めていたピエタ孤児院の子どもたちに演奏させるために書いた全12曲のヴァイオリン協奏曲集です。全体は4台、2台、ソロヴァイオリンのための作品が交互に登場する構成で、今回の作品は10曲目にあたります。
ヴァイオリンのソリストが4名もいる協奏曲というのもなかなかありませんが、ヴィヴァルディはかなりの数の作品を遺しています。その中でもこの第10番は特に巧妙に書かれていますから、バッハが編曲する原曲に選んだのも頷けます。
そんなわけで、ヴィヴァルディの誕生日である今日は《調和の霊感》の中の名曲のひとつである『4台のヴァイオリンとチェロのための協奏曲第10番 ロ短調》をお聴きいただきたいと思います。イル・ジャルディーノ・アルモニコによる演奏で、4台のヴァイオリンとチェロ、弦楽合奏が奏でる綾織りのような音楽をお楽しみください。