共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

今日はヴィラ・ロボスの誕生日 〜 《ブラジル風バッハ第1番》

2021年03月05日 18時50分20秒 | 音楽
今日は高学年で音楽の鑑賞の授業がありました。その中で、昨日の3月4日はイタリアバロックの巨匠アントニオ・ヴィヴァルディ(1678〜1741)の誕生日だったということか紹介されました。

その話の後で担任の先生から私に

「因みに今日誕生日の作曲家っていますか?」

と聞かれたので、たまたま持っていた手帳に書かれているのを確認した上で

「今日はヴィラ・ロボスという作曲家の誕生日です。」

と答えたのですが、それを聞いた全員(・・)となってしまいました(汗)。



1887年の今日ブラジルのリオデジャネイロで生まれた20世紀を代表する作曲家のひとりであるエイトル・ヴィラ・ロボス(1887〜1959)は、クラシック音楽の技法にブラジル独自の音楽の要素を採り入れた作風が特徴です。多作家としても知られるヴィラ・ロボスは、12曲もの交響曲をはじめ、協奏曲や映画音楽といった幅広いジャンルに作品を残しています。

特によく知られているのがギター協奏曲と、9曲の連作《ブラジル風バッハ》です。

ギター協奏曲はギターと小オーケストラのための作品で、有名なロドリーゴ作の《アランフェス協奏曲》と並ぶギター協奏曲の名品として知られています。私も一度演奏に参加したことがあり、その時にヴィオラのパートソロを演奏したことがありますが、小規模ながら実によく出来た作品です。

《ブラジル風バッハ》シリーズは、当時パリに遊学して新古典主義音楽の洗礼を受けていたヴィラ・ロボスがブラジルの民族音楽とバッハの作曲様式の融合を目指して作曲したものです。一部にはジャズ等の要素を採り入れた曲もありますが、ブラジルの民族的なリズムや旋法によるメロディを多声的に処理しているという点では首尾一貫しています。

今日はヴィラ・ロボスの誕生日を記念して、《ブラジル人バッハ第1番》の動画を転載してみました。

8人のチェリストによって演奏されるこの曲は《ブラジル風バッハ》というタイトルに最も近い作品で、特に終楽章のリズミックなフーガは秀逸です。時間的な都合で冒頭部だけを授業で子どもたちに聴かせましたが、

「カッコいい!」

と、なかなか好評でした。

ベルリン・フィルハーモニーの12名のチェリストによる演奏でどうぞ。




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