今日も雨模様の一日となりました。まあ梅雨真っ最中ですから当たり前なのですが、こう続くとやはり気持ちのいいものではありません。
ところで、今日7月6日は『ピアノの日』であることを御存知でしょうか。これは幕末日本史にも登場するドイツ人医師のフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト(1796〜1866)が、日本に初めてピアノを持ち込んだと記録されている文政6(1823)年7月6日を記念して制定されたものです。
その時に持ち込まれたのは今日のようなグランドピアノではなく、イギリス・ロンドンのウィリアム・ロルフ&サンズ社が1819年に製造したスクエアピアノという箱型のものでした。このピアノ、実は山口県萩市にある熊谷美術館に現存しており、

上の写真が正にその現物です。日本人が初めてピアノの音色に触れたのは、明治時代よりも前だったのてすね。
そんなわけで、今日は雨の降る『ピアノの日』を記念してショパンの名曲の一つである前奏曲《雨だれ》を、シーボルトが持ち込んだものと同じ年代のスクエアピアノでの演奏でお楽しみ頂きたいと思います。
こちらのスクエアピアノは、かつてハイドンやベートーヴェンも愛奏していたというイギリスのジョン・ブロードウッド&サンズ社で1832年に製造されたものです。シーボルトのピアノそのものではありませんが、それに限りなく近いイングリッシュヴィンテージのスクエアピアノならではの古雅な響きをご堪能下さい。