共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

79年目の『戦没者を追悼し平和を祈念する日』

2024年08月15日 17時30分25秒 | 神社仏閣
今日は8月15日、『戦没者を追悼し平和を祈念する日』です。ということで、



今年も東京九段の靖國神社に参拝しました。

二之鳥居に近づくと



既に神門のあたりから拝殿前に向かう行列ができていました。一瞬たじろぎそうになりましたが、ここで並んでおかないと正午の昇殿参拝に間に合わないので、強烈な日差しの中を意を決して並びました。

それから牛歩で進むこと暫し、ようやく拝殿前にたどり着いて参拝しましたが、並んでいる途中から空に段々と雲が増えてきて、時折日差しを遮ってくれていました。拝殿前で参拝してから正午の昇殿参拝に臨むべく参集殿で待機し、時間になって拝殿に案内されました。

拝殿に昇殿してしばらくすると、隣の日本武道館で開催されている『全国戦没者追悼式』の様子がNHKラジオの音声で流されます。そして



正午の時報とともに黙祷が捧げられますが、この時には直前まで拝殿の外で聞こえていた雑踏や柏手や賽銭の音がピタリと止んで、蝉時雨と風の音以外は全く聞こえなくなります。

いつも不思議なのですが、どんな猛暑であっても、この黙祷の時間になると拝殿の中に心地良い涼風が吹き渡っていきます。まるで靖國神社に神様として祀られた246万余柱の御英霊が参拝者たちを労ってくれているかのようで、胸が熱くなります。

黙祷が終わると、天皇陛下がお言葉を述べられます。




本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。

終戦以来79年、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります。

これからも、私たち皆で心を合わせ、将来にわたって平和と人々の幸せを希求し続けていくことを心から願います。

ここに、戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。


ここでラジオ放送は終了し、その後は順次本殿に渡って参拝します。


本殿の中には、1877年に明治天皇から下賜された幣帛料をもって製作された巨大な鏡が御神体として坐していて、参拝者たちは順次御神体の前に進み出て御英霊に感謝申し上げ、国家の安寧と発展を祈念します。

昇殿参拝を終えて外に出てくると、



空に浮かんだ雲が強烈な日差しを遮ってくれていました。境内にはミストが噴霧されたり麦茶の御接待があったりしていたのですが、この雲の存在が何より有り難いものでした。

今回も、神社に隣接する資料館の《遊就館》に行ってきました。こちらには





零式艦上戦闘機五二型や



タイとビルマ(現ミャンマー)とを結んだ泰緬鉄道に使用されていたC56型蒸気機関車の実機が展示されていて、訪れた人たちが盛んに写真撮影をしていました。

コロナ禍の時期には見られなくなっていましたが、今年も



台灣民政府の方をはじめとして、タイやフィリピン、マレーシア、インドネシア、ミャンマーといったアジア各国から多くの方々が参拝にいらしていました。かつての激戦地であったこうした国々から遥々靖國神社に参拝にいらしていただけるということは、真にありがたいことです。

よく

「靖國は世界中から非難されている」

と声高に豪語する向きがありますが、こうして各国から参拝者がいらしているのを見るにつけ、現実とのギャップが不思議で仕方ありません。彼らが言うところの『世界中』とは、一体どこの国のことを指しているのでしょうか。

台風7号が、強い勢力で関東地方に近づいてきているようです。明日関東に最接近するようですが、被害が最小限であることを願うばかりです。


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