共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

小田原ジュニア弦楽合奏団第35回定期演奏会@小田原市民会館

2021年04月18日 19時25分38秒 | 音楽
昨日の雨はすっかり上がり、今日は風が強いながらも気持ちのいい晴天となりました。そんな中、今日は小学校の勤務とは関係無く小田原市に出かけました。

勤務中の小学校に通っている子に『小田原ジュニア弦楽合奏団』に入団している子がいて、その子からコンサートの御招待を受けたので、小田原城址公園の近くにある小田原市民会館までやって来ました。



本来ならばこの第35回記念定期演奏会は昨年開催されるはずだったのですが、新型コロナウイルスの蔓延に伴って中止になってしまったため一年越しでの開催となったのです。

大ホールに入る前に検温とアルコール消毒を受けると



久しぶりに入ったホール内は新型コロナウイルスの感染予防ガイドラインに則って、観客席が市松模様状に交互に座るよう設定されていました。これは最早、最近のコンサートでは見慣れた光景となっているようです。

前半はヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲《四季》全曲が演奏されました。《春》《夏》《秋》《冬》とそれぞれに子どもたちが入れ代わり立ち代わりでソリストをつとめていましたが、いずれの子たちも大健闘を見せてくれました。特に《冬》のソリストの出来栄えが素晴らしく、演奏後に会場から「Brava!」の声援が飛んでいました。

その後は観客の子どもたちの中で演奏の心得のある子たちをステージに上げて、『みんなで弾こう♪アイネ・クライネ・ナハトムジーク 第1楽章』のコーナーが始まりました。このコーナーではフラッシュを使わなければ演奏中の写真撮影が認められていたので



お言葉に甘えて私も一枚撮らせて頂きました。見ると合奏の心得の無さそうな子も何人か見受けられましたが、それでも周りの団員の子たちや賛助出演の大人たちのサポートを受けて、楽しそうに演奏していました。

休憩時間を挟んで、後半はドヴォルザークの《弦楽のためのセレナーデ》が演奏されました。この曲は、昨日載せたチャイコフスキーのものと並ぶ弦楽セレナーデの名品として知られています。

かなり高度な演奏技術とアンサンブルセンスが求められる作品ですが、子どもたちはそれぞれに真剣な表情で演奏してくれました。昨年コンサートが飛んでしまって悔しい思いをした分、感慨もひとしおだったことでしょう。

中低音に大人たちが多くいたこともあってか、安定感のある充実したアンサンブルを繰り広げてくれた子どもたちに、会場から惜しみない拍手が贈られました。舞台上の子どもたちは



それぞれにやりきった感のある晴れやかな表情を見せてくれて、アンコール後には客席に向けて深々と礼をしていました。

新型コロナウイルスに振り回されている中でのコンサート開催は、まだなかなか厳しいものがあります。それでも、こうして少しずつ生演奏ができる機会が増えてきているのは喜ばしいことです。恐らく出演した子どもたちにとっても来場者にとっても、忘れ難い素敵な時間となったことでしょう。

終演後ロビーに出たら、招待してくれた子とその御両親がいらっしゃいました。御招待を受けたことの御礼と、難しい曲に挑んだことの労いの声をかけると、ちょっと恥ずかしいような表情ではにかんでくれました。

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余談ですが、6月に10人でやる予定のチャイコフスキーの《弦楽のためのセレナーデ》も、本来ならばこのくらいの人数で演奏されるべきものです。念の為(笑)。

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