天気予報の通り、今日は午後から時折激しい雨の降る悪天候となりました。元々今日は何も予定が無かったので、結局一日中我が家から出ずに過ごしていました。
ところで、一応今度の6月にコンサートに出演することとなりました。昨年は春以降、遂に全てのコンサートスケジュールが潰れてしまったので、かなり久しぶりの実戦ということになります。
曲目はチャイコフスキーの名曲のひとつである《弦楽のためのセレナーデ ハ長調》です。かつて某○タッフサービスのCMで流れていたので、恐らく今の30代以上の方は聞き覚えがあるかも知れません。
ただ曲目はいいのですが、今回は演奏形態に難有りなのです。
この《弦楽のためのセレナーデ》は、通常ならば20名前後の人数で構成された弦楽合奏で演奏されます。というのも各パートがそれぞれ内部で上下に分かれて演奏する部分が多々あり、そのために各パートにある程度の人数を必要とするのです。
ところが今回は第1ヴァイオリンが3名な他は第2ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロが各2名ずつ、コントラバスに至っては分奏があるにもかかわらず1名のみという、総勢わずか10名での演奏となるのです。恐らく、あまり音楽を知らない方か、自身のこだわりとして人数が居なかろうが何だろうが
「何が何でもチャイコフスキーじゃなきゃイヤだ!」
と言ってきかない方がプログラムを組まれたのかではないかと思われます。
まぁ、このコロナ禍の中でのコンサートということで、客席は勿論舞台上もソーシャルディスタンスを取らなければならない状況なのだろうと推察されます。しかしそれなら、これだけの少人数、しかもコントラバスが1名しかいないと分かっているのなら、何もチャイコフスキーでなくても、例えばモーツァルトの《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》のように少人数でも十分に演奏効果があげられる曲目はあったはずなのです。
まぁ、こんな少人数なのにもかかわらずチャイコフスキーに決めたのは私ではありませんし、恐らく団体の執行部の方々に
「メンバーはたった10名、場合によってはパートソロになって音が薄くなっちゃうところもあるかもだけど、それでも聞いた感じ華やかだし映えるからチャイコフスキーやっちゃおう!」
という少々はしゃいだ選曲センスの持ち主がいらしたのでしょうから、出演させて頂くこちらとしては粛々と取り掛かるのみです。
そんなわけで、先ずは皆様にチャイコフスキーの《弦楽のためのセレナーデ》の、比較的正統派な演奏をお聴き頂こうと思います。そして、本来はこのような厚みを効かせるはずの演奏がたった10名の小規模合奏でどんな顛末を迎えるのか、想像してみてください。