結局、昨日は投薬後に一日寝ていました。本当は行きたいライブがあったのですが、さすがに37.5℃を超えた発熱では演者にも観客にも迷惑になってしまうので断念しました…。
半年近く前から決まっていたライブなので、自身でも楽しみにしていただけに、
『何でこのタイミングで…』
と思わざるを得ませんでした。日々の自己管理の大切さを、改めて考えさせられたのでありました。
昨日の発熱と頭痛の中で、頭の中で勝手に再生されていた音楽がありました。それが、ベルリオーズ作曲の《幻想交響曲》の第5楽章『魔女の夜宴の夢(サバト)』です。
《幻想交響曲 作品14》は、
フランスの作曲家エクトル・ベルリオーズ(1803〜1869)が1830年に作曲した最初の交響曲で、原題は『ある芸術家の生涯の出来事、5部の幻想的交響曲』というものです。
「恋に深く絶望しアヘンを吸った、豊かな想像力を備えたある芸術家」
の物語を音楽で表現したもので、ベルリオーズの代表作であるのみならず、初期ロマン派音楽を代表する楽曲で、現在でも演奏会で多く取り上げられています。
決して多くはないものの私が個人的に受けつけない音楽というものがいくつかあるのですが、その筆頭がベルリオーズの《幻想交響曲》です。初めて聴いたのは小学校高学年の頃だったと思いますが、
『なんだ?このひたすらゴチャゴチャした音楽は。』
という最悪な印象だったことを覚えています。
ましてや想い人にふられた挙げ句アヘンを吸ってラリった男の下品な曲だと知ってからは、なおさら嫌いになりました。それなのにベルリオーズは、よせばいいのに続編として音楽付きの独白劇という側面の強い“叙情的モノドラマ”《レリオ、あるいは生への復帰 作品14b》まで書いていて、1832年に《幻想交響曲》の再演と併せて初演されているというのですから…。
それでも悲しいかな、一度把握した音楽というのはふとした状況で頭の中をグルグル回るもので、特にこの曲の第5楽章は死にそうに具合が悪くなった時にエンドレスで流れ始めるので始末におえません。この曲の中で流れる、リストの《死の舞踏》にも登場するセクエンツィア『怒りの日(Dies irae)』のメロディや無機質に鳴り響く弔鐘の音は、私にとってはもはや不快なもの以外の何ものでもありません。
そんなわけで(どんなわけだよ…)、今日は私にとって最悪の音楽である《幻想交響曲》から、最終楽章『魔女の夜宴の夢』をお聴きいただきたいと思います。エドワード・ガードナー指揮によるロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、ベルリオーズのグロく下品な世界観をご堪能ください(嫌がらせかよ…)。
私は、明日からに備えて早目に寝ます…。