今日からゴールデンウイークですね。暖かい陽気に誘われて行楽地にお出かけされたり海外に脱出されたりと、いろいろな過ごし方を満喫しておいでのこととお慶び申し上げます(祝辞かよ…)。
そんな中、ヒマだけあってお金のない私は(-_-;)、今まで何度か見た後ほったらかしにしていたオペラのDVDを見直してみよう!と思い立ちました。最初は一日に2~3本みよう…なんて思っていたのですが、さすがにオペラ鑑賞は映画鑑賞よりも集中力と体力(?)を使うので、無理をしないようにしてみました(ナンノコッチャ…)。
とりあえず最初は喜劇が観たいなと思ってチョイスしたのは、イタリアオペラの巨匠G.ヴェルディが最後に作曲したオペラ《ファルスタッフ》です。シェイクスピア作の喜劇《ウィンザーの陽気な女房たち》が基になっています。ストーリー的なものはウィキペディアを始めとして様々なサイトに載っていますので、ここでは割愛します。
いくつかDVDが発売されていますが、私が観た中で一番いいと思ったのが、1982年7月、ロンドンのコヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラ・ハウスの公演を収録したものです。
(ワーナー・ミュージック・ジャパン WPBS90228)
サー・ジョン・ファルスタッフ…レナート・ブルソン
ピストーラ…ウィリアム・ウィルダーマン
バルドルフォ…フランシス・エガーソン
カイウス…ジョン・ドブソン
フォード…レオ・ヌッチ
フォード夫人アリーチェ…カーティア・リッチャレッリ
ナンネッタ…バーバラ・ヘンドリックス
フェントン…ダルマシオ・ゴンザレス
ページ夫人メグ…ブレンダ・ブーザー
クイックリー夫人…ルチア・ヴァレンティーニ=テラーニ
コヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラ管弦楽団・合唱団
指揮…カルロ・マリア・ジュリーニ
演出…ロナルド・エア
美術…ハイデン・グリフィン
衣装…マイケル・ステンネット
映像監督…ブライアン・ラージ
こういう喜劇的なオペラは、ともするとアメリカのドタバタテレビドラマみたいな、見た目にわかりやすく爆笑を誘おうとする演出をされてしまう危険性が高いのですが、さすがシェイクスピアの本場イギリスでの公演だけあって、キャラクターそれぞれが内に秘めた上品な毒のあるユーモアが匂いたち、思わず「プッ…(^w^)」と笑ってしまいます。ジュリーニの紡ぎ出す引き締まった音楽構築も心地よく、第1幕第2場終盤の混み合ったアンサンブルも、スッキリと聴かせてくれます。
キャストも豪華です。タイトルロール(主役歌手)のレナート・ブルソンは、お金に窮していながらも『武士は食わねど高楊枝』的な建前と貫禄たっぷりのファルスタッフを見せてくれますし、レオ・ヌッチも何とも短絡的でどことなくマヌケなフォードを可笑し味たっぷりに演じています。
女性陣も豪華です。アリーチェ役のリッチャレッリは、本当に楽しみながらファルスタッフに対してイタズラを仕掛け、娘のナンネッタ役のヘンドリックスもコケティッシュな演技でゴンザレスとの若々しいカップルを楽しんでいます。
そして秀逸なのがクイックリー夫人役のテラーニです。古い言い方で表現するなら『上流階級ならではの海千山千の年増』という貫禄に満ち溢れて、アンサンブルの中でも要的な安定感を遺憾無く発揮しています。こういう『正真正銘のアルト歌手』が、世界的にどんどん少なくなってしまっているような気がして残念です。
最終場面、コーラスを随えたキャスト全員が一列に並んで『この世は全て冗談。人は皆道化師』と含み満載の大フーガを聴かせます。それまで散々悲劇を書いていろんな役柄を死に追いやったヴェルディが人生の最後に書いたのは、ちょっぴりほろ苦くもこんなに楽しい喜劇だったことが嬉しくなります。オペラとかシェイクスピアとか聞くと難しそう…と思われるかも知れませんが、話の内容そのものは単純明快なので楽しめると思います。興味のある方は御覧になってみては如何でしょうか。
そんな中、ヒマだけあってお金のない私は(-_-;)、今まで何度か見た後ほったらかしにしていたオペラのDVDを見直してみよう!と思い立ちました。最初は一日に2~3本みよう…なんて思っていたのですが、さすがにオペラ鑑賞は映画鑑賞よりも集中力と体力(?)を使うので、無理をしないようにしてみました(ナンノコッチャ…)。
とりあえず最初は喜劇が観たいなと思ってチョイスしたのは、イタリアオペラの巨匠G.ヴェルディが最後に作曲したオペラ《ファルスタッフ》です。シェイクスピア作の喜劇《ウィンザーの陽気な女房たち》が基になっています。ストーリー的なものはウィキペディアを始めとして様々なサイトに載っていますので、ここでは割愛します。
いくつかDVDが発売されていますが、私が観た中で一番いいと思ったのが、1982年7月、ロンドンのコヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラ・ハウスの公演を収録したものです。
(ワーナー・ミュージック・ジャパン WPBS90228)
サー・ジョン・ファルスタッフ…レナート・ブルソン
ピストーラ…ウィリアム・ウィルダーマン
バルドルフォ…フランシス・エガーソン
カイウス…ジョン・ドブソン
フォード…レオ・ヌッチ
フォード夫人アリーチェ…カーティア・リッチャレッリ
ナンネッタ…バーバラ・ヘンドリックス
フェントン…ダルマシオ・ゴンザレス
ページ夫人メグ…ブレンダ・ブーザー
クイックリー夫人…ルチア・ヴァレンティーニ=テラーニ
コヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラ管弦楽団・合唱団
指揮…カルロ・マリア・ジュリーニ
演出…ロナルド・エア
美術…ハイデン・グリフィン
衣装…マイケル・ステンネット
映像監督…ブライアン・ラージ
こういう喜劇的なオペラは、ともするとアメリカのドタバタテレビドラマみたいな、見た目にわかりやすく爆笑を誘おうとする演出をされてしまう危険性が高いのですが、さすがシェイクスピアの本場イギリスでの公演だけあって、キャラクターそれぞれが内に秘めた上品な毒のあるユーモアが匂いたち、思わず「プッ…(^w^)」と笑ってしまいます。ジュリーニの紡ぎ出す引き締まった音楽構築も心地よく、第1幕第2場終盤の混み合ったアンサンブルも、スッキリと聴かせてくれます。
キャストも豪華です。タイトルロール(主役歌手)のレナート・ブルソンは、お金に窮していながらも『武士は食わねど高楊枝』的な建前と貫禄たっぷりのファルスタッフを見せてくれますし、レオ・ヌッチも何とも短絡的でどことなくマヌケなフォードを可笑し味たっぷりに演じています。
女性陣も豪華です。アリーチェ役のリッチャレッリは、本当に楽しみながらファルスタッフに対してイタズラを仕掛け、娘のナンネッタ役のヘンドリックスもコケティッシュな演技でゴンザレスとの若々しいカップルを楽しんでいます。
そして秀逸なのがクイックリー夫人役のテラーニです。古い言い方で表現するなら『上流階級ならではの海千山千の年増』という貫禄に満ち溢れて、アンサンブルの中でも要的な安定感を遺憾無く発揮しています。こういう『正真正銘のアルト歌手』が、世界的にどんどん少なくなってしまっているような気がして残念です。
最終場面、コーラスを随えたキャスト全員が一列に並んで『この世は全て冗談。人は皆道化師』と含み満載の大フーガを聴かせます。それまで散々悲劇を書いていろんな役柄を死に追いやったヴェルディが人生の最後に書いたのは、ちょっぴりほろ苦くもこんなに楽しい喜劇だったことが嬉しくなります。オペラとかシェイクスピアとか聞くと難しそう…と思われるかも知れませんが、話の内容そのものは単純明快なので楽しめると思います。興味のある方は御覧になってみては如何でしょうか。