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Happy Birthday (3)

 今日12月6日は私の妻の47回目の誕生日だ。ふーっ、何ておばさんになっちゃったんだ・・・
 18歳の誕生日を一緒に祝ったのが最初だったから、これで30回目の誕生日になる。何気なく気づいて、妻にそう言ってやったら、「ただ生きていりゃ、自然にそうなるに決まってるじゃない」とまったくつれない。「誕生日のお祝いに何が欲しい?」ときいてみても、「そんな心のこもっていない上辺だけの人から何か貰っても、うれしくないから何もいらない」と突っぱねる。本当に手続きが面倒くさい奴だ。もう慣れっこになっているからいいようなものの、それでも時々はカチンと来る。ほかっとけばいいものを、からかうのがおもしろくてまたちょっかいをかけてやると、同じ返事をする。これを何度か繰り返して、やっとのことで欲しい物を聞き出して、毎年何かを贈っている。といっても、ほとんどがSMAP関係の物だから、今年などは夏のライブDVDを注文しておけば満足らしい。結構安上がりだ。
 そう言えば、今まで特別こうしてくれとか、あれが欲しいとか言い出したことはあまりない。謙虚とか控えめとかそんな可愛らしいものじゃないが、何故だか自分からは言い出さない。私が先回りして、もうそろそろこれくらいのことをしておかないと、雲行きが怪しくなるぞと察知してあれこれやっているからだとは思うが、それにしても基本的に欲がない人間なのかもしれない。表面的に見れば、SMAPや藤原竜也など自分のお気に入りのためには、かなり貪欲だが、それ以外のことには不思議なほど恬淡としている。何でだろう?
 これだけ長く一緒に暮らしていても、謎の部分はまだまだある。芸能界の話題を毎日追っかけていれば、いつまでも夢見る少女のままでいられるのだろうか?妙に若くて、元気がいい。とてもあと少しで50になるようには見えない。しかし、ずっと化粧などしたことがなく、素顔のままで生きてきたのが、夏くらいから毎朝化粧をするようになった。「さすがに肌が年取って、自分でもこれじゃあ見苦しいと思って」とか言って化粧をし始めたときは、顔に下手な塗り絵をしたようで思わず笑ってしまったが、さすがに日を重ねるごとに見やすくはなってきた。化粧をした時としない時を比べれば、やはり若々しさに差ができるのは当然だが、逆に言えば、化粧をしなければ誤魔化せなくなったのかと、私としては少し寂しい気もする。だが、「素顔のままのほうがいい」などと洒落たことを言えなくなったのも事実だから、時には化粧品をプレゼントするのもいいかもしれない。
 それにしても、彼女にとって今年は充実した年であったことだろう。思い出せないくらいライブに行き、演劇を観て、友だちと会った。私はその間ずっと塾でうろうろしていただけだから、時々は羨ましくて仕方がなくなるのだが、彼女に言わせれば、「あなたはそうやって私に自由にやらせている自分が好きなだけだから、それで満足でしょう」だそうだ。いつからか、私はかなり誤解されてしまった。確かに、私は自分のことが大好きな人間だ。だけど、いくらそんな人間だと言っても、何から何まで自分を離れることができないと思われるのは心外だ。心から、本当に心から彼女のためを思ってあれこれやっているのに、どうしても分かってくれない。なにも彼女から感謝されたくてやっているわけでもないから、どう思われようと勝手だが、「もうちょっと素直な目でオレを見てくれよ」といつも心の中で叫んでいる。
 年内はあと一回、娘の部屋の大掃除に京都に行くのが唯一の予定らしい。友人との忘年会も何だか気乗りがせずに断ったそうだ。大掃除もしなけりゃいけないし、それなりに忙しいんだろう。でも、せっかくの30回目の誕生日だ。ぜひ盛大にお祝いしなけりゃいけない気にはなる。去年の結婚20周年のお祝いは、いつの間にかうやむやに終わってしまったから、やっぱり何か特別にプレゼントしなけりゃいけない。何が欲しいんだろう。でも、この間ちょっと洩らした「このマンションがいいな」という言葉を繰り返したとしても、聞こえないフリをするしかないのだけれど・・

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