毎日いろんなことで頭を悩ましながらも、明日のために頑張ろうと自分を励ましています。
疲れるけど、頑張ろう!
「狂い」のすすめ
ひろさちや著『「狂い」のすすめ』(集英社新書)を読んだ。ひろさちやという人物が仏教に関する本を書いているのは何となく知っていたが、今まで読んだことはなかった。仏教に深い関心があるわけでもない私がこの本を書店で手に取ったのは、ひとえに題名に惹かれたせいである。『「狂い」のすすめ』などと書かれていては、その内容を知りたくなるのが人情だろう。カバーに次のような本書のまとめが記してあった。
『今の世の中、狂っていると思うことはありませんか。世間の常識を信用したばかりに悔しい思いをすることもあるでしょう。そうです。今は社会のほうがちょっとおかしいのです。当代きっての仏教思想家である著者は、だからこそ「ただ狂え」、狂者の自覚をもって生きなさい、と言います。そうすればかえってまともになれるからです。人生に意味を求めず、現在の自分をしっかりと肯定し、自分を楽しく生きましょう。「狂い」と「遊び」、今を生きていくうえで必要な術はここにあるのです。』
本書を一読して、このまとめが著者の言わんとしていることをどれだけ的確に言い表しているのかがよく分った。まさしくこの通りのことが200ページほどにわたって述べられている。これだけ簡潔にまとめられてしまうと、わざわざ一冊読む必要もないほどだ。ひろさちや本人でも、この字数でこれほど上手くまとめるのは難しいのではないか、と思えるほどだ。まとめを書いた人の才知に感服してしまった。
この本を読み始めてしばらくはものすごい違和感が心から離れなかった。作者は「現代社会はあまりに狂いすぎている」と言う。その社会の流れに沿って生きようとするから様々な齟齬が生じ、それが悩みを生み出す。だから、世間の常識に由って判断するのではなく、世間とは違う「自分に由って」判断する人、「自由人」になれと作者は勧める。そのためには「狂者の自覚」を持てばよい。『なに、狂っているのは世間のほうですよ。世の中が狂っているのです。その狂った世の中にあって、わたしが「狂者の自覚」を持てば、わたしはまともになるのです』(P.25) と言い切る。
しかし、本当にそうなのだろうか。どうして世間が狂っていると判断しても構わないのか。本当に狂っているのは自分ではないのか、という思いが入り込む隙はないのだろうか、などと疑念を挟むことなく、ただひたすら狂っているのは世間であるという前提で話が進められて行く。それがずっと私の心に引っかかって、途中で読むのを止めようかと何度も思ったほどだ。勿論これが逆説的な言い回しであることは理解しているつもりだが、一方的に世間が悪いと言い切ってしまうのは、その世間を構成している一員としてあまりに無責任な言葉ではないかと思ってしまう。この世は狂っているから、そんなもの惑わされずに自分の思い通りに生きよう、などというのは、それこそ現代社会に蔓延している唯我独尊的思考法ではないのか。「あなたは悪くない。全て世間が悪いのですよ」とTVで物分りのよさそうなコメンテーターが猫なで声を出して、さも自分が全ての理解者であるかのような台詞を吐くのにも似て、どうしても納得できなかった。
そうは言っても、軽妙な語り口と平易な宗教解説につられて、最後まで読み終えた。しかし、また最終盤に引っ掛かりが生まれてしまった。
『そうです、わたしたちがこの世に生きているのは、仏が書かれたシナリオの中で、それぞれがいろんな配役をもらって、その役を演じているのです』
『人生が無意味だというのは、わたしたちにはシナリオの全体がわからないから(なにせ何億年にわたるシナリオです)、自分が演じている役の意味がわからないということなんです。しかし、そんな「意味」を考える必要はありません。第一、考えたってわからないのです』(P.190)
「あなたが生きてるのにはこんな意味があるのですよ」としたり顔に言われるのもイヤだが、全てが仏のシナリオの通りなどと考えるのも我慢できない。もし本当にそうなら、生きているのがつまらなくなる。たとえそれが虚妄であろうと、自分の手と足を使って一歩一歩人生を歩んでいくんだという実感がなければ余りにも空しい。生きている意味など分らなくても構わないが、自分で生きている実感は欲しい。
やはりたった一度しかない自分の人生は、死ぬまで自分の人生だと思って生きていたい。
『今の世の中、狂っていると思うことはありませんか。世間の常識を信用したばかりに悔しい思いをすることもあるでしょう。そうです。今は社会のほうがちょっとおかしいのです。当代きっての仏教思想家である著者は、だからこそ「ただ狂え」、狂者の自覚をもって生きなさい、と言います。そうすればかえってまともになれるからです。人生に意味を求めず、現在の自分をしっかりと肯定し、自分を楽しく生きましょう。「狂い」と「遊び」、今を生きていくうえで必要な術はここにあるのです。』
本書を一読して、このまとめが著者の言わんとしていることをどれだけ的確に言い表しているのかがよく分った。まさしくこの通りのことが200ページほどにわたって述べられている。これだけ簡潔にまとめられてしまうと、わざわざ一冊読む必要もないほどだ。ひろさちや本人でも、この字数でこれほど上手くまとめるのは難しいのではないか、と思えるほどだ。まとめを書いた人の才知に感服してしまった。
この本を読み始めてしばらくはものすごい違和感が心から離れなかった。作者は「現代社会はあまりに狂いすぎている」と言う。その社会の流れに沿って生きようとするから様々な齟齬が生じ、それが悩みを生み出す。だから、世間の常識に由って判断するのではなく、世間とは違う「自分に由って」判断する人、「自由人」になれと作者は勧める。そのためには「狂者の自覚」を持てばよい。『なに、狂っているのは世間のほうですよ。世の中が狂っているのです。その狂った世の中にあって、わたしが「狂者の自覚」を持てば、わたしはまともになるのです』(P.25) と言い切る。
しかし、本当にそうなのだろうか。どうして世間が狂っていると判断しても構わないのか。本当に狂っているのは自分ではないのか、という思いが入り込む隙はないのだろうか、などと疑念を挟むことなく、ただひたすら狂っているのは世間であるという前提で話が進められて行く。それがずっと私の心に引っかかって、途中で読むのを止めようかと何度も思ったほどだ。勿論これが逆説的な言い回しであることは理解しているつもりだが、一方的に世間が悪いと言い切ってしまうのは、その世間を構成している一員としてあまりに無責任な言葉ではないかと思ってしまう。この世は狂っているから、そんなもの惑わされずに自分の思い通りに生きよう、などというのは、それこそ現代社会に蔓延している唯我独尊的思考法ではないのか。「あなたは悪くない。全て世間が悪いのですよ」とTVで物分りのよさそうなコメンテーターが猫なで声を出して、さも自分が全ての理解者であるかのような台詞を吐くのにも似て、どうしても納得できなかった。
そうは言っても、軽妙な語り口と平易な宗教解説につられて、最後まで読み終えた。しかし、また最終盤に引っ掛かりが生まれてしまった。
『そうです、わたしたちがこの世に生きているのは、仏が書かれたシナリオの中で、それぞれがいろんな配役をもらって、その役を演じているのです』
『人生が無意味だというのは、わたしたちにはシナリオの全体がわからないから(なにせ何億年にわたるシナリオです)、自分が演じている役の意味がわからないということなんです。しかし、そんな「意味」を考える必要はありません。第一、考えたってわからないのです』(P.190)
「あなたが生きてるのにはこんな意味があるのですよ」としたり顔に言われるのもイヤだが、全てが仏のシナリオの通りなどと考えるのも我慢できない。もし本当にそうなら、生きているのがつまらなくなる。たとえそれが虚妄であろうと、自分の手と足を使って一歩一歩人生を歩んでいくんだという実感がなければ余りにも空しい。生きている意味など分らなくても構わないが、自分で生きている実感は欲しい。
やはりたった一度しかない自分の人生は、死ぬまで自分の人生だと思って生きていたい。
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Godzilla
早稲田大学の2005年の英語の入試問題に、「松井秀喜物語」が出題されているのを見つけた。松井ファンの私にとってはなかなか面白い読み物であったが、松井が大学入試に取り上げられるほど普遍的な話題であるのは、ファンとして誇らしい気がした。ちょっと嬉しかったので、全文を載せてみる。
The famous baseball player Hideki Matsui grew up in Ishikawa Prefecture. He was always a head taller than his classmates. Young Matsui was good at many sports. He earned a first-degree black belt in judo and won a citywide sumo tournament. In primary school, he was so good at baseball, even when playing against boys several years his senior, that he handi- capped himself by batting left-handed. That is how he came to be a left- handed-hitter.
It was at high school that Matsui was first nicknamed "Godzilla." The nick- name was as much for the severe case of teenage acne as it was for his powerful hit. The young athlete once launched a ball in batting practice that cracked the tiles on the roof of the baseball manager's house, nearly 140 meters away.
Matsui went on to make four appearances in the National High School Baseball Championship. In the final game of the tournament, he was inten-tionally walked an unheard-of five times. His calm behavior during those at-bats drew great praise from tournament officials and reporters alike. Matsui himself said that his restraint came from a severe public slapping he had received from his junior high school coach for throwing a bat on the ground when an opposing pitcher had similarly walked him. "It was a valuable lesson for me," he said. "From that day on, I resolved never to lose control of my emotions in a game again."
As a pro, Matsui has steadily improved his defensive skills, evolving into an excellent all-round baseball player. He led the Yomiuri Giants to the team's Japan Championship three times.
Throughout it all, Matsui has remained modest. He wears no earrings and no rock-star sunglasses. That's just not his style. Instructed to stay in the team dormitory and refrain from dating during the first several years of his career, so as to devote all his concentration solely to baseball, Matsui agreed,
without so much as a single complaint. For nine years, he worked hard for
the Giants, never missing a game, despite a variety of injuries. He remained a nice guy, always ready to give his Japanese fans an autograph.
Matsui is now playing in baseball's Mecca, Yankee Stadium in New York.
"It's like a dream come true," says a Japanese sports writer. "Baseball fans in Japan had never imagined that something like this could happen."
【全文訳】
有名な野球選手、松井秀喜は石川県で育った。彼はいつもクラスメートよりも頭一つ分背が高かった。松井少年は多くのスポーツを得意としていた。彼は柔道で初段の黒帯を手にし、市内相撲トーナメントで優勝した。小学校のときから、野球が得意であったため、年長の少年たちを相手にプレーをするときも、自分にハンディキャップをつけて左打ちをした。こうして彼は左打者になったのである。
松井が初めて「ゴジラ」というニックネームをつけられたのは高校生のときであった。そのニックネームは彼の強烈な打撃のせいだけでなく、10代のひどいにきびのせいでもあった。一度など、その若きスポーツマンは打撃練習中にボールを打ち上げ、それが約140m離れた野球部の監督の家の屋根瓦を割ったこともあった。
松井は全国高校野球選手権大会・選抜高校野球大会に連続4回出場した。高校野球の最後の試合で、彼は前代未聞の5回、意図的に歩かされた。このときの打席に立っている間の彼の冷静な行動は、大会の役員と記者の両方から大きな賞賛を得た。松井本人は、自分が自制できるのは、中学時代、相手方のピッチャーから同じように歩かされたとき、地面にバットを投げつけたら、その時のコーチからみんなの前で容赦のない平手打ちを食らった経験があったからだと語っている。「それは僕にとって貴重な教訓でした」と彼は言った。「その日から、僕は二度と試合中に自分の感情を抑えられないなどということにはならないようにしようと決心したんです」
プロとして、松井はたゆまず自分の守備力を高めてきており、卓越した万能型の選手へと進化を遂げた。彼は読売ジャイアンツを三度、日本一へと導いたのである。
その間も一貫して、松井は謙虚な姿勢を崩さない。彼はイヤリングをせず、ロックスター風のサングラスもかけない。それは彼のスタイルではないのだ。野球だけに全身全霊を打ち込めるように、野球選手となって最初の数年間はチームの寮で暮らし、デートも控えるよう指示されると、松井は一言の文句すら言わず、それに従った。9年間、彼は巨人軍のために懸命にプレーし、いろいろ怪我をしたにもかかわらず、1試合も欠場しなかった。彼はずっとナイスガイのままで、いつも快く日本のファンへのサインに応じた。
松井は現在、野球の聖地、ニューヨークのヤンキースタジアムでプレーしている。「まるで夢が現実になっているみたいです」と日本人のスポーツ記者は語る。「日本の野球ファンはこんなことがありうるなんて、想像したこともなかったですからね」
松井の「不動心」の原点がここに記されている。新潮新書「不動心」、発売されたら必ず読むぞ!!
The famous baseball player Hideki Matsui grew up in Ishikawa Prefecture. He was always a head taller than his classmates. Young Matsui was good at many sports. He earned a first-degree black belt in judo and won a citywide sumo tournament. In primary school, he was so good at baseball, even when playing against boys several years his senior, that he handi- capped himself by batting left-handed. That is how he came to be a left- handed-hitter.
It was at high school that Matsui was first nicknamed "Godzilla." The nick- name was as much for the severe case of teenage acne as it was for his powerful hit. The young athlete once launched a ball in batting practice that cracked the tiles on the roof of the baseball manager's house, nearly 140 meters away.
Matsui went on to make four appearances in the National High School Baseball Championship. In the final game of the tournament, he was inten-tionally walked an unheard-of five times. His calm behavior during those at-bats drew great praise from tournament officials and reporters alike. Matsui himself said that his restraint came from a severe public slapping he had received from his junior high school coach for throwing a bat on the ground when an opposing pitcher had similarly walked him. "It was a valuable lesson for me," he said. "From that day on, I resolved never to lose control of my emotions in a game again."
As a pro, Matsui has steadily improved his defensive skills, evolving into an excellent all-round baseball player. He led the Yomiuri Giants to the team's Japan Championship three times.
Throughout it all, Matsui has remained modest. He wears no earrings and no rock-star sunglasses. That's just not his style. Instructed to stay in the team dormitory and refrain from dating during the first several years of his career, so as to devote all his concentration solely to baseball, Matsui agreed,
without so much as a single complaint. For nine years, he worked hard for
the Giants, never missing a game, despite a variety of injuries. He remained a nice guy, always ready to give his Japanese fans an autograph.
Matsui is now playing in baseball's Mecca, Yankee Stadium in New York.
"It's like a dream come true," says a Japanese sports writer. "Baseball fans in Japan had never imagined that something like this could happen."
【全文訳】
有名な野球選手、松井秀喜は石川県で育った。彼はいつもクラスメートよりも頭一つ分背が高かった。松井少年は多くのスポーツを得意としていた。彼は柔道で初段の黒帯を手にし、市内相撲トーナメントで優勝した。小学校のときから、野球が得意であったため、年長の少年たちを相手にプレーをするときも、自分にハンディキャップをつけて左打ちをした。こうして彼は左打者になったのである。
松井が初めて「ゴジラ」というニックネームをつけられたのは高校生のときであった。そのニックネームは彼の強烈な打撃のせいだけでなく、10代のひどいにきびのせいでもあった。一度など、その若きスポーツマンは打撃練習中にボールを打ち上げ、それが約140m離れた野球部の監督の家の屋根瓦を割ったこともあった。
松井は全国高校野球選手権大会・選抜高校野球大会に連続4回出場した。高校野球の最後の試合で、彼は前代未聞の5回、意図的に歩かされた。このときの打席に立っている間の彼の冷静な行動は、大会の役員と記者の両方から大きな賞賛を得た。松井本人は、自分が自制できるのは、中学時代、相手方のピッチャーから同じように歩かされたとき、地面にバットを投げつけたら、その時のコーチからみんなの前で容赦のない平手打ちを食らった経験があったからだと語っている。「それは僕にとって貴重な教訓でした」と彼は言った。「その日から、僕は二度と試合中に自分の感情を抑えられないなどということにはならないようにしようと決心したんです」
プロとして、松井はたゆまず自分の守備力を高めてきており、卓越した万能型の選手へと進化を遂げた。彼は読売ジャイアンツを三度、日本一へと導いたのである。
その間も一貫して、松井は謙虚な姿勢を崩さない。彼はイヤリングをせず、ロックスター風のサングラスもかけない。それは彼のスタイルではないのだ。野球だけに全身全霊を打ち込めるように、野球選手となって最初の数年間はチームの寮で暮らし、デートも控えるよう指示されると、松井は一言の文句すら言わず、それに従った。9年間、彼は巨人軍のために懸命にプレーし、いろいろ怪我をしたにもかかわらず、1試合も欠場しなかった。彼はずっとナイスガイのままで、いつも快く日本のファンへのサインに応じた。
松井は現在、野球の聖地、ニューヨークのヤンキースタジアムでプレーしている。「まるで夢が現実になっているみたいです」と日本人のスポーツ記者は語る。「日本の野球ファンはこんなことがありうるなんて、想像したこともなかったですからね」
松井の「不動心」の原点がここに記されている。新潮新書「不動心」、発売されたら必ず読むぞ!!
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鉄平・・
TBSのドラマ「華麗なる一族」を4週連続で見た。普段は塾があるため、夜の連続ドラマなどは見られない。唯一日曜だけは見ようと思えば見られる。昨年は1年間「功名が辻」を殆ど毎週見た。私は子供の頃から豊臣秀吉に興味があって、NHKの大河ドラマも秀吉が登場すると見てしまう。何年か前の竹中直人もよかったが、今回の柄本明も軽妙洒脱で、本当の秀吉もこんな男だったのではないかなどと錯覚してしまうほどだった。「功名が辻」の場合は、サクセスストーリーなので見ていても安心感があった。一国一城の主となるため夫婦で力をあわせてのし上がっていくという単純明快さは、日曜の夜酔っ払って眺めているには恰好のTVドラマだった。
しかし、「華麗なる一族」は違う。まったく何で今頃、こんな高度成長期の財閥一族の葛藤を見せられなきゃいけないのか理由は分らないが、主演が木村拓哉であるという理由だけで初回から欠かさず見ている。私は、映画「武士の一分」で木村が素晴らしい演技をしていたのを見たので、このTVドラマでも俳優として成長したしるしを見せてくれるものだと大いに期待していた。キムタクなどという名で呼ばれる軽薄なタレントではなく、俳優木村拓哉がその力量を十二分に発揮してくれるものだと心から楽しみにしていた。しかし、今のところその期待は裏切られてしまっている。山田洋次監督やスタッフたちから学んできたものをもう忘れてしまったのか、と叫びたい気持ちでいっぱいだ。一緒に見ているスマヲタの妻は、SMAPのメンバーの悪口を決して言わない女であるが、私と同じような期待を持っていたのだろう、見終わるたびに「木村さんの演技がしょぼい・・」と嘆いている。私が見ていて気づいたのは、木村拓哉が共演者と対面する場合に途中で目線を相手からそらせてしまうことだ。「SMAPのメンバーは皆シャイだから仕方ないの」と妻は懸命に擁護するが、そこは目に力を込めて相手を見るところだろうと思っていると、スッと視線を外してしまう。これだと見ている私の方の力が抜けてしまう。それと、唇の端をキュッとひねるのも目につく。小手先の演技でお茶を濁すのに慣れてしまっているのだろうか、それともカッコいいと思ってやっているのだろうか・・。「あっ、まただ」と気になりだすともういけない。いくら渾身の演技をしていても興ざめしてしまう。
「あれはスタッフが悪い。そんな小芝居じゃなくて身体を使った演技をするように、きちんと説明してやり直させればいいのに。木村さんはちゃんと分る人なんだから、そう言わない周りが悪いんだよ。特にマネージャーがあれこれ口出しするからいけないみたい」と妻が持論を展開し始めるのも、このドラマの木村拓哉の演技に不満を感じているからなんだろう。
ドラマ「華麗なる一族」のストーリーは、なんだか昼ドラを再現したようなドロドロした人間関係が底に流れていて、見ていて気持ちのいい話ではないが、演ずる役者たちはそれぞれ存分に己の存在感をアピールしている。私が特に感心しているのが、美馬中役の仲村トオルだ。仲村といえば「ビーバップハイスクール」でデビューした役者だが、今回は怜悧な大蔵官僚役を見事に演じている。「あれって本当に仲村トオルだよな?」と何回か妻に確かめたほど、私が従来持っていたイメージとは違って憎らしい役を憎らしく演じている。同じように鈴木京香の憎らしさもいい。万俵大介の愛人という立場を最大限に利用して自分の思うがままに周りを翻弄する高須相子を小気味よく演じている。妻は山本耕史を絶賛しているが、私は彼の髪の生え際がかなり上がってきているのが心配だ。もちろん、西田敏行、津川雅彦らの怪演ぶりが見事なのは言うまでもない。山田優や長谷川京子の心もとない演技さえも、彼らの中に入ればご愛敬のような気さえしてくる。
いずれにしても、大団円に向けて話は進んでいく。私は小説の終わり10ページほどを読んで話の結末は分っているが、そこまでどうやってたどり着くのか、これからも木村拓哉の演技に注目して見ていこうと思っている。
しかし、「華麗なる一族」は違う。まったく何で今頃、こんな高度成長期の財閥一族の葛藤を見せられなきゃいけないのか理由は分らないが、主演が木村拓哉であるという理由だけで初回から欠かさず見ている。私は、映画「武士の一分」で木村が素晴らしい演技をしていたのを見たので、このTVドラマでも俳優として成長したしるしを見せてくれるものだと大いに期待していた。キムタクなどという名で呼ばれる軽薄なタレントではなく、俳優木村拓哉がその力量を十二分に発揮してくれるものだと心から楽しみにしていた。しかし、今のところその期待は裏切られてしまっている。山田洋次監督やスタッフたちから学んできたものをもう忘れてしまったのか、と叫びたい気持ちでいっぱいだ。一緒に見ているスマヲタの妻は、SMAPのメンバーの悪口を決して言わない女であるが、私と同じような期待を持っていたのだろう、見終わるたびに「木村さんの演技がしょぼい・・」と嘆いている。私が見ていて気づいたのは、木村拓哉が共演者と対面する場合に途中で目線を相手からそらせてしまうことだ。「SMAPのメンバーは皆シャイだから仕方ないの」と妻は懸命に擁護するが、そこは目に力を込めて相手を見るところだろうと思っていると、スッと視線を外してしまう。これだと見ている私の方の力が抜けてしまう。それと、唇の端をキュッとひねるのも目につく。小手先の演技でお茶を濁すのに慣れてしまっているのだろうか、それともカッコいいと思ってやっているのだろうか・・。「あっ、まただ」と気になりだすともういけない。いくら渾身の演技をしていても興ざめしてしまう。
「あれはスタッフが悪い。そんな小芝居じゃなくて身体を使った演技をするように、きちんと説明してやり直させればいいのに。木村さんはちゃんと分る人なんだから、そう言わない周りが悪いんだよ。特にマネージャーがあれこれ口出しするからいけないみたい」と妻が持論を展開し始めるのも、このドラマの木村拓哉の演技に不満を感じているからなんだろう。
ドラマ「華麗なる一族」のストーリーは、なんだか昼ドラを再現したようなドロドロした人間関係が底に流れていて、見ていて気持ちのいい話ではないが、演ずる役者たちはそれぞれ存分に己の存在感をアピールしている。私が特に感心しているのが、美馬中役の仲村トオルだ。仲村といえば「ビーバップハイスクール」でデビューした役者だが、今回は怜悧な大蔵官僚役を見事に演じている。「あれって本当に仲村トオルだよな?」と何回か妻に確かめたほど、私が従来持っていたイメージとは違って憎らしい役を憎らしく演じている。同じように鈴木京香の憎らしさもいい。万俵大介の愛人という立場を最大限に利用して自分の思うがままに周りを翻弄する高須相子を小気味よく演じている。妻は山本耕史を絶賛しているが、私は彼の髪の生え際がかなり上がってきているのが心配だ。もちろん、西田敏行、津川雅彦らの怪演ぶりが見事なのは言うまでもない。山田優や長谷川京子の心もとない演技さえも、彼らの中に入ればご愛敬のような気さえしてくる。
いずれにしても、大団円に向けて話は進んでいく。私は小説の終わり10ページほどを読んで話の結末は分っているが、そこまでどうやってたどり着くのか、これからも木村拓哉の演技に注目して見ていこうと思っている。
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地球温暖化
2007年02月05日 / 塾
先週末、「地球温暖化は疑う余地がなく、人間活動が原因と確信する」という国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の報告書が発表された。そんなもの当たり前だ、何でこんな宣言をしなけらばならないのかと疑問に思ったら、これまでアメリカを中心にした産業界から、それを否定する「科学的」な根拠が根強くあったからだそうだ。今回の報告書では、01年の第3次報告書から6年間に膨大なデータが集まったため、「温暖化は人為的」と自信を持って表現できたという。「このままの(温室効果ガス)排出が続けば、人類は経験したことがない温暖化した時代に突入する」との環境に携わる科学者のメッセージも発表されたが、温室効果ガスの現在世界一の排出国であるアメリカと、09年には世界一となると予想される中国が地球温暖化に対する危機感を、他の国々と共有しているとは思えないことが温暖化の問題を難しくしている。このように地球が「危険水域」に達した今この両国の温暖化に対する取り込みを促していくことが急務となっている。
日本でも、地球温暖化の問題は深刻である。氷の張った湖で氷に穴を開けてのわかさぎ漁は冬の風物詩であったのに、今年は氷が張らずに禁止になったとの報道があったくらいだから、温暖化は確実に進んでいる。だからと言って、温暖化を止める即効薬などない。私たちが温暖化にNO!という意識を持って日々暮らしていくことこそが何よりも大切だと思う。
そうした考えからか、近年の私立中学の入試問題には地球温暖化を取り上げたものが多い。温暖化の問題についてのおさらいをする意味でもこうした問題を考えてみるのも大切だと思い、ある女子中学の入試問題を以下に抜粋してみる。
*次の文を読んで、問いに答えなさい。
私たちが生きている地球は大気で包まれています。その中に(温室効果ガス)①と呼ばれる気体が存在し、その気体が適度にあることは地球の生態系にとって必要なことです。しかし近年、人間の活動によって温室効果ガスの排出が急激に増加して自然のバランスを崩しています。その一つが地球温暖化であり、(さばく化)②や(海面の上昇)③などの影響を地球に与えています。
この地球温暖化は1980年代より急速に国際社会で問題として取り上げられるようになりました。1992年にブラジルで開かれた「環境と開発に関する国連会議」では、参加した多くの国々が温室効果ガスの濃度を安定化させることを目的とする「気候変動枠組条約」に署名しました。1997年に(日本で開かれた地球温暖化防止のための会議)④では、(先進国の温室効果ガスの削減の目標の数値)⑤が決められました。さらに後の会議では温暖化対策のために途上国に対して、どのような支援をおこなうかが決められ、世界全体で協力して温暖化問題に取り組もうとしています。また世界各国はそれぞれの国内において温暖化防止のためのエネルギー対策や環境税の導入などをおこなったり、自治体や企業にも働きかけを実施しています。この地球の環境を守っていくために、(私たちも地球に生きる市民としてできることをやっていく必要があります)⑥
問1.①について、地球温暖化にもっとも影響を与えている温室効果ガスを、次のア~エのうちから一つ選びなさい。
ア.オゾン イ.二酸化炭素 ウ.フロン エ.メタン
問2.②について、下の地図の中のア~エのうちから、もっともさばく化が進んでいる地域を一つ選びなさい。
問3.③について、海面の上昇により国土の水没が心配されているインド洋に浮かぶ国を、次のア~エのうちから一つ選びなさい。
ア.キューバ イ.東ティモール ウ.マダガスカル エ.モルディブ
問4.④について、この会議が開かれた都道府県名を答えなさい。
問5.⑤について、日本が1990年の排出量と比べて2008年から2012年までに削減しなけらばならない温実効果ガスの数値目標を、次のア~エのうちから一つ選びなさい。
ア.3% イ.6% ウ.12% エ.30%
問6.⑥について、温室効果ガスを減らすために、今日あなたが自宅に帰ってから寝るまでに家の中でできることを具体的に一つ書きなさい。ただし、毎日続けてできることを書くこと。
常識だよね。
日本でも、地球温暖化の問題は深刻である。氷の張った湖で氷に穴を開けてのわかさぎ漁は冬の風物詩であったのに、今年は氷が張らずに禁止になったとの報道があったくらいだから、温暖化は確実に進んでいる。だからと言って、温暖化を止める即効薬などない。私たちが温暖化にNO!という意識を持って日々暮らしていくことこそが何よりも大切だと思う。
そうした考えからか、近年の私立中学の入試問題には地球温暖化を取り上げたものが多い。温暖化の問題についてのおさらいをする意味でもこうした問題を考えてみるのも大切だと思い、ある女子中学の入試問題を以下に抜粋してみる。
*次の文を読んで、問いに答えなさい。
私たちが生きている地球は大気で包まれています。その中に(温室効果ガス)①と呼ばれる気体が存在し、その気体が適度にあることは地球の生態系にとって必要なことです。しかし近年、人間の活動によって温室効果ガスの排出が急激に増加して自然のバランスを崩しています。その一つが地球温暖化であり、(さばく化)②や(海面の上昇)③などの影響を地球に与えています。
この地球温暖化は1980年代より急速に国際社会で問題として取り上げられるようになりました。1992年にブラジルで開かれた「環境と開発に関する国連会議」では、参加した多くの国々が温室効果ガスの濃度を安定化させることを目的とする「気候変動枠組条約」に署名しました。1997年に(日本で開かれた地球温暖化防止のための会議)④では、(先進国の温室効果ガスの削減の目標の数値)⑤が決められました。さらに後の会議では温暖化対策のために途上国に対して、どのような支援をおこなうかが決められ、世界全体で協力して温暖化問題に取り組もうとしています。また世界各国はそれぞれの国内において温暖化防止のためのエネルギー対策や環境税の導入などをおこなったり、自治体や企業にも働きかけを実施しています。この地球の環境を守っていくために、(私たちも地球に生きる市民としてできることをやっていく必要があります)⑥
問1.①について、地球温暖化にもっとも影響を与えている温室効果ガスを、次のア~エのうちから一つ選びなさい。
ア.オゾン イ.二酸化炭素 ウ.フロン エ.メタン
問2.②について、下の地図の中のア~エのうちから、もっともさばく化が進んでいる地域を一つ選びなさい。
問3.③について、海面の上昇により国土の水没が心配されているインド洋に浮かぶ国を、次のア~エのうちから一つ選びなさい。
ア.キューバ イ.東ティモール ウ.マダガスカル エ.モルディブ
問4.④について、この会議が開かれた都道府県名を答えなさい。
問5.⑤について、日本が1990年の排出量と比べて2008年から2012年までに削減しなけらばならない温実効果ガスの数値目標を、次のア~エのうちから一つ選びなさい。
ア.3% イ.6% ウ.12% エ.30%
問6.⑥について、温室効果ガスを減らすために、今日あなたが自宅に帰ってから寝るまでに家の中でできることを具体的に一つ書きなさい。ただし、毎日続けてできることを書くこと。
常識だよね。
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与太話
今日は愛知県知事選の投票日。だからと言ってどうってことないのだが、愛知県の代表を決める日であるから、愛知県民の一人として一言ぐらいここに何かを残しておくべきではないかと思った。しかし、正直言ってほとんど関心がない。投票日も1週間前だと思っていたくらいだ。告示され、選挙ポスターは毎日目にしているが、選挙運動の街宣車を一度も見かけなかったし、恒例のスピーカーからの候補者の名前の連呼もとうとう耳にしなかった。それはそれで静かな生活が送れたわけであるから、何も文句を言う筋合いのものではないが、選挙民としては候補者から相手にされていないように思え、少し寂しい気もした。いくらなんでも一度も、どの陣営の街宣車も見なかったというのは選挙戦が盛り上がりを欠いたものであったことの証明のようで、先日の宮崎知事選挙の熱気とは雲泥の差だ。一県民として、私は選挙戦が少しでも白熱したものになって欲しいと思っていただけに残念な気持ちがぬぐえない。
しかし、こうした選挙戦になるのは始めから分っていた。3人が立候補者したが、実質は自民・公明推薦の神田真秋現知事と民主推薦の石田芳弘元犬山市長との一騎打ちだった。とは言っても、両者とも私の中学・高校の先輩に当たり、考え方に大差がないのは目に見えている。3期目の当選を目指す神田知事がどういう県政を執って来たのかよく知らない。中部国際空港の開港、愛知万博の開催など巨大プロイジェクトを成功させてきた手腕はそれなりに評価できようが、それは全て彼の功績によるものでもないだろう。石田市長は、犬山市で30人学級を導入したことを前面に出し教育行政の充実を公約しているが、経済的な分野での能力がはっきりしないだけに県民の付託を得るには難しい面もある。要するにどちらの候補も「帯に短し、たすきに長し」といった印象しかない、などと政治オンチの私でさえ思うくらいだから、選挙戦が盛り上がらなかったのも仕方のないことだと思う。
しかし、今思えば、このなんとも間延びした愛知県知事選を宮崎県の知事選にも勝る熱狂の坩堝にする方法が一つだけあったのだ。それは、東国原英夫宮崎県知事の離婚した元妻、かとうかず子が知事選に立候補してくれることだった。
彼女は名古屋市出身の48歳。田中康夫前長野県知事のデビュー作「なんとなくクリスタル」が映画化されたときに、主演したことも知事という職に浅からぬ因縁がある。もちろん政党の支持などいらない。今や時の人である前夫が応援演説に訪れるだけで、彼女の行くところ黒山の人だかりになっただろう。東国原知事も、結婚生活で彼女に迷惑をかけ続けた罪滅ぼしに大車輪の活躍をしたことだろう。しかも、かとうは女性候補だ。今は柳沢伯夫厚生労働大臣の「女性は子供を産む機械」という女性蔑視の発言が大きな力で背中を押してくれる。いくらなんでもあの発言はないだろうと、大臣のあまりの見識のなさに全国民があきれ果てている今、女性候補に票が集まるのは明らかである。(あれを失言と呼んでいるマスコミもあるが、普段思っていることをポロリと言ってしまったというのなら、なおさら問題であろう)。かくして、かとうかず子候補は圧倒的な票差で当選!!、などという与太話は誰もまともに取り合ってくれないだろうな・・・。
選挙を祝祭ととらえたとしても、盛り上がりに欠けては何もならない。オリンピックやFIFAワールドカップのように4年に1度のお祭りは、できることなら熱気あふれたものにならなければならない。昨夜の夕刊は各陣営が死力を尽くしたと強調していたが、どうにもその紙面を読む気にはならなかった。
そうは言っても、私も有権者の一人。己の投票権を生かさずにいては何も語れない。どの候補に入れるかはその場で決めることにして、とりあえず投票してこなければならない。
しかし、こうした選挙戦になるのは始めから分っていた。3人が立候補者したが、実質は自民・公明推薦の神田真秋現知事と民主推薦の石田芳弘元犬山市長との一騎打ちだった。とは言っても、両者とも私の中学・高校の先輩に当たり、考え方に大差がないのは目に見えている。3期目の当選を目指す神田知事がどういう県政を執って来たのかよく知らない。中部国際空港の開港、愛知万博の開催など巨大プロイジェクトを成功させてきた手腕はそれなりに評価できようが、それは全て彼の功績によるものでもないだろう。石田市長は、犬山市で30人学級を導入したことを前面に出し教育行政の充実を公約しているが、経済的な分野での能力がはっきりしないだけに県民の付託を得るには難しい面もある。要するにどちらの候補も「帯に短し、たすきに長し」といった印象しかない、などと政治オンチの私でさえ思うくらいだから、選挙戦が盛り上がらなかったのも仕方のないことだと思う。
しかし、今思えば、このなんとも間延びした愛知県知事選を宮崎県の知事選にも勝る熱狂の坩堝にする方法が一つだけあったのだ。それは、東国原英夫宮崎県知事の離婚した元妻、かとうかず子が知事選に立候補してくれることだった。
彼女は名古屋市出身の48歳。田中康夫前長野県知事のデビュー作「なんとなくクリスタル」が映画化されたときに、主演したことも知事という職に浅からぬ因縁がある。もちろん政党の支持などいらない。今や時の人である前夫が応援演説に訪れるだけで、彼女の行くところ黒山の人だかりになっただろう。東国原知事も、結婚生活で彼女に迷惑をかけ続けた罪滅ぼしに大車輪の活躍をしたことだろう。しかも、かとうは女性候補だ。今は柳沢伯夫厚生労働大臣の「女性は子供を産む機械」という女性蔑視の発言が大きな力で背中を押してくれる。いくらなんでもあの発言はないだろうと、大臣のあまりの見識のなさに全国民があきれ果てている今、女性候補に票が集まるのは明らかである。(あれを失言と呼んでいるマスコミもあるが、普段思っていることをポロリと言ってしまったというのなら、なおさら問題であろう)。かくして、かとうかず子候補は圧倒的な票差で当選!!、などという与太話は誰もまともに取り合ってくれないだろうな・・・。
選挙を祝祭ととらえたとしても、盛り上がりに欠けては何もならない。オリンピックやFIFAワールドカップのように4年に1度のお祭りは、できることなら熱気あふれたものにならなければならない。昨夜の夕刊は各陣営が死力を尽くしたと強調していたが、どうにもその紙面を読む気にはならなかった。
そうは言っても、私も有権者の一人。己の投票権を生かさずにいては何も語れない。どの候補に入れるかはその場で決めることにして、とりあえず投票してこなければならない。
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みかん
街を行き子供の傍を通る時 蜜柑の香せり冬がまた来る
木下利玄
毎日みかんを5、6個食べている。風邪を引かないようにビタミンを補充しようと冬になってからせっせと食べている。そのせいあってか今のところ風邪は引いてない。もともとみかんは好きだ。大学の頃、下宿への帰り道果物屋があってよく一袋買って行って、一晩で食べたものだ。それが夕飯の代わりになったことさえある。みかんというものは食べ出すと止まらない、いくらでも食べられる。ピーナッツも同じように食べ出すと止まらないが、みかんはさすがに満腹になる。しかし、水分が主なのですぐにお腹が空く。決して夕飯代わりにはならないように思うが、学生の頃はそれで満足していたから不思議なものだ。
みかんを漢字を使って「蜜柑」と書くとなんだか別の食べ物のような気がする。私が好きなのは平仮名のみかんであって、漢字の「蜜柑」などではない。同じようでいて微妙に違う。りんご・れもん・いちご・なしも、漢字で「林檎」・「檸檬」・「苺」・「梨」と書くと、簡単には食べられないもののような気がする。片仮名で「ミカン・リンゴ・レモン・イチゴ・ナシ」と書かれてもやはり違和感を感じる。私の好きな果物の名前は、平仮名で表記したいと言い張りたい気がする。
ここまで書いてきて、そう言えば「みかんの皮をむかなくても中の袋の数が分る」という技があったのを思い出した。どうやるんだったかはっきりしなかったので妻に聞いてみた。すると、
「みかんの緑のヘタをとると白い点々が並んでいるから、それを数えればみかんの袋の数と一致するよ」
と教えてくれた。なるほどと思って実際に試してみた。
芥川龍之介は「蜜柑」の中で、みかんの色を「心を躍らすばかり暖かな日の色に染まっている」と書いているが、絶妙な表現だ。みかんのもつやさしい色合いを過不足なく表している。このみかんのてっぺんにある緑のへたを取ってみると、確かに丸いくぼみの中に太陽の光の矢のようなものがいくつか見える。
老眼鏡の世話にならなければならない私には何本あるのかを視認するのは相当難しかったが、10か11あるのが分った。そこで、みかんの皮を剥いてみて袋の数を確認した。
袋は11あった。確かに妻の言ったとおりだ。不思議な気がして少し調べたところ、この緑のへたの下にある白い点々は水分や養分を運ぶ管の断面なのだそうだ。一つの袋に1本の管が通っているのだろうから、「点々の数=袋の数」という公式が成り立つのだろう。妻は「昔はもっとこの点々がはっきり見えたんだけどな」といかにもみかんの品質が変わったようなことを言った。しかし、私が見たところ、それは妻の老眼が進んだことの証左に過ぎないとしか思えなかったが、黙っておいた。
皮を剥いたみかんはもちろん食べたが、みかんの食べ方は大別すると次の4パターンになるそうだ。
1. 白いスジだけ簡単にとり、房ごと食べる人
2. 房もスジも気にせず丸ごと食べる人
3. スジをていねいにとり、房も吐き出す人
4. 夏みかんのようにひと房づつむく人
面倒くさがりの私は、2のやり方で2口ぐらいで食べてしまう。なかなか豪快でしょ?
木下利玄
毎日みかんを5、6個食べている。風邪を引かないようにビタミンを補充しようと冬になってからせっせと食べている。そのせいあってか今のところ風邪は引いてない。もともとみかんは好きだ。大学の頃、下宿への帰り道果物屋があってよく一袋買って行って、一晩で食べたものだ。それが夕飯の代わりになったことさえある。みかんというものは食べ出すと止まらない、いくらでも食べられる。ピーナッツも同じように食べ出すと止まらないが、みかんはさすがに満腹になる。しかし、水分が主なのですぐにお腹が空く。決して夕飯代わりにはならないように思うが、学生の頃はそれで満足していたから不思議なものだ。
みかんを漢字を使って「蜜柑」と書くとなんだか別の食べ物のような気がする。私が好きなのは平仮名のみかんであって、漢字の「蜜柑」などではない。同じようでいて微妙に違う。りんご・れもん・いちご・なしも、漢字で「林檎」・「檸檬」・「苺」・「梨」と書くと、簡単には食べられないもののような気がする。片仮名で「ミカン・リンゴ・レモン・イチゴ・ナシ」と書かれてもやはり違和感を感じる。私の好きな果物の名前は、平仮名で表記したいと言い張りたい気がする。
ここまで書いてきて、そう言えば「みかんの皮をむかなくても中の袋の数が分る」という技があったのを思い出した。どうやるんだったかはっきりしなかったので妻に聞いてみた。すると、
「みかんの緑のヘタをとると白い点々が並んでいるから、それを数えればみかんの袋の数と一致するよ」
と教えてくれた。なるほどと思って実際に試してみた。
芥川龍之介は「蜜柑」の中で、みかんの色を「心を躍らすばかり暖かな日の色に染まっている」と書いているが、絶妙な表現だ。みかんのもつやさしい色合いを過不足なく表している。このみかんのてっぺんにある緑のへたを取ってみると、確かに丸いくぼみの中に太陽の光の矢のようなものがいくつか見える。
老眼鏡の世話にならなければならない私には何本あるのかを視認するのは相当難しかったが、10か11あるのが分った。そこで、みかんの皮を剥いてみて袋の数を確認した。
袋は11あった。確かに妻の言ったとおりだ。不思議な気がして少し調べたところ、この緑のへたの下にある白い点々は水分や養分を運ぶ管の断面なのだそうだ。一つの袋に1本の管が通っているのだろうから、「点々の数=袋の数」という公式が成り立つのだろう。妻は「昔はもっとこの点々がはっきり見えたんだけどな」といかにもみかんの品質が変わったようなことを言った。しかし、私が見たところ、それは妻の老眼が進んだことの証左に過ぎないとしか思えなかったが、黙っておいた。
皮を剥いたみかんはもちろん食べたが、みかんの食べ方は大別すると次の4パターンになるそうだ。
1. 白いスジだけ簡単にとり、房ごと食べる人
2. 房もスジも気にせず丸ごと食べる人
3. スジをていねいにとり、房も吐き出す人
4. 夏みかんのようにひと房づつむく人
面倒くさがりの私は、2のやり方で2口ぐらいで食べてしまう。なかなか豪快でしょ?
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QRコード
大学入試の志願状況を知りたくて、ある大学のHPを開いたら携帯電話でも志願状況が見られるとあった。そのすぐ下にQRコードが貼り付けてあって、それを携帯電話で操作すればそのページのURLが携帯に表示されると説明があった。これは便利だと思って早速試そうと思ったが、悲しいことに私はQRコードの読み取り方を知らない。最近よく見かけるなとは思っていたが、必要を感じなかったのでその使い方を知りたいと思ったことがなかった。こういう時に好奇心の欠如が災いするんだなと、少し後悔したが、あれこれ調べて何とか方法が分った。私の携帯DOCOMOのP902iでの読み取り方は次のようだ。
①カメラを起動(このとき接写モードにする)
②機能 ⇒ カメラモード切替 ⇒ バーコードリーダー ⇒ コード読み取り ⇒ 開始
③自動的に読み取りを行う
④URLや情報が表示される。URLはクリックするとそのサイトにアクセスできる。
覚えてしまえば実に簡単だ。後はそのURLをブックマークすれば、次からは簡単にそのサイトに行ける。科学の進歩は本当にすごい。
ところで、このQRコードというのは一体どんなものなのだろう、少し調べてみた。
「バーコードより多くの情報(文字)を省スペースで収納したいというニーズにより「2次元コード」として開発され、1994年にデンソーウェーブ(発表当時は(株)デンソーの一部門)から発表さた。2次元コードは既にバーコードを積み重ねたタイプから、さらに情報密度を高めたマトリックス方式に進化している。
QRコードは、大容量データの収納、小スペースへの印字、かな・漢字を効率よく表現、汚れ・破損に強く、360°どの方向からでも読み取り可能で、複数のコードに分かれて格納された情報を一つのデータとして連結することもできる。
私がちゃんと理解できたとは思えないが、とにかくバーコードを進化させたものなんだろう。これからもどんどん利用範囲が広がっていくにちがいない、などと考えていたら、ひょっとしたら私でもQRコードを作成することができるのではないだろうか、と思い付いた。さっそく検索してみたら、携帯電話で読み込みのできるQRコードを作成できるフリーソフト「QRWindow」 というものを見つけた。ダウンロードすれば本当に簡単な操作でQRコードができてしまう。PC関係にはまったく無知な私でも、あっという間にQRコードを作成することができた。
試しにこのブログのURLを情報として入れてみた。うまく作成することはできたのだが、どうしても作ったものをこのブログに貼り付ける方法が分らなかった。写真のように取り込もうと思ったのだが、ファイル形式がビットマップのみであるためなのか、うまくいかなかった。仕方なくデジカメで撮って貼り付けたのだが、こうしても携帯から読み取れるのがすごい。もっと勉強して写真を使わずにブログに貼り付けられるようになりたいと思う。(できるかな?)
でもこれだけじゃ余りにも楽しくないので、以下になぞなぞの問題を入れたQRコードを3つ作ってみた。
難しいかな?
①カメラを起動(このとき接写モードにする)
②機能 ⇒ カメラモード切替 ⇒ バーコードリーダー ⇒ コード読み取り ⇒ 開始
③自動的に読み取りを行う
④URLや情報が表示される。URLはクリックするとそのサイトにアクセスできる。
覚えてしまえば実に簡単だ。後はそのURLをブックマークすれば、次からは簡単にそのサイトに行ける。科学の進歩は本当にすごい。
ところで、このQRコードというのは一体どんなものなのだろう、少し調べてみた。
「バーコードより多くの情報(文字)を省スペースで収納したいというニーズにより「2次元コード」として開発され、1994年にデンソーウェーブ(発表当時は(株)デンソーの一部門)から発表さた。2次元コードは既にバーコードを積み重ねたタイプから、さらに情報密度を高めたマトリックス方式に進化している。
QRコードは、大容量データの収納、小スペースへの印字、かな・漢字を効率よく表現、汚れ・破損に強く、360°どの方向からでも読み取り可能で、複数のコードに分かれて格納された情報を一つのデータとして連結することもできる。
私がちゃんと理解できたとは思えないが、とにかくバーコードを進化させたものなんだろう。これからもどんどん利用範囲が広がっていくにちがいない、などと考えていたら、ひょっとしたら私でもQRコードを作成することができるのではないだろうか、と思い付いた。さっそく検索してみたら、携帯電話で読み込みのできるQRコードを作成できるフリーソフト「QRWindow」 というものを見つけた。ダウンロードすれば本当に簡単な操作でQRコードができてしまう。PC関係にはまったく無知な私でも、あっという間にQRコードを作成することができた。
試しにこのブログのURLを情報として入れてみた。うまく作成することはできたのだが、どうしても作ったものをこのブログに貼り付ける方法が分らなかった。写真のように取り込もうと思ったのだが、ファイル形式がビットマップのみであるためなのか、うまくいかなかった。仕方なくデジカメで撮って貼り付けたのだが、こうしても携帯から読み取れるのがすごい。もっと勉強して写真を使わずにブログに貼り付けられるようになりたいと思う。(できるかな?)
でもこれだけじゃ余りにも楽しくないので、以下になぞなぞの問題を入れたQRコードを3つ作ってみた。
難しいかな?
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応募しよまあ!!
昨日、ウーロン茶を買いにスーパーへ行ったら、すごいものを見つけた。
キリンビール創業100周年記念キャンペーンの一環として、「金の名古屋城ジョッキ」が抽選で100名にプレゼントされるというのだ。もちろんこれは名古屋地区限定の催しなんだろうが、なんといっても名古屋城をジョッキにしたところがすごい。しかも金のしゃちほこにちなんで全体が金色になっているのが、派手派手名古屋を象徴しているようで、見ただけでワクワクしてくる。応募用紙をよく見ると、(※金の名古屋城ジョッキは、金色の陶製ジョッキです)と但し書きが書いてあったから純金製ではない。さすがにそこまでは大盤振る舞いはできないのだろうが、陶製ならではの味わいもあるだろうから、ぜひとも応募しなければならない。
100名限定なのでライバルは少ないほうがいいに決まっているが、こうした馬鹿げたイベントには少しでも多くの人々が参加したほうが盛り上がって楽しいだろうから、以下に応募方法を写しておく。
【応募受付期間】
2007年1月26日(金)~3月9日(金)
※ハガキ:当日消印有効/インターネット:24:00までの送信分有効
【応募資格】
・20歳以上の方に限らせていただきます。
・賞品発送の都合により日本国内にご在住の方に限らせていただきます。
※キリンビール株式会社の社員及び関係者の応募はご遠慮ください。
【応募方法】
インターネットでご応募の場合:
専用応募フォームに必要事項をもれなくご記入のうえ、ご応募ください。
※携帯電話(インターネット接続可能な端末限定。PHSは除く)からもご応募いただけます。
→インターネットで応募する(クイズに解答する)
ハガキの場合:
専用応募ハガキ、または市販のハガキに必要事項をすべてご記入のうえ、50円切手を貼ってご応募ください。
※ハガキについては何回でもご応募可能です。インターネットについては各媒体を通じてお一人様1回限り(複数応募いただいた場合は最終応募のみ有効)とさせていただきます。
【ハガキ応募宛先】
〒450-8799 名古屋中央郵便局名古屋駅前分室留
「昔ッから、決まッとる。キャンペーン」 係
【必要事項】
(1)クイズの回答(2)郵便番号(3)住所(4)お名前(フリガナ)(5)電話番号(6)性別(7)年齢
【クイズ】
○の中に文字を埋めてください。
「昔ッから、○まっとる。」
【当選発表】
ご応募いただいた方の中から厳正なる抽選のうえ、当選者を決定いたします。当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※賞品の発送は4月下旬頃を予定しております。ただし、諸事情により賞品の発送が多少前後する場合もありますので、あらかじめご了承ください。
私は今までこうした懸賞に応募したことはあまりないが、応募して賞品が当たったことが一度だけある。それは5年ほど前になるが、井上陽水がCMをやっていたキリン「聞茶」の懸賞に応募して、みごと麻雀牌が当たったのだ。通常の2倍くらいの大きさの牌で、なかなかの逸品だった。一度も使わないうちに友人の引っ越し祝いに贈呈してしまって今はもう手元にないが、ネット上をあっちこっち探し回って写真を見つけてきた。
同じキリンの懸賞なので、ぜひとも「金の名古屋城ジョッキ」も当たって欲しいと思っている。
キリンビール創業100周年記念キャンペーンの一環として、「金の名古屋城ジョッキ」が抽選で100名にプレゼントされるというのだ。もちろんこれは名古屋地区限定の催しなんだろうが、なんといっても名古屋城をジョッキにしたところがすごい。しかも金のしゃちほこにちなんで全体が金色になっているのが、派手派手名古屋を象徴しているようで、見ただけでワクワクしてくる。応募用紙をよく見ると、(※金の名古屋城ジョッキは、金色の陶製ジョッキです)と但し書きが書いてあったから純金製ではない。さすがにそこまでは大盤振る舞いはできないのだろうが、陶製ならではの味わいもあるだろうから、ぜひとも応募しなければならない。
100名限定なのでライバルは少ないほうがいいに決まっているが、こうした馬鹿げたイベントには少しでも多くの人々が参加したほうが盛り上がって楽しいだろうから、以下に応募方法を写しておく。
【応募受付期間】
2007年1月26日(金)~3月9日(金)
※ハガキ:当日消印有効/インターネット:24:00までの送信分有効
【応募資格】
・20歳以上の方に限らせていただきます。
・賞品発送の都合により日本国内にご在住の方に限らせていただきます。
※キリンビール株式会社の社員及び関係者の応募はご遠慮ください。
【応募方法】
インターネットでご応募の場合:
専用応募フォームに必要事項をもれなくご記入のうえ、ご応募ください。
※携帯電話(インターネット接続可能な端末限定。PHSは除く)からもご応募いただけます。
→インターネットで応募する(クイズに解答する)
ハガキの場合:
専用応募ハガキ、または市販のハガキに必要事項をすべてご記入のうえ、50円切手を貼ってご応募ください。
※ハガキについては何回でもご応募可能です。インターネットについては各媒体を通じてお一人様1回限り(複数応募いただいた場合は最終応募のみ有効)とさせていただきます。
【ハガキ応募宛先】
〒450-8799 名古屋中央郵便局名古屋駅前分室留
「昔ッから、決まッとる。キャンペーン」 係
【必要事項】
(1)クイズの回答(2)郵便番号(3)住所(4)お名前(フリガナ)(5)電話番号(6)性別(7)年齢
【クイズ】
○の中に文字を埋めてください。
「昔ッから、○まっとる。」
【当選発表】
ご応募いただいた方の中から厳正なる抽選のうえ、当選者を決定いたします。当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※賞品の発送は4月下旬頃を予定しております。ただし、諸事情により賞品の発送が多少前後する場合もありますので、あらかじめご了承ください。
私は今までこうした懸賞に応募したことはあまりないが、応募して賞品が当たったことが一度だけある。それは5年ほど前になるが、井上陽水がCMをやっていたキリン「聞茶」の懸賞に応募して、みごと麻雀牌が当たったのだ。通常の2倍くらいの大きさの牌で、なかなかの逸品だった。一度も使わないうちに友人の引っ越し祝いに贈呈してしまって今はもう手元にないが、ネット上をあっちこっち探し回って写真を見つけてきた。
同じキリンの懸賞なので、ぜひとも「金の名古屋城ジョッキ」も当たって欲しいと思っている。
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