じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

映画「三度目の殺人」

2019-12-07 23:40:49 | Weblog
☆ 映画「三度目の殺人」を観た。映画を観た後で解釈を論争できるような作品だった。

☆ 三度目の殺人で死刑は必至。殺人犯役は役所さん、それを弁護するのは福山さん。死刑囚の自供はコロコロ変わり、弁護人もそれに振り回される。

☆ 彼は何故、三度目の殺人を犯したのか。いや、そもそも彼は殺人を起こしたのか。

☆ 法とは何か、正義とは何かを考えさせられる。犯人役が役所さんだから、まさか彼が殺人を起こすことはないと考えてしまうが、もしもっと醜悪で、粗暴な人物ならばどうだろうか。判決は案外そうしたルックスや雰囲気で決まってしまうのではと思った。冤罪の落とし穴はそんなところにあるのかも知れない。

☆ 見終わった後で達成感、解放感がない。何かモヤモヤしたものが残る。それが狙いなのだろうか。
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鮎川哲也「五つの時計」

2019-12-07 20:54:32 | Weblog
☆ 鮎川哲也さんの「五つの時計」(創元推理文庫)から表題作を読んだ。

☆ ある殺人事件、容疑者が逮捕されたが、彼は無実を訴えている。鬼貫警部は真犯人の目星を立てるが、その男には完全なアリバイがあった。

☆ 時間トリックを解き明かす面白さ。シンプルなテーマだが読みごたえがあった。1957年(昭和32年)発表の作品だが、今でも十分読める。

☆ 文章がうまい。池波正太郎さんの「鬼平犯科帳」のような心に沁みるエンディングだ。
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泡坂妻夫「DL2号機事件」

2019-12-07 17:33:42 | Weblog
☆ 泡坂妻夫さんの「亜愛一郎の狼狽」(創元推理文庫)から「DL2号機事件」を読んだ。泡坂さんのデビュー作だという。

☆ 飛行機爆破予告。ある人物を殺害することが目的だという。空港は緊急配備、しかし飛行機は無事に着陸。予告犯人は本当にテロを企てたのか、それとも悪戯なのか。

☆ たまたま雲を撮影していたという亜愛一郎が推理をはたらかせる。

☆ 強迫感も行き過ぎればこうなるのか。地震を怯えるあまり、地震が起こった直後の土地に家を建てるとか。サイコロの譬えは、なんとなくわかった気になる。

☆ 冒頭の50年に一度の大地震の描写、それに航空機テロ。予言的な印象をもった。偶然だろうけれど。

☆ 筆の運びは、阿刀田さんの「ナポレオン狂」って感じかな。
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